1. 芋と人の暮らし
芋の歴史
芋と人間の暮らしは、その歴史が深い。じゃがいもは紀元前500年ごろにはすでに栽培されていたと言われている。原産地は現在の南米、ペルー付近。サツマイモは紀元前3000年頃にはすでに栽培されていたようだ。こちらの原産はメキシコ付近。里芋は東南アジア原産。中国で栽培されていたものが広まったようだ。
伝来時期
上記のように芋と人間の歴史はとても深い。じゃがいもが日本に伝来したのは、1600年頃。オランダから伝わったようだ。サツマイモも同じ頃、琉球から薩摩に伝わったとの説がある。それに対して里芋の伝来時期はとても古く、縄文時代頃に中国より日本にもたらされたようだ。稲作が伝わる前にすでに栽培されていたと言われている。古くから食べられてきたことを表すように、日本では儀礼食や縁起物にも用いられることが多い。
芋と油
芋と油を組み合わせた料理の代表といえば、フライドポテト。アメリカ料理のイメージが強いが、実はベルギー生まれの食べ物である。その発祥は1680年頃と言われている。その後フランスで発展し、アメリカ、そして世界へと広がった。ちなみにフライドポテトの美味しさは、じゃがいもが油を吸収するところにある。他の芋料理も同様だ。そのままではべたつく油が、芋に吸収されることで美味しく感じられるのだ。
2. 芋×油のおやつ
大学芋のコツ
サツマイモと油といえば、思い浮かぶのが大学芋。大学芋はちょっとしたコツでぐっと甘さが引き立つ。そのポイントは、冷たい油にサツマイモを入れてから火をつけること。というのもサツマイモは、ゆっくりと加熱することで甘みが際立つのだ。さらに、蜜の材料も一緒に入れれば、さらに簡単!灰汁抜きをしたサツマイモ200gに対し、砂糖大さじ4、油大さじ3、水大さじ1を入れて火をつけ、弱火でじわじわ煮揚げていくだけ。フライパンひとつで作れるところも嬉しい。油ハネには十分注意しよう。
じゃがいものおやき
じゃがいもを刻んでたっぷりのバターでカリッと焼けば、朝ごはんやおやつにぴったりなレシピになる。じゃがいもに含まれるでんぷん質を上手に利用して、つなぎなしで焼くので、じゃがいもを水にさらす必要もない。オリーブオイル大さじ1を温めたフライパンにバター大さじ1/2を落とし、千切りにしたじゃがいも2個分をフライパンいっぱいに広げる。フライ返しや落とし蓋でぎゅっと押し付けながら焼いていく。塩をパラリと振り、弱火でじっくり焼いて両面火を通し、最後にバター大さじ1/2を入れてこんがり焼きつける。チーズやベーコンを加えて作っても美味しい。
3. 芋×油のおかず
里芋のカリカリ焼き
意外と思われそうだが、里芋も油との相性がとても良い。油と合わせることで、特有の泥臭さが軽減されるので、里芋嫌いの人にもおすすめだ。まず泥を落とした里芋は、蒸すか茹でて、火を通す。皮をむき、片栗粉をさっとまとわせ、潰しながらたっぷりのオリーブオイルで両面をこんがり焼いていく。仕上げに塩を振って食べる。カレー粉と塩をまとわせても美味しい。
サツマイモのおかず炒め
甘いサツマイモはおかずには向かないと思われがちだが、そんなことはない。豚肉や鶏肉などとごま油で炒め、オイスターソースで味付けすれば、ご飯が進む一品に。サツマイモは千切りにしてアクを抜く。まず冷たい太白ゴマ油の中にサツマイモを入れ、じわじわ火を通す。だいたい火が通ったら、一度あげて、同じフライパンにゴマ油、ニンニク、生姜、ねぎを加えて香りを出し、肉を炒める。肉の色が変わったらサツマイモを戻し、オイスターソース大さじ1/2、酒大さじ1、醤油小さじ1、黒胡椒で味付けすれば出来上がり。お弁当のおかずにも向いている。
結論
芋と油は、とても相性の良い食材。ちなみにフライドポテトやポテトチップスを自家製にするのもおすすめだ。じゃがいもだけでなく、サツマイモや里芋でもチャレンジしてみよう。
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