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【とよのか】ってどんないちご?特徴や栽培方法を解説

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 南城智子(なんじょうさとこ)

2019年11月21日

かつて、東西を二分するいちごの種類があった。特に暖かい九州など、温暖な地域での栽培に向いていた「とよのか」と、いちご王国・栃木県で生まれた「女峰」だ。しかし昨今、いちごの新しい品種が豊富につくられブランド化競争がすすみ、2強と呼ばれた時代は終わりを告げた。いちご戦国時代の最中で、とよのかはどのように生き残っていくのだろうか。今回は、とよのかについて詳しく見ていこう。

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1. とよのかとは

とよのかの誕生

とよのかは、1990年代に隆盛を誇ったいちごの品種である。福岡県の野菜試験場・久留米支場で「ひみこ」と「はるのか」を交配してつくられた。はるのかは、当時の時代に非常にマッチした作物で、西日本にいちごの栽培を定着させた功労があったが、とよのかの出現により急激に姿を消していった。人気品種・はるのかの優れた特性を引き継いで、とよのかはあっという間に大人気になったのだ。

とよのかの風味

とよのかは無類のおいしさで、市場に現れるなり大人気となった。当時のいちごにはなかった独特の芳香、大きさ、食味が人々を魅了したのだ。果実の形は、いちごらしい円錐形。当時のいちごとしては大粒で、外皮はつややかな赤い色をしている。果肉は薄紅色で、中心は白い。親であるはるのか以上の香気を持ち、味の特徴として、多汁質で甘みが強く、酸度も適度に高かったため、味に奥行きがあった。口に含めば、甘酸っぱい爽やかな味わいと、豊かな香りが鼻をくすぐる。

この独特のいちごの香りは、偶然性の強いものだったようだ。親であるひみこもはるのかも、とよのかとは全く違う香り成分を持つ。香りのコントロールは難しいといわれる中、いまだに何故、こんなに香り高いいちごになったのかは解明されていない。ちなみに「豊の香」と書いて、とよのか、と読むこともある。それくらい、当時は画期的な味と香りを持ついちごだったのだ。

マイナスも考え方によってはプラス

とよのかは、外皮がでこぼこしていたり、種が深く果肉に食い込み、見栄えが良くないものができやすい、粒がそろいにくいなどの難点もある。しかし香りがよいので、ジャムなどの加工品にも向いている。消費の選択肢は広いといってよいだろう。外皮が柔らかいのも、輸送時には傷みやすくてマイナスかもしれないが、加工しようと思うなら、柔らかくて扱いやすい。昔の人がよく食べていた、「牛乳をかけてスプーンで潰す」方法が美味しく感じられるのは、柔らかくなりやすい特性を活かした食べ方だからだろう。

2. とよのかを親とするいちご

ブランドいちごブームが進む中、形に難ができやすく贈答品にしにくいとよのかは、市場から少なくなっていった。しかし、とよのかを親とするいちごは、人気品種として存在する。はるのかから続く遺伝子を、後世種に伝えた功績は大きい。

さちのか

とよのかと、アイベリーを親に持つ福岡生まれの「さちのか」。「幸の香」とあらわされることも。甘さと酸っぱさをバランスよく持つ、大きめサイズのいちごだ。赤くなりやすく、果肉が固いのが特徴。輸送性に優れている。

さがほのか

とよのかと、大錦を親に持つ。さがの名前の通り、佐賀県で生まれた。外皮が美しい紅色で、果肉は美しい白い色をしている。酸味は抑え目だ。果肉が固めで、日持ちがよいのも特徴。

久留米49号

とよのかと、東の横綱女峰を掛け合わせた品種。これは名前がついていないように、商品としては流通していない。とちおとめの親であり、あまおうもこの系譜につらなる。ちなみに、とよのかと女峰は、ともにはるのかの遺伝子を受け継いでいる。いわば親戚なのだ。いちごなどの植物の、近親交配が原因の障害は今のところ派生していない。

3. とよのかは育てやすい園芸品種としてもおすすめ

とよのかは育てやすい品種

いちごは、園芸品種としても大人気だ。特にとよのかは、暖かい地方であるなら誰にでも育てやすい品種だといわれている。寒いところでも、プランターなどで容易に栽培することができるのが嬉しい。いちごは苗から育てるのが一般的で、素人が種から作ろうと思うとなかなか困難だ。ホームセンターなどでも、とよのかの苗は販売しているが、できれば専門の種苗業者から購入するのがおすすめだ。

とよのかの育て方は?

10月初旬、寒くなるまえに苗を植えよう。いちごは寒すぎても、暑すぎてもよくない。弱って育ち切らなかったり、病気にかかったりしてしまう。9月終わりころか、10月のはじめが、植え付けにはぴったりだ。いちごは一冬、ゆっくり休眠してから花をさかせ、実をつける。その間、眠りが浅いため、外気温が温かくなるとすぐ花が咲いてしまう。狂い咲きのいちごも上手に育ててやると実をつけるが、旬のものほどの味わいはないことが多いので、注意が必要だ。

最近は、いちご専用の培養土も売られている。上手に使って、実を付けるように育てよう。庭やベランダで、可愛らしい花が咲き実がなるのを眺めるのも、季節を感じられて乙だ。初めて自家栽培したいちごは、たとえ甘くならなかったとしても格別だろう。あまり酸っぱいようならジャムにしてもよい。家庭でいちご狩りというのも贅沢だ。

結論

かつては日本一の生産量を争っていたいちご、とよのか。完全に消えたわけではなく、ほかの品種のいちごを優れたものにするための礎になっている。人気がなくなったからといって、味が悪いわけでは決してないのだ。もし、とよのかを見たいと思うなら、園芸品種として探すほうが早いかもしれない。家庭菜園を考えているときは、とよのかも選択肢にいれてみてはどうだろうか。
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