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美味しさを化学的に計算!フードペアリング理論とは

美味しさを化学的に計算!フードペアリング理論とは

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 渡邉里英(わたなべりえ)

鉛筆アイコン 2020年3月17日

シェラネバダ産のコーヒーに合わせるのは、キッコーマン醤油やカボス。唐辛子にグレープフルーツ。紅茶にトマト。実はこれは「フードペアリング」という理論で導き出された、相性の良い食べ物同士なのだ。一体フードペアリング理論とはどんな理論なのだろうか。

  

1. 科学的な組み合わせ

人が無意識に選ぶ美味しい組み合わせとは今まで食べて来た経験則からの想像だ。つまり、想像を超えた組み合わせや未経験の物は思いつかない。

新たな味覚「フレーバー」

食べ物には「苦・酸・塩・甘・旨」の五味の他、香りによるフレーバー効果がある。鼻をつまんで食べても美味しく感じないのはこのためだ。フードペアリング理論とは、この香り成分=揮発化合物を科学的に測定し、香りの共通項目が多ければ多いほど相性が良いとする全く新しい組み合わせ理論のことである。

研究機構での分析

フードペアリングでは、オランダの応用科学研究機構が香り成分を分析し、その種類と特徴をデータベース化。相性の良い食材同士をビジュアルツリーという目で見て分かる図式に起こした。例えばコーヒーなら約800種とも言われる香り成分があり、組み合わせによって味わいが全く変化していく。

2. 科学と感覚の不思議

フードペアリング理論は、機械的な測定による香り成分の正確さがカギとなる。その味わいの感じ方には3通りのパターンがあり、美味しいと感じるかどうかには複雑な関係性がある。

似たフレーバー同士の組み合わせ

西洋料理の食文化に親しんだ人が「美味しい」と感じやすいパターンだ。フランス料理ではワインと食材を結婚に例えて「マリア―ジュ」と呼んだり、同系統の香りを重ねた結果の深みを追求したりする傾向にある。

対照的なフレーバー同士

全く違う味わい同士で新鮮な驚きと美味しさを感じるパターン。ただし、これに関しては個人の食経験、味覚神経の数や伝達速度、
遺伝によって左右されるため一概に決めつけられない。インド料理ではスパイスの組み合わせにこのパターンを多用する。

組み合わせによる新たな味の出現

食べる順番、香りを認識する順番によっても変化する面白いパターンもある。機械的に測定された香り同士を組み合わせることで、
味わいは人間の経験則を超えた意外な変化を見せることがあるのだ。これは和食材と洋食材の組み合わせの新発見にも役立てられている。

3. 知ってる?こんな組み合わせ

具体的に意外で不思議な組み合わせをご紹介しよう。あなたは食べたことがあるだろうか。

チョコレートとキャビア

「アミン」という香り成分を共有するチョコレートとキャビアは相性が良い。甘味のイメージが強いのは砂糖が入っているからで、
ビターチョコや砂糖不使用のチョコは調理向きである。キャビアとホタテのソテーにチョコレートソースをかけるのも良いし、ニンジン・レタスなどの野菜、生ハムやスモークサーモン、オリーブオイル等も相性が良いのだそうだ。

トマトと紅茶

トマトと紅茶は、香り成分の共通項以外に味でも相性が良い。紅茶のタンニンによる渋さを、トマトの酸味が爽やかにしてくれる。
炊き込みご飯やマフィンで試すと美味しい。

苺とバジル、チーズ

デザートの印象が強い苺だが、まさかのイタリアン食材である。サラダとしてオリーブオイルをかけると美味しさを感じるのは、やはり共通の香り成分を有しているからだろう。

結論

フードペアリング理論は発見当時最新の食べ合わせとしてもてはやされたが、近年の研究で人の味覚の複雑さが改めて証明された。
どんなに科学的に「正解」であっても、食文化や食経験、食感で美味しいとは感じない人も居るのである。ただし、自分の未経験の味わいは想像することが出来ない。機会があったらぜひ自分の舌で試してみよう。

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  • 公開日:

    2018年10月27日

  • 更新日:

    2020年3月17日

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