1. 鮮度に注意!?美味しいイワシの選び方

徐々に値段が高騰しているイワシ。より美味しいイワシを選ぶ際に重要なのは、より鮮度のよいイワシを選び取る方法をおさえておくことだ。イワシはかなり鮮度の落ちやすい魚で、流通網が発達する以前は下賤(げせん)な魚という意味で「下魚」のひとつとして数えられ、イワシという名前の由来として「卑しい」が転じたものだという説があるほどの扱いを受けていた。流通が安定したいまでも鮮度が落ちやすいことに変わりはないので、選び方のポイントも鮮度が重要となるわけだ。
活きのよいイワシを選ぶポイントはいくつかある。まず注目したいのは目の色だ。鮮度のよいイワシの目は黒く澄んでおり、鮮度が落ちるほどに赤く変色していく。次に見るべきはうろこ。イワシのうろこは剥げやすいので、うろこが残っていることが間接的に水揚げから間もないことの証明となるわけだ。
もし直に触れて鮮度をチェックできるのであれば、エラの裏側もチェックしたいポイントだ。鮮度が落ちたイワシのエラの裏は、鮮やかな赤からだんだんと色がくすんだり黒ずんだりといった変化が生じる。身体の黒い斑点模様の鮮やかさも鮮度のよいイワシを選び取るポイントにはなるのだが、そもそもこの斑点を持たないイワシもいるため過信は禁物だ。
鮮度面のチェックが済んだのであれば、より美味しい脂ののったイワシの選び方だ。頭が小さく身がふっくらと張りのあるイワシのほうが脂ののりもよく美味しい。鮮度のよいイワシの中でさらに美味しいイワシがどれか迷ったら頭と身体のサイズのバランスにも注目してみよう。
2. 食べ方に迷ったらこれ!美味しいイワシの丸干しの作り方

イワシの鮮度の落ちが早いことは先述の通りだが、イワシの保存性を少しでもあげたいのであれば丸干しにしてしまうのがおすすめだ。とくに、多くのイワシが一度に手に入って食べ方に困った時などに活用するとよいだろう。
作り方としては、ウロコを洗い流したイワシを塩水につけ、水をきったあとに吊るして干すだけでよい。干す時間は浸けた塩水の濃度や季節、好みによって変わるのでいろいろと試してみるとよいだろう。目をくり抜いてそこに竹串などを通すメザシにするのであれば、ウロコを洗い流す工程で目をくり抜き、そこもしっかり洗い流すようにするのがポイントだ。
丸干しにしたイワシは、作り方にもよるが生のイワシより保存性が増す。数日以内に食べるのであれば冷蔵保存、それ以上の長期保存がしたければ冷凍保存するとよいだろう。
ちなみに、干物にして一番美味しいのはウルメイワシだが、通常生で市場に出回っているマイワシでも美味しい丸干しを作ることが可能だ。丸干しにしたイワシはただ焼くだけでも美味しいおかずとなるのでぜひ作り方を覚えて挑戦してみてもらいたい。
3. 新鮮なイワシは刺身が最高!

鮮度の落ちやすいイワシだが、活きのよいイワシが手に入ったのであれば刺身で食べるのもおすすめだ。旬のイワシの刺身は身の柔らかさと脂ののりが絶妙で、口の中でとろけていくような美味しさを楽しむことができる。
イワシの刺身を作る際のポイントは、食べにくさの原因となる小骨も切れるように薄切りにすること。可能であれば小骨は一本一本丁寧に抜き取ってしまうのが理想だ。薬味としてはわさびのほかにすり下ろした生姜も用意しておくとよいだろう。
4. 食べ方無限大!イワシの缶詰アレンジ料理

イワシの美味しい食べ方として干物や刺身を紹介してきたが、最後にイワシの缶詰を使ったアレンジ料理について紹介したい。
イワシは保存食用の缶詰としても流通しており、そのまま食べるだけでなくアイデア次第でさまざまな料理にアレンジすることが可能だ。
たとえば、うなぎの代わりにかば焼きにしてみたり、炊き込みごはんにしてみたり。はじめから味がついている味噌煮の缶詰と水煮の缶詰を適宜使い分けるのがポイントだ。洋食にアレンジするならオイルサーディンの缶詰もよいが、アレンジ次第では水煮や味噌煮のイワシでもトマト煮などに使うことができる。
長期保存が可能でさまざまな場面で使えるイワシ缶は、ぜひとも常備しておきたい一品なのだ。
結論
イワシは生食に干物、缶詰といろいろな食べ方で人々から愛されている。日持ちがしない魚だからこそさまざまな食べ方の工夫がなされ、美味しい食べ方が数多く存在する魚なので、ぜひいろいろな料理方法に挑戦したいものだ。ちなみに、普段ほとんどの人がイワシと意識しないまま食べているであろうちりめんじゃこやしらすも、じつはイワシの稚魚だ。そのように考えるといかにイワシが家庭に馴染み深い魚かわかるのではないだろうか。
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