1. 紫苑の特徴と由来

紫苑とはどのようなぶどうなのか、まずはその特徴を学んでいこう。お歳暮などの贈答品としてもよく選ばれる理由が見えてくるはずだ。
■種なしで大粒
紫苑は一房600~700gの大粒大房種で、ワインレッドの楕円形な粒が特徴的である。種がないため食べやすく、実も柔らかい。皮はやや厚めだが、口に入れるとつるんとむけるため気にならない。
■高い糖度
ぶどうは糖度16度もあればかなり甘いとされているが、紫苑の糖度は18~20度である。酸味が抑えられているため、甘さをダイレクトに感じることができる。
■紫苑の誕生と名の由来
紫苑は紅三尺(べにさんしゃく)と赤嶺(せきれい)の交配により誕生した。山梨の植原葡萄研究所で1983年に開発されたが、現在の主な生産地は岡山県岡山市である。ちなみに岡山県では2002年から作られている。
紫苑という名前に関しては、美しい紫色の房が垂れ下がるさまが紫一色の景色に見えること、その色がキク科の紫苑という花の色からつけられた紫苑色に似ていることが由来している。
紫苑という名前に関しては、美しい紫色の房が垂れ下がるさまが紫一色の景色に見えること、その色がキク科の紫苑という花の色からつけられた紫苑色に似ていることが由来している。
■手間暇かけた丁寧な栽培
紫苑の美味しさを裏付けるのが手のかけ方である。冬に収穫するぶどうであるため、温度管理を徹底しなければならないのだ。ビニールを二重にしたり時にはストーブを焚いたりして冷えすぎないよう注意をはかる。また、房の形を想像しながら粒を間引く作業も行うなど、とても丁寧に栽培されている。
2. 紫苑の旬と入手方法

紫苑は冬ぶどうとして知られているが、具体的にどの時期に食べることができるのだろうか。また、入手方法もチェックしておこう。
■旬は10月下旬~12月上旬
一般的なぶどうの旬は8月末~10月だが、紫苑は10月下旬から収穫が始まり、12月上旬まで味わうことができる。
■市場に出ることは稀
紫苑は贈答品として扱われることが多く、全国のスーパーなどの店頭に並ぶことはほとんどない。高級フルーツ店などで取り扱われることもあるが、希少なため確実に入手したい場合は通信販売をおすすめする。岡山県で産地直送販売を行っている店舗に注文するのが一番早い方法だろう。もちろん、岡山県内の紫苑の産地に足を運ぶという方法もある。
3. 紫苑の選び方と美味しい食べ方

紫苑の美味しさを存分に味わうためには、より状態のいいものを選ぶことと、最も美味しい状態で食べることが重要である。そのポイントを伝えよう。
■美味しい紫苑とは
皮の色が濃くハリがあり、軸が茶色くなっていないものを選ぼう。実が枝から落ちていないということも鮮度の目安になる。また、ブルームと呼ばれる白い粉が表面に吹き出ているものがより甘い。
■購入したらすぐ食べるべし
紫苑は新鮮なうちにいただくのが最も美味しい食べ方だ。購入したら時間が経たないうちにサッと洗って食べきってしまおう。食べる30分前に冷蔵庫で冷やすと甘みが引き立つ。水につけると傷みやすくなるため、洗うのは食べる直前がベスト。ぶどうは房の上のほうが甘いため、下から順に食べると最後まで美味しく味わえる。
■見た目の美しさも楽しんで
味だけでなく見た目の美しさも紫苑の魅力の一つである。食べる時には一粒一粒の色や形の美しさも併せて楽しんでほしい。半分にカットすると断面も美しいグラデーションになっているので、スイーツのトッピングにもおすすめだ。
結論
強い甘みと口当たりのよさ、そして美しい紫色と大きな粒が魅力的な冬のぶどう、紫苑。冬の贈り物としてぜひ選んでみてはいかがだろう。ぶどう好きな子どもへの特別なプレゼントにもなるかもしれない。冬に岡山県を訪れたら必ずお土産にしたい逸品である。ネットなどでも見かけたら、ぜひ購入してみよう。
この記事もCheck!