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日本酒マスターになる!無濾過ってなに?

日本酒マスターになる!無濾過ってなに?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:東京農業大学 醸造科学科 教授 前橋健二(まえはしけんじ)

2019年12月 5日

日本酒でよく耳にする「無濾過」。さらに「無濾過生原酒」というものも聞いたことがあるだろう。しかし、「無濾過」がどのような味わいの酒になるかは試したことがないという人も少なくないだろう。日本酒の製造方法について触れながら、無濾過の特徴について解説する。

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1. 日本酒の作り方

日本酒は蒸米に麹を加えることで麹の酵素によって米のデンプンを糖化させ、それと同時に酵母を加えることによりアルコール発酵を行う。一つの樽で糖化とアルコール発酵を行う「並行複発酵」という醸造方法で造られる。日本酒は糖化とアルコール発酵を同時に行うことによってバランス良く発酵を進めることができるため、他の醸造酒に比べて高いアルコール度数を得ることができる要因になっている。
いわゆるスターターの役割をもつ「酒母(酛)」と呼ばれる蒸米、麹、水を混ぜたものを小さなタンクで造って酵母を大量に培養し、その後酒母をもとに本仕込みにはいる。この本仕込みは三段仕込みという手法を採るのが一般的で、段階を踏んで休ませながら、さらにここに蒸米や麹、水を加えて、もろみと呼ばれる酒の前段階に仕込んでいく。熟成されたもろみを絞り、漉したものが「原酒」と呼ばれる液体であり、その後「火入れ」と呼ばれる低温加熱殺菌を行う。濾過をしても酒の中に酵母菌や酵素などが残り、味を変える可能性があるため、酒質を安定させる意味合いがある。
そして、仕込み水を加えてアルコール度数の調整を行ったものが製品へと仕上げられていく。
ちなみに、酒造りに使われる大粒で軟質な米の精米歩合や原料の違い、製法の違いによって名称は変わる。

2. 無濾過ってなに?

日本酒づくりにおいて、もろみを原酒と酒粕に分ける「もろみを漉す工程」があってはじめて「清酒」と呼ぶことができる。この作業は「上槽」と呼ばれ、「濾過」とは異なる工程だ。
通常はさらにそのあと、原酒のオリを取り除き、活性炭や濾過フィルターなどで濾過作業をする。にごりのない透明度の高い清酒が良しとされてきた風潮もあり、雑味やにごりをとり、クリアなお酒にするのが目的だ。この濾過の工程を省略し、もろみを絞って酒粕と分離させたまでの状態のものを「無濾過」と呼ぶ。 ちなみに濾過には、粉末状の活性炭を入れて濾過機を通す方法や、活性炭を使わずに珪藻土やフィルターなどの濾過機を通す素濾過とよばれる方法がある。定義はあいまいであるが、炭素濾過を一切しないのが無濾過とし、実際には素濾過のお酒のことを「無濾過」と表示している酒が多いとされる。活性炭の量が多すぎると旨味までなくなってしまうため、良心的な蔵は炭の量を極力抑えているとされる。活性炭素も使わず濾過機も通さないものを「完全無濾過」と表記する場合もある。
さらに、この無濾過の原酒にアルコール調整のために行う「加水」と、雑菌繁殖防止や酵素活動を停止させる役割である「火入れ」をしてないものを「無濾過生原酒」と呼ぶ。

3. 無濾過の酒の味わいは?

濾過をしない多少のことによるにごりのある黄みがかった色合いが特徴的である。味も濃く、酒の味がよく味わえる。濾過によって取り除かれてしまうような、酒がもつ本来の旨味や個性などが残り、 飲み応えのある風味に仕上がるとされている。米の旨味が濃厚に感じられ、重量感を味わえる酒となる。
濾過すると雑味が取れてすっきりとし、飲み飲みやすくなると同時に旨味も取れてしまうため、好みも分かれるという。濾過されたさらりとしてなめらかな酒に物足りなさを感じるような通好みの酒だともいわれる。
さらに「無濾過生原酒」は、火入れをすることで失われる「生」ならではのフレッシュさや割り水なしの濃厚な味わいが楽しめ、新鮮さや力強さが人気だ。原酒に水を加えて薄めていないため、アルコール度数が高い傾向があり、味わいもパンチのきいたものが多い。一般的な酒のアルコール度数が15度程度のものが多いのに対して、原酒は17度~18度と高めで、酔いがまわりやすいとされている。味も濃いため、少量ずつ飲むのがおすすめだ。ちなみに最近では、原酒のまま割り水をせず、アルコール度数をおさえたものも造られており、原酒の味わいをそのままに、アルコール度数を低めに設定することで量が飲めるように試行錯誤されたものも出回っているという。

結論

日本酒造りの仕上げ段階で濾過しない「無濾過」は、その酒の持つ本来の味が残りやすく、好みであればはまるといわれている。さらに火入れをしない「無濾過生原酒」ならではのフレッシュな味わいも感じてみたいものだ。

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