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起源は12世紀?西日本における栗の雄【岸根】の特徴

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 平原あさみ(ひらはらあさみ)

2019年7月 7日

茨城県や熊本県が生産地として知られる栗であるが、山口県にはそれらの栗に負けない存在感を持つ品種が存在する。平家の落ち武者によって栽培が始まったといわれる「岸根」である。岸根は、西日本随一のブランド栗として気を吐いている。数世紀を経て生き残った岸根の伝説や特徴をみていこう。

1. 源平の時代に起源をもつ栗【岸根】

岸根の歴史は、なんと源平合戦の時代にまでさかのぼるといわれている。壇ノ浦で源氏に敗れた兵士たちによって栽培が始まったという伝説を持つ岸根。近年は栽培面積も減少しているというが、西日本の雄として和栗の代表として誉れ高い。

大粒で有名な栗の木を接ぎ木した兵士の落ち武者

源平合戦は、12世紀の日本史に登場する。つまり、岸根もその時代にまでさかのぼる歴史を持つということになる。
言い伝えによると、山口県の小瀬川対岸の栗谷というところに非常に大粒の栗をつける木があったという。この木を、栗谷から8kmほど離れた玖珂郡に逃れてきた平家の落ち武者が接ぎ木をしたのが岸根の祖先と伝えられている。
平家の落人には、各地にさまざまな伝説が残り、いずれも物悲しいイメージが漂う。しかし、大粒の栗を見事に普及させた岸根の伝説には、落ちぶれてなお泰然と生きていた武士の魂が込められているようだ。

山口県で普及した岸根

その後、山口県の岩国市を中心に栽培が普及した岸根は、大正2年の全国栗名称調査会を機に初めてその名を名乗る。全国から選抜された数百種の栗の中から、優良銘柄のひとつとして選ばれたために岸根の名は広く知られるようになった。
また、品種改良にも岸根は一役買っている。現在の日本の栗のマジョリティともいえる「筑波」や、盤石の安定性を誇る「石鎚」も岸根の血を引いている。さらに、1949年にお膝元山口県で存在が認められたクリタマバチに対しても、強い抵抗力がある。

2. 数世紀を経て実に着いた風格のある栗、岸根の特徴

古くから高値で取引される栗として知られていた岸根には、目にした人を驚かせるサイズがまず特徴である。食感や味わいはいかに?

岸根の特徴

かように高名な岸根栗であるが、栽培されているのは発祥の地、山口県を中心にごくわずか。また、熟すのが遅いために寒さが早く到来する秋には収穫量が減ることも多い。通常の栗の2倍近くはあろうかという形状と薄い皮が特徴である。現在の日本の栗の中でもとくに粒が大きく、また甘みも濃厚であり、保存性も高い。伝統的に地下に貯蔵し、収穫が終わった時期を見計らって出荷していたという。年末年始の食卓を飾る大粒の栗として、非常に珍重されていた。
現在も、栗としてはトリを務めるかのように10月中旬以降に登場する晩生である。通常の栗の1.5倍以上、30~40gにもなるその大きさが何よりの特徴である。横長で、つややかさのある暗褐色をしている。口に入れれば、粉質を感じるホクホク感、まろやかなで熟した甘さを楽しむことができる。

岸根の選び方

その大きさに圧倒されて、よく吟味もせずに買ってしまいそうな岸根。ゴロンとした大きさと同時に、幅を感じさせる重厚感がチョイスの決め手である。生産量が多くない岸根栗は、生まれ故郷の山口県が一大産地となっている。岸根の歴史を考慮しても、山口県産は美味にあたる可能性が高い。
また、晩生栗であるため早霜の降りた年は味が落ちやすい。寒さが早く到来した年の岸根には、購入の際にとくにつやや重量感などのチェックが必要である。

3. 岸根栗の美点を活かして食べるには

ブランド栗の貫禄ゆえか、岸根は調理法を選ばない栗である。食欲の秋らしく、ホクホクとした食感を楽しみたい人は、岸根栗を茹でて食べるのがよいだろう。その大きさと甘さが、胃袋を満たしてくれる。
また果実が粉質の岸根は、甘みは申し分ないものの調理する際に煮くずれに注意が必要だ。岸根の故郷である山口県では、特大級の栗を利用した菓子なども数多く販売されている。和菓子、洋菓子を選ばない甘さが重宝されている。山口県のJAによれば、焼き栗、甘露煮、渋皮煮など幅広いレシピを楽しめる岸根ではあるが、とくに栗ごはんにするのがおすすめとしている。

結論

国内最大級の大きさを誇る岸根は、数世紀を経て生き残った貴重な栗である。栗としての長所をあますところなく備え、それを近代の栗にも伝えた岸根。平家の落人に由来をもつ岸根は、風格のある大きさと甘みが愛でられてきた。西日本の栗の筆頭として、特別な存在感がある。市場に出回る量が少ないのが残念であるが、未来にも残したい品種のひとつである。
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