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知らないと損!【醤油(しょうゆ)】の種類と正しい選び方・食べ方

知らないと損!【醤油(しょうゆ)】の種類と正しい選び方・食べ方

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:東京農業大学 醸造科学科 教授 前橋健二(まえはしけんじ)

2020年6月 2日

世界に広まる日本が誇る万能調味料「醤油」。いつも常備している濃口醤油以外にも、全国各地に様々な味わいの醤油がある。ここでは、料理によって使い分けたい醤油の種類を紹介。2種、3種とタイプが異なる醤油を台所に揃えて、和食の腕前アップを目指そう。

  
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1. 醤油の種類

日本を代表する発酵調味料である醤油。その原形は、鎌倉時代に禅僧覚心が、中国の宋より伝えた「径山寺味噌」の液汁に発するとされる。この汁が調味料として優れていることが発見され、溜り醤油として発展。以来長い歳月を経て、日本人の嗜好に合わせ製法が改良され、「soy sauce」の名で世界的に知られる調味料となっている。

今のような醤油が造られるようになったのは江戸時代のことだ。今も昔も変わらず、基本的な原料は大豆、小麦、食塩。その工程は様々だが、伝統的な本醸造方式を例にあげると、まずは大豆と小麦に種麹を加えて醤油麹を造る。それを食塩水と共にタンクに仕込み、できた「もろみ」を寝かせた後、圧搾し加熱殺菌することで出来上がる。

発酵の力が生んだ、風味も色も濃淡様々な醤油の種類は、以下の6種があげられる。

■濃口醤油(こいくちしょうゆ)

国内消費量のおよそ8割以上を占めるスタンダードな醤油。大豆にほぼ同量の小麦を混ぜて造る。塩分濃度は約15%。江戸時代中頃に溜り醤油から関東を中心に発達し、新しいものは明るい赤褐色。香りと色、味のバランスに優れていて、特に香り成分は非常に多く含まれ、120種を超える。

■淡口醤油(うすくちしょうゆ)

主に関西で使用され、醤油消費量の15%程度を占める。色が淡く風味もやわらかで、料理の素材の味が存分に活きる。塩分濃度を高くすることで発酵・熟成をおさえ、色が濃くなることを避けている。そのため、塩分濃度は18~19%と濃口醤油よりも高い。

■溜り醤油(たまりしょうゆ

大豆を蒸した味噌玉に種麹を混ぜ、塩水に仕込んで1年間熟成させて造る。愛知県を中心に中部地方で愛用され、刺身用の醤油をはじめ、加熱すると美しい赤みを帯びることから、照り焼きや煎餅などのつけ焼きに使われる。大豆のタンパク質由来の旨味成分が豊富なので、とろりと濃厚、香りも深い。

■再仕込み醤油(さいしこみしょうゆ)

別名・甘露醤油。醸造した生の醤油「生揚げ(きあげ)醤油」に再度麹を混ぜて発酵させるといった製法をとるため、この名で呼ばれる。発祥は山口県の柳井地方。一般的に色が濃く、どろりと濃厚な味で刺身や鮨のつけ醤油に用いられる。

■白醤油(しろしょうゆ)

精白した小麦を主原料に、少量の大豆を用いて麹を造り、低温・短期間発酵させる。淡口以上に色が淡い黄金色で味も淡泊だが、小麦由来の香気に富む。生産地は愛知県を主とし、茶わん蒸しや吸い物などに使用。江戸末期に開発された比較的新しい種類の醤油だ。

2. 醤油の特産地

醤油を製造するメーカーは全国津々浦々に数多くあり、各社それぞれが伝統的な製法と、地域に根差した味で支持され続けている。中でも生産量が多く特徴的な産地なのが、千葉県、兵庫県、愛知県、香川県などである。

■千葉県(野田、銚子)

江戸時代から現在に至るまで、濃口醤油造りの中枢を担う一大産地が、千葉県の野田と銚子。共に水運による原料の入手から、消費地までの運搬に便利な立地に恵まれ、江戸に花開いた食文化を支えた。

■兵庫県(龍野)

淡口醤油の本場・龍野は、播州平野の城下町。品質に優れた播州小麦、近隣からの三日月大豆、赤穂の塩という原料に恵まれた場所にあり、17世紀、寛文年間に淡口醤油が開発されて以来、他国にはない淡い色の醤油が特産品になった。

■愛知県(武豊町、碧南市)

溜り醤油と白醤油の代表的産地がある。溜り醤油の代表産地・武豊町では、今も昔ながらの風情ある蔵元が連なり、昔ながらの製法で醤油を製造。白醤油の代表産地・碧南市では、酢や味醂など発酵調味料の生産も行われている。

■香川県(小豆島)

明治時代には400軒もの醤油蔵があったという小豆島。「醤の郷(ひしおのさと)」と呼ばれるエリアには、歴史ある醤油蔵が現存。昔ながらの木桶仕込みにより、濃口、淡口、再仕込み醤油が造られている。

3. 醤油の選び方

地域によって味わいも様々な醤油ゆえに、日頃から食べ慣れた地元や故郷の醤油を常備するのがいいだろう。味の好みは人より分かれるところだが、もしもそれが濃口ならば、淡口醤油や白醤油をもう
1本常備品に加えてみてほしい。お吸い物や煮物などの和食が、素材感を引き立てつつ繊細に仕上がる。

また、刺身好きなら、専用の刺身醤油もあるが、溜り醤油や最仕込みをもう1本。いつもの刺身に濃厚でとろみのある醤油をたらすことで、より美味しく感じられるはずだ。

他にも九州などの甘口醤油や北海道で一般的な昆布醤油など、その土地で愛され続ける味を試してみると、意外な美味しさに驚くこともあるだろう。さらに卵かけご飯や豆腐の専用醤油、燻製やシジミ、ハーブなど香りと風味があるフレーバー醤油など百花繚乱。他にもスプレータイプや酸化を防げる容器入りなどボトルで選ぶ人も多い。

4. 醤油の美味しい食べ方

甘味、塩味、酸味、苦味、旨味という、五元味を持ち合わせているという醤油。塩分濃度が海水より高いにもかかわらず、さほど塩辛く感じないのは、複雑な風味があるからこそだ。魚などの生臭さを消し、加熱すれば食欲をそそる色と香りを放ち、殺菌により素材の日持ちもよくし、出汁と調和する働きがある醤油は、まさに万能調味料といえるだろう。

いつもの料理に、醤油をひとたらし...立ちのぼる香りと心身に沁みる味わいに、日本の食文化の豊かさを感じられる瞬間だ。

結論

醤油に含まれる香りは、バラやリンゴ、バニラなどと同様の成分も含み、なんと300種以上にのぼる。発酵によって生まれるこの複雑な香り1つとっても醤油の世界は深遠だ。ぜひ様々な醤油を味わって、その奥深さを探求してみてほしい。

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  • 公開日:

    2018年11月23日

  • 更新日:

    2020年6月 2日

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