1. 飴色玉ねぎの美味しさの秘密とは?

生で食すと辛みを強く感じることがある玉ねぎだが、炒めて飴色玉ねぎにすることでなぜこんなにも美味しくなるのだろうか?その秘密を探ってみよう。
玉ねぎの糖質の量はいちごに匹敵する
玉ねぎは、糖質が多く含まれている野菜である。意外かもしれないが、その量はなんといちごに匹敵するという。実際は甘みと辛みどちらの成分も含まれているのだが、生の状態ではどうしても辛みを強く感じてしまう。ここでポイントになるのが「加熱」である。火を通すことで辛み成分が揮発したり分解されたりして、甘み成分を感じやすくなるというわけだ。
加熱によって甘みを感じやすくなる
加熱することで辛み成分が甘み成分に変化したり、甘み成分が増えたりするわけではない。単純に、甘みを「より感じやすくなる」というだけだ。とくに飴色玉ねぎは炒めるという工程を経て作られる。炒めることで細胞が崩れて水分が蒸発するため、より甘みが強く感じられるようになるのである。
飴色玉ねぎは「甘み」が増したサイン
玉ねぎの糖質は、加熱により「メイラード反応」という化学変化を起こし、飴色になる。飴色は、玉ねぎの甘み成分をより強く感じられる状態を表すサインなのだ。料理に加えることで深い甘みとコクをもたらしてくれる。そのうえ、飴色になる過程で玉ねぎの水分は蒸発し、かなりカサが減ってしまう。そのため通常よりも多くの玉ねぎを使うのが一般的だ。飴色玉ねぎを使う量が増えれば、自ずと甘みも増すことになる。
2. 飴色玉ねぎの基本的な作り方

まずは、飴色玉ねぎの基本的な作り方から紹介する。時間に余裕がある方は、こちらの方法でじっくり時間をかけて作ってみてはいかがだろうか?
玉ねぎは薄く(細かく)切るのがコツ
飴色玉ねぎは、薄切りにした玉ねぎを使うのをおすすめする。ただしハンバーグに入れるなど用途がはっきりしているときは、みじん切りでもOKだ。いずれにせよ、1mm以下などできる限り薄くまたは細かく切ろう。そうすることで水分が飛びやすくなる。なお用意するものは、熱伝導率の高い厚手の鍋のほかオリーブオイルとバター、そして木べらだ。
時間をかけて根気強く炒めよう
飴色玉ねぎの基本は、薄切りにした玉ねぎを根気強く炒めることである。鍋でオリーブオイルを熱してバターを溶かしたら、玉ねぎを投入しよう。まずは強火で、全体に油を行き渡らせるよう、木べらで混ぜながら炒めていこう。20分ほど経ったら弱火にし、鍋の底全体に玉ねぎを広げる。底に焼き目がついたら全体を混ぜ、また鍋の底全体に玉ねぎを広げる。これを繰り返すことおよそ40分、玉ねぎが1/5ほどの量になる頃にはできあがっているはずだ。
焦げと飴色は似て非なるものなので注意
玉ねぎは油断するとすぐに焦げてしまう。焦げと飴色玉ねぎはまるで違うものなので気をつけよう。部分的に茶色くなっていたら焦げているおそれがあるので要注意だ。飴色玉ねぎは、部分的ではなく全体が飴色に変化することを覚えておこう。
3. 飴色玉ねぎを短時間で作る方法

続いて紹介するのは、短時間で飴色玉ねぎを作る方法だ。時間がないとき、急な来客があるときなどに役立つはずなので、基本的な作り方とあわせてぜひ覚えておこう。
「水」をプラスするだけの時短テク
切り方や用意するものなどは先述の通りだ。ポイントは、炒めるときに水を少し入れることである。それにより熱伝導率がアップするうえ、水に玉ねぎの糖分が溶け出して早く色づくとされている。大さじ1/2程度の水を数回加えつつ、様子を見ながら炒めよう。なお、カサが多いと飴色玉ねぎになるまでに時間がかかる。短時間で作る場合は2個までに留めよう。
「蓋」を使うだけの時短テク
もうひとつ、飴色玉ねぎを作る際の時短テクは蓋を使うことだ。蓋をすることで鍋の中は蒸し器のような状態になる。蒸して素早く火を通し、甘み成分を引き出していくというのがこちらの方法だ。ただし水っぽくなりやすいので、玉ねぎがくったりしたら蓋を取り、やや火を強めて水分をしっかり飛ばそう。
4. 飴色玉ねぎを冷凍保存する方法

毎回飴色玉ねぎを作る余裕があればよいが、なかなかそうはいかないだろう。それに、一度に使い切れないこともあるはずだ。そんなときのために、飴色玉ねぎは冷凍保存をおすすめする。
小分けにし保存用袋に入れて冷凍する
1回分の量などに小分けにして、食用ラップに包む。このとき、平たくしておくと効率よく解凍できるうえ、少量だけ使いたいときも折りやすい。あとは、冷凍用のチャック付き保存袋に入れてしっかり口を閉じ、冷凍庫で保管しよう。
凍ったまま使ってもレンジで解凍してもOK
オニオンスープなどに使いたいときは、凍ったままの飴色玉ねぎをそのまま入れればよい。カレーやビーフシチュー、トーストなどに使いたいときは、電子レンジで解凍しよう。
保存期間は2週間が目安
冷凍保存した飴色玉ねぎは、2週間を目安にできるだけ早めに使い切ろう。
結論
飴色玉ねぎは、料理をプロっぽく仕上げてくれる救世主である。休日にじっくり時間をかけてたっぷり作り、冷凍保存しておくとすぐに使えるのでおすすめだ。時間がないときは、水や蓋を使った時短テクも試してみてほしい。