1. パッキン一体型容器とは

そもそも「パッキン」とは、密閉するため、また逆流防止のために取り付けられるパーツのことだ。工業製品としても存在する。最も身近なのがフードコンテナのパッキン付き密閉容器なのだ。
通常は取り外し式
プラスチックや金属などの硬い容器の本体と蓋の隙間を埋める役割として、シリコンやゴムで弾力性のあるパッキンを作り、通常は蓋側の溝に取り付けられる。外してこまめに洗う必要があり、歯ブラシやつまようじで面倒な思いをしたことがある人は多いだろう。乾かした後は付け直す手間が必要で、怠けるとカビや汚れが付着してしまう。
超画期的なパッキン一体型
前述のパッキン付き容器の弱点を補う素晴らしい発明が「パッキン一体型」だ。蓋とパッキンが一体型で滑らかに接合されており、いちいち外さず丸洗い出来て衛生的だ。何より面倒くさくないし、時短になるのがいい。
2. 世界初!日本で発明

どうしてこんなに便利な物が今までなかったのかと言えば、技術的な問題が原因だ。この画期的な発明は実は日本で発明されたのである。
奈良県の支援プロジェクト
平成27年、奈良県は岩崎工業株式会社という会社に「高付加価値獲得支援補助金事業・実践ものづくり事業補助」を行った。これにより、往来のパッキン容器で実現できなかった技術が世界初で実現したのだ。往来のパッキンの不便さと耐熱性が弱いことに着目していた岩崎工業株式会社は、一体型の技術を確立して海外からも一斉に注目されることになる。北米で展開する「ラストロウェア」ブランドの新製品として米国で発売されると、瞬く間に世界中に広まった。
弱点一掃
素材そのものと成形技術の開発により、パッキンを溝の無いシームレス設計にすることに成功したので、密閉性が更に向上して液体を入れても漏れない構造になった。熱湯OK、熱湯消毒ももちろんOKで、食洗器や漂白剤も使用できる。蓋をずらせば電子レンジにもそのまま入れられるので大変便利である。
3. 弁当箱として人気

フードコンテナとして作られたが、様々な会社から発売され、今はその機能性で弁当箱として人気になっている。
特に有名な「フードマン」
数々のメディアに取り上げられている「薄型弁当箱フードマン」。A4サイズの書類とぴったり同じ幅で、厚さは35mmと超薄型だ。ビジネスマンの鞄に「縦にして入れること」を想定して作られており、薄いのにお茶碗約4杯分(800ml)も入る容量である。弁当専用なので、仕切りが本体と蓋に既に作られており、全て一体型成形のためまず漏れることは無い。
ビジネスマンのための弁当箱
薄型なのは鞄に入れやすく、具が中でグシャッと崩れないための工夫でもある。電子レンジに使え、ビジネスバックにぴったりとあってサラリーマンを中心に人気になった。女性には容量半分のハーフサイズも発売されている。パッキン一体型は元々保存容器として開発されたが、あまりの密閉性と便利さにこのような用途が派生した。温められるし匂いも全く漏れないため、食後に歯磨き出来るならカレーだって楽々持ち運べる。
結論
パッキン付きの密閉容器はどこの家庭にも必ずある便利な容器だ。しかし、往来品ではパッキンの手入れを面倒くさく感じている人も多かっただろう。パッキン一体型はややお値段が上がるとは言えそこまで高額でもないし、何よりパッキンが消耗しにくいため長く使うことが出来る。一度使ってその便利さを実感してみて欲しい。薄型弁当箱タイプを持って行けば、職場の話題をさらってしまいそうだ。
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