1. アカマンボウとは?

アカマンボウとは、アカマンボウ目アカマンボウ科の大型の深海魚である。大きいものでは全長2m程度、重量270~300kg程度になることもある。また、マンボウのように左右からつぶしたような平たい形(側扁)であり大型魚なので、そのまま流通させるのが難しい。そのため、一般的には切り身にしたり加工したりしてから流通される。脂が程よく乗っており、味と食感は優れていて美味しい。
アカマンボウの生産地
アカマンボウは世界中の温帯・熱帯の海に生息しており、日本では主に沖縄県で水揚げされている。ただし、一般的に日本ではマグロ漁の際に一緒に水揚げされることが多く、アカマンボウを専門に漁獲することはほとんどない。地域によって呼び方が異なり、沖縄県では「マンタイ」などと呼ばれており、東京都や高知県などでは「マンダイ」、和歌山県では「ヒャクマンダイ」と呼ばれている。
2. アカマンボウの特徴とは?

アカマンボウの漁獲量・流通量は少ないが、その味や食感は優れているといわれている。また、マンボウのような見た目である。そんなアカマンボウの特徴や魅力について確認しよう。
その1.マグロのような味と食感
アカマンボウの切り身は、一般的にマグロに似た味と食感といわれている。また、白身ではあるが、赤身がかっているため、本物のマグロのような見た目をしている。なお、腹側は脂がのっていて甘みが強く、背側は筋が多くてサッパリとした味わいとなっている。腹側も背側もクセが少なく、非常に食べやすくて美味しい。刺身のほか、フライやムニエルなどにしても美味しく食べられる。
その2.マンボウのような見た目
アカマンボウはアカマンボウ目アカマンボウ科の魚であるため、フグ目マンボウ科のマンボウとは関係がない。しかし「マンボウ」という名前が付くとおり、アカマンボウはマンボウのような側扁の見た目が特徴である。ただし、1トンになることもあるマンボウよりは小さいのが特徴。また、マンボウとは異なり、ヒレや体(特に腹部側)などは赤色となっている。
3. アカマンボウの捌き方・切り方

アカマンボウが水揚げされている地域の市場に行けば、丸のままアカマンボウを手に入れることが可能だ。しかし、一般的なスーパーでは「柵」の状態で売られていることが多い。柵の状態のアカマンボウを手に入れたら、以下のような手順でキレイなアカマンボウの刺身を作ってみよう。
- 筋が横向きになるようまな板に置く
- 筋に対して垂直になるよう包丁を入れる
※やや厚めに切るようにするとよい - 最後までに同じ厚みになるように切る
4. アカマンボウの食べ方3選

鮮度のいいアカマンボウは刺身にして食べるのが美味しいが、焼き物・フライ・ムニエル・煮付けなどにしても美味しい。そこでいくつかアカマンボウの食べ方を紹介しておこう。
食べ方1.アカマンボウの塩焼き
アカマンボウは塩焼きにするのもおすすめ。特に腹側は脂がのっていて、自然な甘みを楽しむことができる。適当な大きさに羽切りにしてから、塩を振り1時間程度寝かしておく。それを魚焼きグリルでじっくりと焼き上げれば完成だ。魚焼きグリルがない場合は、フライパンで焼くようにしよう。
食べ方2.アカマンボウのフライ
アカマンボウはフライや唐揚げにしても美味しい。適当な大きさに切り分けたアカマンボウに、塩コショウを振りかけて下味を付ける。それから小麦粉・溶き卵・パン粉の順番につけて、170℃程度の油でカラっときつね色に揚げよう。外はサクサクで中はしっとりした上質なフライが出来上がる。
食べ方3.アカマンボウのカルパッチョ
新鮮なアカマンボウの背側は、刺身ではなくカルパッチョにするのもおすすめだ。背部分はできる限り薄切りにしておき、ベビーリーフを敷いたお皿にキレイに並べる。さらにオリーブオイル・レモン汁・すりおろしニンニクなどで作ったドレッシングをかければ完成。サッパリと美味しく食べられる。
5. アカマンボウの主な入手方法

前述のとおりアカマンボウは漁獲量が多くないため、普通のスーパーなどで見かけることはあまりない。しかし、関東地方などでは「マンダイ」という名称で並んでいることもあるので、お店に行った際に探してみるのもいいだろう。また、アカマンボウは沖縄県などでは比較的売られていることが多い。もし沖縄県などに行く機会があったら、魚市場に足を運んでみるといいかもしれない。
結論
アカマンボウは「マンボウ」という名前が付いているが、マンボウとは全く異なる魚である。その味はむしろマグロに近くて、クセがなく美味しいのが特徴だ。刺身をはじめ、焼き魚・ムニエル・揚げ物・煮付けなどで美味しく食べられるので、ぜひ色々な調理法を試してみるとよいだろう。
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