目次
1. ボゴールパイナップル(スナックパイン)とは?

ボゴールパイナップル(ボゴールパイン/スナックパイン)とは、台湾原産のパイナップルである。一個あたりの重さは700~1000g程度であり、一般的な品種(スムースカイエン種など)よりも一回り小さくなっている。外皮と果肉が非常に柔らかいため節を一つずつ手で千切りながら食べることが可能で、「スナックパイン」という別名のとおりスナック感覚で食べられるのが特徴となっている。
国内では沖縄県で生産されている
ボゴールパイナップルの原産国は台湾であり、正式名称は「台湾4号」という。また、流通量は少ないが沖縄県の本島や石垣島で作られており、沖縄県の特産品の一つにも数えられている。農林水産省の「特産果樹生産動態等調査」によれば、2017年の作付面積は128.1haとなっていた(※1)。2007年の調査では89.7haであったので、ボゴールの作付面積は増加していることが伺える。
ボゴールは4~8月頃に多く流通する
ボゴールパイナップルの収穫時期は4~8月頃となっている。比較的ボゴールの収穫時期は長くなっているが、特に多く出回るのは5~6月頃といわれている。夏前に収穫されて、全国へと出荷されるそうだ。沖縄県のイオン系列店(イオン/イオンスタイルなど)では、2020年6月下旬~7月末頃に沖縄県産ボゴールパインを販売していた(※2)。
2. ボゴールパイナップル(スナックパイン)の三つの魅力!

ボゴールパイン(スナックパイン)には、普段からよく見るスムースカイエン種とは異なる特徴がいくつかある。そこでボゴールパインの特徴・魅力を三つ紹介しておこう。
魅力1.強い甘みが特徴的な味わい
ボゴールパイナップルは酸味が少なく、甘みとうま味が強いことが特徴となっている。一番暑くて美味しいシーズンになると、高いものは糖度が20度を超えることもあるそうだ。そのため「舌がピリピリする」といった、パイナップルの酸味が苦手な人でも美味しく食べられる。
魅力2.芯まで柔らかくて美味しい
普通のパイナップルは芯を切り落とすことが多い。しかし、ボゴールパインは果肉が非常に柔らかいため、芯まで美味しく食べることができる。果肉に比べるとやや食感はかためだが、果肉に負けないくらいの甘みがある。噛むほど美味しくなるので、この歯ごたえのよさも魅力といえるだろう。
魅力3.手で千切りながら食べられる
ボゴールパイナップルの最大の特徴ともいえるのが、外皮と果肉が非常に柔らかく手で千切りながら食べられることだ。このように果肉が柔らかい理由は、通常のパイナップルに比べて「果肉中の隙間が大きい」ことが関係しているそうだ。そのため、手の力だけでキレイに千切ることができるのだ。
3. ボゴールパイナップル(スナックパイン)で注目したい栄養素

文部科学省の「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」などには、ボゴールパイナップル(スナックパイン)の栄養価は収録されていない(※3)。しかし、一般的にはパイナップルと同じような栄養素の特徴があるそうだ。パイナップルに共通する特徴的な栄養素には以下のものがある(※4、5)
- ビタミンB1・B2:主に体内でエネルギーの代謝などをサポートする働きがある
- ビタミンC:体内ではコラーゲンの生成などに関与している。抗酸化作用も認められている
- カリウム:細胞の浸透圧の調整、心臓や筋肉の調整、神経刺激の伝達などをサポートしている
- 食物繊維:腸を刺激して蠕動運動(ぜんどううんどう)を活発にする働きなどがある
- クエン酸:体内では主にエネルギーの産生や乳酸の分解などに関与している
- ブロメライン:たんぱく質分解酵素の一種で、消化を促す働きがあるとされている(※6)
このようにボゴールパイナップルは単に美味しいだけでなく、さまざまな栄養素を含んでいる。食べ過ぎはおすすめできないが、フルーツとして食べることで栄養バランスを整えることに役立つ。
4. 美味しいボゴールパイナップル(スナックパイン)の見分け方

ボゴールパイナップル(スナックパイン)は基本的に丸のまま売られている。スーパーや八百屋などでボゴールパイナップルを見つけたら、以下のようなポイントに注目して購入するとよいだろう。
- 葉っぱ:深い緑色をしており、葉が枯れていないもの
- 形:下部がふっくらとしているもの
- 重さ:持ったときに「ずっしり」と重みを感じるもの
- 香り:パイナップルらしい甘い香りがするもの
- 色味:黄色や緑っぽい色など、濃い黄色以外のもの
色味が濃い黄色であったり、葉っぱが枯れていたりすると鮮度が落ちている可能性があるので注意が必要だ。なお、パイナップルは追熟しないため、購入したときが一番の食べ頃であることが多い。
5. ボゴールパイナップル(スナックパイン)の上手な食べ方

ボゴールパイナップルの食べ方には「手で千切る方法」と「包丁でカットする方法」の二つがある。なお、食べるときは葉がのこぎり状のトゲになっているので、ケガをしないように注意しよう。
手で千切りながら食べる方法
- パイナップルの下部をカットする
- 葉の付いた部分を切り落とす
- さらに縦半分にカットする
- 節にそって手で千切りながら食べる
- 残った芯は薄くスライスして食べる
包丁でカットする方法
- パイナップルの下部をカットする
- 葉の付いた部分を切り落とす
- 縦方向に四等分にカットする
- パイナップルを立てて芯を切り落とす
- 横に八等分くらいに切れ目を入れる
- 縦に切れ目を入れる
- 外皮と果肉の間に包丁を通して皮を落とす
6. ボゴールパイナップル(スナックパイン)の美味しい保存方法

ボゴールパイナップル(スナックパイン)は店頭に並んでいる時点で食べ頃なので、早めに食べ切るのがおすすめだ。すぐに食べることができなくて丸のまま保存したい場合は、乾燥を防ぐために新聞紙に包んで、野菜室の冷蔵庫に入れておこう。購入してから遅くても3~4日以内には食べ切ろう。
また、カットして食べかけの状態になったボゴールは、食品用ラップに包んで冷蔵庫で保存しよう。カットしているものは劣化が早くなるため、2~3日以内に食べ切るのがよい。なお、一口大にカットしたパイナップルは冷凍保存することが可能。冷凍保存すれば1か月程度の長期保存ができる。
また、カットして食べかけの状態になったボゴールは、食品用ラップに包んで冷蔵庫で保存しよう。カットしているものは劣化が早くなるため、2~3日以内に食べ切るのがよい。なお、一口大にカットしたパイナップルは冷凍保存することが可能。冷凍保存すれば1か月程度の長期保存ができる。
結論
ボゴールパイナップル(スナックパイン)はパイナップルの中でも甘みが強く、手でちぎってスナック感覚で食べられるのが特徴となっている。国産品は流通量が少ないが、台湾産などは比較的本州でも見ることが多い。もし夏の時期に見かけたら、ぜひボゴールパイナップルを手に取ってみよう。
【参考文献】
- ※1:農林水産省「特産果樹生産動態等調査」
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/tokusan_kazyu/ - ※2:イオンリテール「"手でちぎれるパイン"「沖縄県産ボゴールパイン」を420店舗で販売」
https://www.aeonretail.jp/pdf/200619R_2.pdf - ※3:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365419.htm - ※4:日本パインアップル缶詰協会「パインアラカルト」
http://www.pine.or.jp/publics/index/18/ - ※5:ドール「パイナップルに含まれる栄養について」
https://www.dole.co.jp/pineapple/nutrients/ - ※6:日本化学雑誌「ステム・ブロメラインの構造と活性」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nikkashi1948/88/9/88_9_899/_pdf