目次
1. ロマネスコとは?

ロマネスコとは、イタリア原産の植物でカリフラワーの仲間である。フラクタル構造という神秘的な見た目をしており、その見た目の美しさから「世界一美しい野菜」と呼ばれることもある。また、ブロッコリーのような甘味とカリフラワーのようなホクホクとした食感があり、サラダや炒め物など使ってもおいしい。ヨーロッパからの輸入量が多いが、近年は国内での生産量も増えているそうだ。
ロマネスコの原産地と名前の由来
ロマネスコの原産地については諸説あるのだが、一般的にはイタリアのローマだとされている。ロマネスコにはイタリア語で「ローマの」という意味があり、現地では「ブロッコロ・ロマネスコ(ローマのブロッコリー)」という名前で昔からよく食べられているそうだ。また「ブロッコリーとカリフラワーの配合種である」と考えられているが、実際のところ本当かどうかはわかっていない。
フラクタル構造という特徴的な見た目
ロマネスコは「フラクタル構造」と呼ばれる見た目をしている。フラクタル構造とは、全体を見ても一部を見ても同じような形(相似形)をしているものを指す。ロマネスコの場合は全体がらせん状になっており、その大きならせんを構成する一つひとつもらせん状になっている。なお、見た目上はわかりにくいが、同じアブラナ属のカリフラワーも「フラクタル構造」をしている。
国内では茨城県や宮城県などで生産
昨今注目を集めているロマネスコだが、その輸入量と国内での生産量は少ないといわれている。そうした中で茨城県や宮城県などがロマネスコの生産に励んでいる。とくにイタリア・ローマ県と友好姉妹都市である宮城県では、ロマネスコなどのイタリア野菜の生産に注力している。宮城県で確立したロマネスコの安定生産技術は、日本全国へ普及が進められている(※1、2)。
2. ロマネスコにはビタミンCが豊富!

文部科学省の「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」には、ロマネスコの栄養価は掲載されていない。しかし、一般的に「ロマネスコにはビタミンCをはじめとするビタミン類、ミネラル、食物繊維が多い」といわれている(※3)。同じアブラナ属のブロッコリーやカリフラワーもビタミンCが多いため、これらと同じようにロマネスコのビタミンCも多いことが伺える。
3. おいしいロマネスコの選び方とは?

おいしいロマネスコを選ぶポイントは三つある。それが「色味」「見た目」「重さ」だ。それぞれのポイントを簡単にまとめておくので、ロマネスコを購入する前にはよく確認しておこう。
- 色味:きれいな黄緑色をしている
- 見た目:花蕾(からい)が固く締まっている
- 重さ:持ったときにずっしり感がある
一方で茶色かったり、花蕾が開いて葉が出ていたりするものは鮮度が落ちている可能性がある。見た目も味もよいロマネスコを選べるよう、三つのポイントを意識するといいだろう。
4. ロマネスコの下ごしらえのやり方

ロマネスコを1株買ってきたら、以下の手順で下ごしらえを行おう。基本的にはブロッコリーやカリフラワーと同じように下ごしらえを行えば問題ない。なお、新鮮なものはそのまま食べることや、下茹でしないで料理に使うこともできる。ロマネスコの状態に合わせて下処理を行うようにしよう。
- ロマネスコの根元と葉っぱを切り落とす
- 根元のほうから包丁で房を一口大に切り離す
- 硬い芯の部分も小房と同じ大きさにカットする
- 水を張ったボウルの中で軽く水洗いする
- 鍋に水と塩(約2%)を入れて沸騰させる
- ロマネスコを入れて1分30秒~3分ほど茹でる
- 茹で上がったらザルに取り出しそのまま冷ます
5. ロマネスコを使ったおすすめ料理5選

ロマネスコはブロッコリーとカリフラワーの間のような食品だ。そのため、ブロッコリーやカリフラワーの代用として、さまざまな料理に使うことができる。
その1.ロマネスコのサラダ
いつものサラダに加えれば、見た目も華やかなデリ風サラダに。
その2.ロマネスコのピクルス
固めにゆでたロマネスコを酢に砂糖、塩、お好みのハーブなどを入れて沸騰させたピクルス液に漬けたピクルスもおすすめだ。
その3.ロマネスコの炒め物
肉類と一緒に炒めて、お好みの味付けで。
その4.ロマネスコのフリッタータ
小房に分けた生のままのロマネスコに小麦粉、塩、炭酸水を混ぜた衣をつけて揚げれば、美しい形が活きる。
その5.ロマネスコのグラタン
グラタンの彩りに加えれば、見た目もグッとおしゃれに。おもてなし料理にもぴったりだ。
6. ロマネスコの保存方法

ロマネスコの保存方法は、基本的にブロッコリーやカリフラワーと同じで問題ない。乾燥しないようラップに包んで冷蔵庫の野菜室で保存しよう。なお、それほど日持ちはしないので、長持ちさせたい場合は下ゆでしたものを冷凍保存するのもおすすめだ。
結論
華やかな見た目だけでなく、味や食感も楽しめるロマネスコ。一見調理が大変そうに見えるが、ブロッコリーとカリフラワーと同じように扱えるため難易度はそれほど高くない。また、サラダや炒め物、グラタンなどさまざまな料理に使うことができる。ロマネスコは12月頃に多く出回るので、もし見かけたらぜひ料理に使ってみるといいだろう。
【参考文献】
- ※:農畜産業振興機構「葉茎菜類 カリフラワー」
https://www.alic.go.jp/content/001162838.pdf - ※:農林水産省東北農政局「螺旋の不思議?!ロマネスコH26.2.18」
https://www.maff.go.jp/tohoku/syouan/blog/kako/201402.html - ※:JAグループ茨城「ロマネスコ - 季節の野菜・果物など」
http://www.ib.zennoh.or.jp/amore/crop/romanesco.html - ※1:全国農業改良普及支援協会「宮城県産のイタリア野菜の定着を目指して」
https://www.jeinou.com/technology/2015/03/16/090000.html - ※2:農業・園芸総合研究所「みやぎ発信型新規野菜の安定生産技術(カリフラワーロマネスコ)」
https://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/200660.pdf - ※3:農畜産業振興機構「ベジシャス~野菜の旬ナビゲーション~」
https://www.alic.go.jp/content/000131147.pdf
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