1. 黄色いんげんの特徴

黄色いんげんは、緑色のさやいんげんと長さや形は変わらない。丸いさやのものもあれば、平さやタイプもある。最大の特徴は、黄色いさや。カラフルいんげんの仲間である紫いんげんは、さやの表皮だけが紫色で中身は緑色だ。それに対し黄色いんげんは、さやの内側や中に入っている豆の表面も黄色い。
■加熱しても黄色いまま
カラフルいんげんの仲間である紫いんげんは、茹でると紫色の色素が抜けて緑色になってしまう。一方、黄色いんげんは茹でても黄色いままである。柔らかくなるまでじっくり茹でても緑色になることはないため、黄色を料理の彩りに生かすことができるのだ。
■別名バターいんげん!?
黄色いんげんは、バターいんげんとも呼ばれる。その名のイメージどおり緑色のいんげんよりも青臭さがなくほんのり甘いため、さまざまな料理に使える。日本ではあまり見かけないがヨーロッパなどではよく食べられており、フランス料理にも使われることが多い。
2. 黄色いんげんの旬と入手方法

黄色いんげんは珍しい品種だが、昔から存在するさやいんげんの仲間だ。旬も一般的なさやいんげんと同様、6~9月にピークを迎える。とはいえ生産量は少なく、スーパーや八百屋などで簡単に入手できるものではない。
■直売所をチェック
比較的出会える場といえば、やはり農産物直売所だ。スーパーや八百屋などに比べると珍しい野菜を置いてあることも多い。さやいんげんの産地自体は千葉県に多いものの、全国に広がっている。旬の時期を狙って直売所や道の駅などをのぞいてみよう。また、わずかながら通信販売の取り扱いもあるため、ネットショップも要チェックだ。
■種子から育てよう
黄色いんげんを野菜の状態で入手するのは簡単ではないが、種子はわりと出回っている。国内でつくられている品種もいくつかあるし、海外の種苗会社が取り扱っているものを取り寄せることもできる。黄色の芽は鳥や虫に狙われやすいといわれ、育てるのが若干難しいようだが、家庭菜園にチャレンジしてはいかがだろう。
3. 黄色いんげんの美味しい食べ方

黄色いんげんはクセがなく、茹でれば柔らかくなりマイルドな味わいを楽しめる。ただ塩茹でしただけでもほんのりと甘く美味しい。付け合わせにも最適だ。緑色のさやいんげんと一緒に調理すれば、黄色と緑のミックスがきれいで見た目にも楽しい。
■和洋中オールマイティ
黄色いんげんの優しいパステルカラーと控えめな味わいは、どんな料理にも合う。さやいんげんの定番料理でもある胡麻和えや煮物、ソテーなどのほかにもシチューやポトフなどの洋食、中華炒めなどにもおすすめだ。茹で加減で食感も変わるため、いろいろ試してみるのもいいだろう。
■茹で汁も再利用
黄色いんげんはしっかりと茹でても黄色い色素はそのままだ。それでも、茹で汁に栄養や旨みは溶け出してしまう。下茹でした場合、茹で汁は捨ててしまうのではなくみそ汁やスープとして使えば栄養も旨みも余すことなく食べられる。
結論
黄色いんげんの魅力は、茹でても黄色いままで料理に彩りを添えることができるという点だ。優しい味わいはほかの食材とも相性バッチリなので、さまざまな料理に取り入れたい。あまり出回っていないというのがネックだが、もし見かけたらぜひ試したい食材である。紫いんげんと一緒に種を入手して、プランター菜園にチャレンジするのもおすすめだ。