1. あまおとめとは?

酸味の少なく甘い有名品種であるとちおとめと、香りがよい早生種であるさがほのかを親とした、愛媛県のオリジナルいちごが、あまおとめである。
そもそも、四国のいちごを目にする機会は少ないだろう。四国の中では香川県がいちご生産量のトップだが、全国的に見ると13位、愛媛県は15位という、なんとも特徴しがたい順位である。愛媛県というと、いちごよりもみかんをはじめとした柑橘類の産地というイメージが強いのはどうしても否めない。
そもそも、四国のいちごを目にする機会は少ないだろう。四国の中では香川県がいちご生産量のトップだが、全国的に見ると13位、愛媛県は15位という、なんとも特徴しがたい順位である。愛媛県というと、いちごよりもみかんをはじめとした柑橘類の産地というイメージが強いのはどうしても否めない。
愛媛のいちごができるまで
愛媛県ではオリジナルいちごができるまで、さがほのかや紅ほっぺ、さちのかといった6品種が主に栽培流通していて、主力商品と呼べるものがなかった。栽培が分散してしまっていたのだ。
さらに、さちのかのような晩生種は年内の出荷が間に合わず、日本のいちご消費のピークである、クリスマスに間に合わなかったのが大きな痛手だった。
これらの問題点をクリアすべく、つくられたのがあまおとめだ。
円錐形の大粒で食味のよい、ビニールハウスなどの促成栽培向けいちごである。ハウスでつくるので製造管理がしやすく、一番果、二番果物とリレーして、ひとつの品種の出荷期間を長くすることができるのだ。炭疽病には弱いが、うどんこ病などには強いため、減農薬が可能である。生食が多いいちごには嬉しい情報だ。
さらに、さちのかのような晩生種は年内の出荷が間に合わず、日本のいちご消費のピークである、クリスマスに間に合わなかったのが大きな痛手だった。
これらの問題点をクリアすべく、つくられたのがあまおとめだ。
円錐形の大粒で食味のよい、ビニールハウスなどの促成栽培向けいちごである。ハウスでつくるので製造管理がしやすく、一番果、二番果物とリレーして、ひとつの品種の出荷期間を長くすることができるのだ。炭疽病には弱いが、うどんこ病などには強いため、減農薬が可能である。生食が多いいちごには嬉しい情報だ。
あまおとめの特徴と味わい
あまおとめは、ひとつ20g前後と紅ほっぺ並みに大きく、さがほのかのようにクリスマスに間に合う早生種である。さがほのかと紅ほっぺよりも年間収穫量が多く、さちのかよりも甘い。ほかの品種のよいところを集めたようないちごである。
そして、あまおとめは香りがよい。一口かじってみると、いちごの香りが口いっぱいに広がり、満足感を得ることができる。果肉も柔らかめなので、噛んでジュワっとなる食感も嬉しい。輸送するために、硬めの傾向になる昨今のいちご業界では、柔らかめのいちごは珍しくなってきている。
早くから収穫できるが、一番美味しい時期は1月から3月ころであるといわれている。
そして、あまおとめは香りがよい。一口かじってみると、いちごの香りが口いっぱいに広がり、満足感を得ることができる。果肉も柔らかめなので、噛んでジュワっとなる食感も嬉しい。輸送するために、硬めの傾向になる昨今のいちご業界では、柔らかめのいちごは珍しくなってきている。
早くから収穫できるが、一番美味しい時期は1月から3月ころであるといわれている。
2. とにかく甘いあまおとめ

あまおとめの中でも、特別なあまおとめがある。「寒じめ」という方法をつかったレアなブランドいちごだ。
寒じめ、とは、厳冬期にあえて低温にいちごをさらし、ストレスを与えることでいちご自身が糖分やミネラルを蓄えようとする働きを利用した栽培法である。美味しさを濃縮させるため、通常のあまおとめの栽培期間よりずっと長く、倍近い期間をかけて熟成させる。時間をかけて熟すなら、柔らかくなるかと思いきや、寒さで締まった果肉はほどよく硬い。
寒じめ、とは、厳冬期にあえて低温にいちごをさらし、ストレスを与えることでいちご自身が糖分やミネラルを蓄えようとする働きを利用した栽培法である。美味しさを濃縮させるため、通常のあまおとめの栽培期間よりずっと長く、倍近い期間をかけて熟成させる。時間をかけて熟すなら、柔らかくなるかと思いきや、寒さで締まった果肉はほどよく硬い。
寒じめあまおとめは特に甘い
あまおうやとちおとめが糖度10度前後であるのに対し、寒じめあまおとめは15度以上。寒じめあまおとめを発表した2011年、「おそらく日本一甘いいちご」と自信をのぞかせていた。何もしていないのにジャムのように甘い、練乳かけいちごのよう、など感想はさまざまであるが、驚きの味わいであるのは間違いない。普通のあまおとめと食べ比べてみるのも面白いだろう。
寒じめあまおとめは大変手間暇がかかるため流通量が少なく、愛媛県の中でもごく一部でしかつくられていない。幸運にも見つけることができたら、迷わず手に入れるとよいだろう。
寒じめあまおとめは大変手間暇がかかるため流通量が少なく、愛媛県の中でもごく一部でしかつくられていない。幸運にも見つけることができたら、迷わず手に入れるとよいだろう。
3. 改善を重ねるあまおとめ

完熟の見極めが難しい
あまおとめは、有名品種のよいところを集めて育てたようだが、欠点もある。着色が思わしくないのだ。熟してもオレンジに近い朱色である場合もあり、赤い色がつくのを待っていると、過熟してしまうことも。
食べてみて「あまおとめは酸っぱい」という感想を持たれることもある。その酸味が味に奥行きを出して美味しいと思う場合もあるが、未熟なうちに出荷しているケースもある。色から熟しているかの見極めが難しい。いちごは追熟しないので、収穫したときの糖度から変わることもない。
発表されたときから、特に厳冬期の色づきの悪さは指摘されていて、へたのあたりの果肉が白いままで酸っぱそうな見た目になる。濃く赤いものが尊ばれる昨今のいちごの種類の中では、いまいち振るわなかった。
食べてみて「あまおとめは酸っぱい」という感想を持たれることもある。その酸味が味に奥行きを出して美味しいと思う場合もあるが、未熟なうちに出荷しているケースもある。色から熟しているかの見極めが難しい。いちごは追熟しないので、収穫したときの糖度から変わることもない。
発表されたときから、特に厳冬期の色づきの悪さは指摘されていて、へたのあたりの果肉が白いままで酸っぱそうな見た目になる。濃く赤いものが尊ばれる昨今のいちごの種類の中では、いまいち振るわなかった。
長年の工夫によって改善も
しかし、年々の技術の向上、創意工夫によって、欠点も改善されつつある。高設栽培の栽培ベッドの置き方に工夫してみたり、反射シートをつかって光を裏側までまんべんなくあてて着色を促したり。近年では、ほかのいちごと変わらない赤さのものが流通している。
果肉の空洞化もあったが、さほど大きくならないので、生食用の食感として問題はない。
果肉の空洞化もあったが、さほど大きくならないので、生食用の食感として問題はない。
4. おすすめ!あまおとめレシピ

あまおとめを使った美味しいレシピを一部、紹介しよう。
フレンチトースト
- あまおとめをいくつか(ひとり4、5個)用意し、食べやすい大きさにカットする。
- 牛乳・卵・砂糖を混ぜて濾したフレンチトースト用卵液に、好みのパンを5分ひたす。
- フライパンを加熱しバターを入れ、半分溶けたら浸したパンを弱火で両面をゆっくり焼く。
- 焼けたら皿に盛り、同じフライパンに切ったいちごの半量を入れ、好みの加減で加熱する。
- フレンチトーストに加熱したいちごをかけ、残ったフレッシュいちごもかける。
加熱することで甘さを増したいちごと、フレッシュなままのいちごの食感の両方が楽しめる。
いちご風味の鶏もも肉の塩麹焼
- いちごを潰し、塩麹と合わせる。一口大に切った鶏もも肉を、これに漬けて一晩置く。
- オリーブオイルを敷いたフライパンで、焦がさないように鶏もも肉を焼く。
- ブロッコリーなど好みの付け合わせ野菜と一緒に、皿に盛る。
漬ける時間は必要だが、さほど手間のいらない新感覚の塩麹焼だ。いちごの香りがふんわりと鼻をくすぐる。普通の食べ方に物足りなさを感じたときに、試してみてほしい。
このほかにも、美味しそうなレシピが公開されている。いちごが残ってしまってもったいない、というときに検索してみよう。
このほかにも、美味しそうなレシピが公開されている。いちごが残ってしまってもったいない、というときに検索してみよう。
結論
あまおとめは2009年に品種登録がされたが、2014年には、あまおとめを親とする「赤い雫」といういちごが新たに生まれている。これは、あまおとめの欠点である色づきの悪さを改良したものだ。あまおとめと同じく、愛媛県のブランドいちごである。いちごの業界は日進月歩だ。いろいろな味を楽しめて、消費者としては楽しい時代である。