1. 玉ねぎを生のまま食べる方法

玉ねぎを生で食べるというシチュエーションの場合、スライスやみじん切りにするのが普通である。シンプルなスライスやみじん切りにコツはあるのだろうか。まずは、基本となるオニオンスライスについて詳細を紹介する。
オニオンスライスの作り方・手順
玉ねぎを生で食べる場合の基本となるスライスの仕方をおさらいしよう。
- 玉ねぎの上部と下部を切り落とす
- 芯の部分を除去する
- 繊維と平行に薄切りにする
- 切った玉ねぎを5分ほど水にさらす
- キッチンペーパーなどで水気をしっかり除去してできあがり
これが最もメジャーなオニオンスライスの作り方であるが、切った玉ねぎを空気にさらしたり電子レンジで加熱したりして辛みを抑える方法も存在する。
2. 玉ねぎの辛みを抑えるポイント

そもそもなぜ玉ねぎには辛みがあるのだろうか。これは、玉ねぎに含まれる硫化アリル(アリシン)という成分に由来する。この辛みを抑えるためには、切り方に工夫を施したり水や空気にさらしたりといった方法が存在するのである。いくつかの方法を見てみよう。
ポイント1.繊維に対して直角に切る
玉ねぎを切る際に、繊維(玉ねぎに入っているスジ模様)の向きに対して「直角に」包丁を入れる。こうすることで空気に触れる断面の面積が大きくなり、辛み成分が抜けていきやすいのだ。逆に、繊維に沿うように切ると、辛み成分が強いまま残るのである。
ポイント2.30分程度水にさらす
硫化アリルの特徴のひとつに、水に溶けやすいことが挙げられる。つまり、玉ねぎを切ったあとに水にさらすことで、辛み成分が抜けて食べやすくなる。また、水にさらすと食感までよくなるというメリットもある。細胞液内に水が入り込み、シャキッとした食感が増すのである。
ただし、水にさらすと流れ出してしまう栄養分もあるため、さらし過ぎに注意が必要である。
ただし、水にさらすと流れ出してしまう栄養分もあるため、さらし過ぎに注意が必要である。
3. 生の玉ねぎを使った料理・メニュー

辛みを抜いた生の玉ねぎは、さまざまな形で美味しく食べることができる。オニオンスライスであれば、サラダやマリネ、和え物として活用が可能となる。ここでは、オニオンスライスを使ったおすすめレシピのいくつかを紹介する。
その1.オニオンサラダ
辛みが抜けたオニオンスライスは、余分なものは加えずにそのままの美味しさを味わい尽くしたい。そのためにはオニオンサラダがベストである。ポン酢とごま油、そしてかつおぶしをかけて食べれば、涼し気なおかずとなる。もう少しボリュームを加えたい場合には、卵黄を加えてとろみをつけると一気に洗練された一品となる。ポン酢やごま油を駆使して、生の玉ねぎに合うソースで楽しみたい。
その2.玉ねぎのマリネ
玉ねぎの風味や食感は酢とことのほか相性がいい。この性質を利用し、マリネとして楽しむのもよいだろう。シンプルに酢だけで食べることも可能だが、オリーブオイルや蜂蜜でアクセントをつけてもオシャレである。
その3.玉ねぎの和え物
ごまの香りを活かして生の玉ねぎの和え物にすれば、おかずとしてだけではなくつまみにもなる。ごま油と白ごまだけでオニオンスライスを和え物にするのである。物足りない場合は、塩を少しだけ加える。めんつゆなどを使う場合には、黒ごまで味わってみても新鮮である。
4. 生でも美味しい玉ねぎの種類

玉ねぎの種類を意識したことがあるだろうか。1年中購入可能な黄玉ねぎだけではなく、新玉ねぎや赤みを帯びた玉ねぎなど、玉ねぎにはさまざまな種類がある。辛みが少なく生食に向く玉ねぎにはどのようなものがあるか紹介する。
種類1.赤玉ねぎ(レッドオニオン)
赤玉ねぎ(レッドオニオン/紫玉ねぎ)とはヒガンバナ科・ネギ属の玉ねぎの一種で、外皮や表皮が赤紫色であることが特徴の玉ねぎである。辛みや刺激臭が強い普通の玉ねぎとは異なり、甘みが強くシャキシャキとした食感が特徴である。生のままサラダなどにして食べるのがおすすめだ。ただし、サラダ以外にも炒め物・揚げ物・酢漬けなどにしても美味しい。彩りを活かして料理のトッピングにするのもよい。
種類2.新玉ねぎ
産地によって旬が異なる新玉ねぎ。新玉ねぎは旬の時期に甘みが増すという特徴がある。みずみずしく、辛みも少ないため、生でも美味しく食べられるだろう。新玉ねぎの中には、果物に匹敵するほど糖度が高いものも存在する。前項で紹介したレシピのほか、ほかの食材とともにカルパッチョにしても美味しい。
5. 生玉ねぎの食べ過ぎには注意が必要

辛さを感じさせたり涙を出させたりする玉ねぎの成分硫化アリルは、コレステロールを抑えたり疲労回復に寄与したりと、健康における長所も多い成分である。一方で、粘膜を刺激する性質を有している。つまり、硫化アリルを含む生の玉ねぎを大量に摂取すると、胃壁に強い刺激を与えて腹痛を引き起こしたり、貧血の原因となる可能性もあるという。生玉ねぎの摂取は、節度をもって行うことがこうした弊害を予防することにつながる。適量を美味しく食べることを心掛けたいものである。
結論
玉ねぎを生で食べることは、加熱した場合よりも刺激が強い。赤玉ねぎや新玉ねぎのように、生食に向く種類もあるものの、生で食べる場合には辛みを除去する工夫が必要となる。健康面でもメリットが多い生玉ねぎは、サラダや和え物などでシンプルに食べるのがベターである。ただし、食べ過ぎによる弊害も無視できない。あくまでもバランスよく食べ、生の玉ねぎの美味を味わってほしい。