1. 飲む点滴とは?

飲む点滴とは、日本の伝統的な甘味飲料である「甘酒」の別名のことである。また、甘酒には主に米麹甘酒と酒粕甘酒の2つがあるが(※1)、一般的に飲む点滴と呼ばれているのは米麹から作られている「米麹甘酒」である。米麹には点滴(ブドウ糖液)に含まれているブドウ糖が多く含まれているため、この特徴から米麹甘酒のことを「飲む点滴」と呼ぶようになったようだ。
米麹甘酒と酒粕甘酒の違い
甘酒には大きく、米と米麹から作られる「米麹甘酒」と酒粕から作られる「酒粕甘酒」の2種類がある。これらは原材料や作り方などが異なるので、簡単にそれぞれの特徴について以下にまとめておく。
・米麹甘酒:米麹が米をブドウ糖に分解して甘くなる甘酒。アルコールを含まない
・酒粕甘酒:酒粕を溶いたお湯に砂糖を入れて甘くする甘酒。アルコールを含む
市販の甘酒に多いのは、この米麹甘酒か酒粕甘酒のいずれかである。しかし、このほかにも玄米と米麹で作る「玄米甘酒」なども売られている。なお、米麹甘酒や玄米甘酒はアルコール分が含まれていないので、小さな子どもや妊婦なども飲むことが可能となっている。
・米麹甘酒:米麹が米をブドウ糖に分解して甘くなる甘酒。アルコールを含まない
・酒粕甘酒:酒粕を溶いたお湯に砂糖を入れて甘くする甘酒。アルコールを含む
市販の甘酒に多いのは、この米麹甘酒か酒粕甘酒のいずれかである。しかし、このほかにも玄米と米麹で作る「玄米甘酒」なども売られている。なお、米麹甘酒や玄米甘酒はアルコール分が含まれていないので、小さな子どもや妊婦なども飲むことが可能となっている。
2. 甘酒が「飲む点滴」と呼ばれる理由

前述のとおり、甘酒(米麹甘酒)が飲む点滴と呼ばれている理由には、ブドウ糖を多く含んでいることが強く関係している。しかしこれだけでなく、米麹甘酒にアミノ酸やビタミン類などを含んでいることも関係しているようだ。そこで甘酒が飲む点滴と呼ばれている理由を詳しく確認しよう。
理由1.ブドウ糖を多く含んでいる
文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」によれば(※2)、甘酒100gあたりの糖質量は17.9g(炭水化物18.3g-食物繊維0.4g)である。また、米麹甘酒の場合は麹がデンプンを分解してブドウ糖を作るため、「ブドウ糖」を多く含んでいるという。ブドウ糖は脳が利用できる唯一のエネルギー源であり、人間にとって欠かすことができない栄養素となっている(※3)。
理由2.アミノ酸やビタミン類も含む
甘酒の主成分は糖質(炭水化物)であるが、必須アミノ酸やビタミン類も含んでいる。特にビタミン類に関しては、ビタミンB1、B2、B6、ナイアシン、葉酸などのビタミンB群を含んでいることが特徴となっている(※2)。これらの栄養素の働きはそれぞれ異なるが、ビタミン類であれば身体の機能を正常に保つ働きなどを担っている(※4)。
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3. 飲む点滴を日常に取り入れる際の注意点

「飲む点滴」である甘酒には、ブドウ糖、アミノ酸、ビタミン類などが含まれるが、甘酒はカロリーが高い嗜好飲料であるため飲みすぎには注意が必要だ。また、アミノ酸やビタミン類などを含んでいるが、1食分を補えるわけではないので食事の栄養バランスには注意しなければならない。そんな飲む点滴である米麹甘酒を飲む際の注意点についても確認しておこう。
注意点1.飲みすぎに注意が必要
甘酒はごくごくと飲めるが、糖質が多くカロリーが高いため飲みすぎには注意が必要である。「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」によれば(※2)、甘酒100gあたりのカロリー量は76kcalとなっている。そのため、200ml程度飲むと152kcalになり、ご飯100gと同じくらいのカロリーを摂ることになってしまう。肥満などに繋がる可能性もあるので、甘酒の飲みすぎには注意しよう。
注意点2.偏食に注意が必要
甘酒はアミノ酸やビタミン類を含んでいるが、その含有量はそれほど多くない。そのため、甘酒に頼り過ぎて食生活が乱れてしまうと、栄養バランスが悪くなってしまう可能性が高い。甘酒は「飲む点滴」であり栄養素が優れているが、あくまで嗜好飲料であるため普段の食事では主食・主菜・副菜・汁物などをバランスよく食べるようにしよう。
4. 飲む点滴に関するよくある質問

ここまで、飲む点滴(甘酒)について詳しく解説してきた。しかし中には「甘酒は1日にどれくらい飲めばいいのか」「甘酒はいつ頃飲むのがおすすめなのか」などが気になる人もいるだろう。そこで最後に、飲む点滴(甘酒)に関するよくある質問・疑問に回答する。
Q1.飲む点滴は1日にどれくらい飲めばいいか?
甘酒の1日の飲む量は明確には決まっていないものの、1日コップ1杯(150ml程度)で十分とされている。特に金沢工業大学の尾関健二教授らが行った共同研究によれば(※5)、コップ1杯で人に必要な「プロラミン」を補えることが判明している。また、農林水産省の「食事バランスガイド」などを見ても(※6)、甘酒のような嗜好飲料は楽しく適度にとるのがよいとされている。
Q2.飲む点滴はいつ頃飲むのが効果的なのか?
甘酒の飲むタイミングも特別決まっていない。そのため、朝目覚めてから飲んでも、間食・おやつとして飲むのも可能となっている。自分の生活リズムに合ったベストなタイミングで甘酒を飲むようにしよう。なお、前述のとおり甘酒の飲みすぎには注意しよう。
結論
「飲む点滴」と呼ばれている米麹甘酒は、ブドウ糖・アミノ酸・ビタミン類などを含んでいることが特徴である。また、アルコール分を含んでいないため、小さな子供や妊婦、お酒の弱い人でも飲むことが可能となっている。あくまで嗜好飲料であるため過信は禁物だが、美味しいし栄養面も優れているので興味があったら買ったり、作ったりしてみるとよいだろう。
(参考文献)
- ※1:農林水産省「甘酒には2種類の作り方があるとのことですが、ノンアルコールのものはどちらですか。2種類の違いも教えてください。」
https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1712/02.html - ※2:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/ - ※3:e-ヘルスネット「ブドウ糖(ぶどうとう)」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-030.html - ※4:e-ヘルスネット「ビタミン(びたみん)」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-027.html - ※5:金沢工業大学「【世界初】甘酒を飲んで、便通改善、コレステロール低減、肥満抑制。応用バイオ学科尾関研究室が企業との共同研究で学術的に初めて実証」
https://www.kanazawa-it.ac.jp/kitnews/2018/0406_amazake.html - ※6:農林水産省「「何を」「どれだけ」材料と料理区分」
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/balance/division.html
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