目次
1. ご飯の常温保存に潜む危険について知っておこう

先に、ご飯の常温保存をおすすめしない理由から解説させていただく。大前提として「ご飯は基本的に常温保存すべきではない」食べ物と思っておこう。その理由は次のとおりだ。
セレウス菌による食中毒のリスクがある
ご飯にセレウス菌が付着している場合がある。セレウス菌を大量に取り込んだ、あるいは微量でも体内で増殖した場合、嘔吐や下痢といった症状を招くおそれがある。セレウス菌は耐熱性を持つ菌なので、加熱(炊飯)で死滅させることが難しい。
ご飯を常温下に置くとセレウス菌が増殖してしまう、というのがおすすめしない理由だ。セレウス菌による症状はそれほど重症化しないともいわれている。しかし体調が優れない方や子ども・高齢者などには危険であるため侮らないように覚えておこう。
2. ご飯は「ごく短時間」であれば常温保存できる?

上述のように、ご飯は基本的に常温保存をおすすめしない。しかしごく短時間程度であれば問題なく食べられるケースもある。
半日程度ならご飯を常温保存しても食べられる
たとえば「朝に炊いたご飯を昼(夜)に食べる」「夜に残ったご飯を翌朝食べる」など、短時間であれば食べられることも多い。具体的な時間は気温や湿度など環境で異なるが、炊いてから半日以内が望ましい。
冬は1日程度、夏は半日でも危険な場合がある
寒い冬場であれば1日程度は常温保存しても食べられるだろう。逆に暑い夏場はたとえ半日でも危険だ。したがって夏場の常温保存は絶対に避けたほうがよいと思っておくべきだ。
ラップに包んだご飯を常温下に一晩中放置したら?
やはりそのときのご飯の状態によるため「絶対に◯◯」とはいえないが、水滴がついていれば雑菌が繁殖しているのはほぼ確実である。もし一晩中常温保存するなら、ラップをしない状態でしっかり冷ましてからラップで包むようにしよう。
3. ご飯を常温保存するなら「おひつ」がおすすめ

ご飯を常温下で保存する際、ラップをかけたりプラスチック製保存容器に入れたりする方がほとんどだろう。だがおすすめは「おひつ」である。「おひつ」とは炊いたご飯を保存しておくためのもの。まだ炊飯器がない時代に作られた、ご飯専用の保存容器である。
ご飯の常温保存に「おひつ」がおすすめの理由
「おひつ」は余計な水分を吸ってくれるため、ラップやプラスチック製保存容器のように底に水分が溜まってべちゃっとなることが少ない。それでいて乾燥もせず美味しい状態をキープできるというわけだ。
「おひつ」にも種類があるので、購入する際は木製を選ぼう。木には調湿効果があるので、適度な湿気を保てるメリットがある(抗菌効果も期待できる)。ただし、「おひつ」に入れても保存時間が劇的に延びるわけではないので、やはり半日を目安に食べきってほしい。
4. ご飯が腐りかけている危険サインとは?

半日など短時間なら常温下に置いておけるが、「本当に大丈夫なのか?」と不安になることもあるはずだ。時間だけでなく、ご飯の状態で判断することも大切なので覚えておこう。
変色は傷んでいる証拠、ネバネバは腐敗している証拠
見た目でわかるサインとしてまずは「変色」が挙げられる。黄色く変色していたときは傷んでいる証拠なので注意しよう。さらに傷むと、ご飯がネバネバと糸を引くようになる。もはや完全に腐った状態なので絶対に食べてはいけない。
酸っぱいニオイがしたら傷んでいる
見た目とあわせてニオイにも注意を払いたい。傷んだご飯からは酸っぱいニオイがするので覚えておこう。少しでも「酸っぱいかも?」と感じたら食べないほうが無難だ。
酸っぱいなどいつもと違う風味がしたら傷んでいる
味も判断基準となる。傷んだご飯は酸っぱい味がするといわれているが、そうでなくとも「いつもとなにか違う」と感じたときには直ちに食べるのをやめ、もったいないが廃棄するようにしよう。
結論
半日などごく短時間なら、「おひつ」に入れることでご飯を美味しいまま保存できる。だが基本的には常温保存ができないものと思っておこう。夏場が危険なのはもちろん、冬場でも半日〜1日程度が限界だ。うっかり常温下に長時間放置してしまった場合は、状態を確認してから判断していただきたい。
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