1. カルシウム不足による弊害

カルシウムは、体重の1~2%程度含まれているミネラルの1種である。その多くは骨や歯などの組織に存在する。小腸で吸収されるが、吸収率があまりよくなく、体内で生成できないため、積極的な摂取が求められる。さらに単一の食材に多量に含まれているわけではないので、これを食べれば簡単に摂取できるといった具合にもならない。慢性的に不足しがちであるが、とくに20〜30代の若い世代にその傾向が目立つ。どちらにしてもある程度、意識をして摂取しなくてはならない栄養素であることは明白だ。
カルシウムが不足すると
カルシウム不足は、まず骨や歯を弱くする。これはカルシウムが体内に不足すると自身の骨からカルシウムを溶かし出してしまうから。このことにより、どんどんと骨がもろくなってしまうのだ。これが骨粗鬆症の原因でもある。そのほかにもカルシウムには筋肉収縮や神経機能を正常に保つ働きがあり、不足するとカラダ全体に支障をきたす。イライラしていると「カルシウム不足ですね」といわれるのはこのためだろう。
カルシウムの摂取量
カルシウムは30代以上の成人であれば、1日に650mg以上の摂取が望ましい。またカルシウムはビタミンDの不足によっても吸収率が低下するので注意が必要である。そのほかにも加工品や肉類に多く含まれるリンがカルシウムの吸収を阻害するので、こちらも頭に入れておく必要がある。ちなみに中高生は成長でカルシウムが成人より多く使われるので、さらなる摂取が必要だ。
2. カルシウム不足を補う食材

組み合わせが重要
カルシウム不足を補う食材は、複合的に食べることが望ましい。というのもそれぞれに含まれる量がさほど多くないので、単一ではまかないきれないのだ。また単一食材だけを食べ続けることは、別の意味でも弊害が生まれやすい。バランス力が求められる。
カルシウムの多い食材
よく知られているのが牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品である。ただ、日本における酪農の歴史はさほど古くない。胃腸不良になるという人も多いうえ、カロリーもほかのものに比べて高い。カルシウム摂取を乳製品だけに頼るのは、バランス的にもあまりおすすめできない。
乳製品以外にカルシウムが豊富な食材はブロッコリーや青梗菜、オクラ、ケールなどの野菜、豆腐、高野豆腐をはじめとする大豆製品や豆製品、海藻、小魚、アーモンドなどがある。満遍なく、摂取することが重要だ。
乳製品以外にカルシウムが豊富な食材はブロッコリーや青梗菜、オクラ、ケールなどの野菜、豆腐、高野豆腐をはじめとする大豆製品や豆製品、海藻、小魚、アーモンドなどがある。満遍なく、摂取することが重要だ。
3. カルシウム不足を補う食事

昔ながらの和惣菜
ひじきの煮物や切り干し大根など、ほっとする和惣菜にはカルシウムをはじめとしたミネラルなどがバランスよく含まれているものが多くあり、日本人のカラダにあったカルシウム摂取が叶う。油揚げと青菜のおひたし、カブの葉とちりめんじゃこのふりかけ、ひじき入りの卵焼き、桜えび入りのお好み焼きなども、バランスがよく、おすすめだ。常備菜として使えるものも多くカルシウム不足解消に一役買ってくれそうだ。
乳製品×魚
乳製品はそのまま飲んだり、食べたりするよりも料理に使う方が食べやすいケースも多い。鯖缶や生シャケ、牡蠣を使ったグラタンは、簡単で美味しく栄養も満点。魚介類にはビタミンDが含まれているのでカルシウムの吸収効率的にも優秀。パスタにしても旨い。同じ具材でキッシュを作るとより子どもにも食べやすい。
結論
ひと昔前の、牛乳を飲んでいれば大丈夫といった認識ではなく、幅広くさまざまな食材からもっと多くのカルシウムを摂るようにしよう。カルシウムに限らず、一辺倒な食生活は身体に無理が生じやすい。海藻や乾物を上手に使いながら、美味しくカルシウムをカラダに摂り入れよう。
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