1. 小麦と日本
人類最古の作物
小麦の歴史はとても古く、人類最古の作物の一つと言われるほど。古代エジプトの壁画には、小麦の収穫が描かれている。日本に伝わったとされるのは、縄文、弥生時代あたり。稲作の伝来とともに伝えられたようだ。
独自の小麦文化
欧米諸国では、小麦はパンの源として発展を遂げたが、日本ではうどんやそうめんなど、麺類としての発展が顕著だった。麺類は中国から伝えられたとされ、室町時代になると僧侶の間食として広がりを見せた。その後、前述通りうどんや饅頭など、日本独特の小麦文化が生まれていく。
郷土料理と小麦
小麦粉を使用した料理は、郷土料理にも多くみられる。例えば、岩手県で食べられている小麦粉と水で練った生地を出汁に入れた、ひっつみや山梨県のほうとう、それに似た九州地方で食べられているだんご汁などがそれに当たる。今回のテーマであるお好み焼きやたこ焼き、もんじゃ焼きなどの粉もんもルーツを探ると郷土色がとても強い。さらにリーズナブルでお腹いっぱい食べられる、そんな庶民の工夫が垣間見える。
2. 代表的な粉もん
一銭洋食とお好み焼き
そもそもお好み焼きは、小麦粉にネギやキャベツなどを入れて焼き、ソースをかけた一銭洋食と呼ばれるものがルーツだったと言われている。洋食と聞くとなんだか耳慣れないが、この一銭洋食が流行したのは戦前。うどんや饅頭以外の小麦文化を知らなかった庶民にとっては、これも立派な洋食に思えたのかもしれない。
大阪風と広島風
大阪風と広島風に好みが別れるお好み焼き。大阪風が具材を混ぜて焼くのに対し、広島風は具材を重ねて焼いていく。大阪風は山芋が入っていることが多く、広島風は、中華そばを一緒に重ねるところも特徴的だ。
たこ焼き
人気の粉もん、たこ焼き。たこ焼きのルーツは、大正時代に生まれたラジオ焼きなるもの。それ以前にもちょぼ焼き、明石焼きなど、似たような食べ物が存在していたようだが、ラジオ焼きは出汁で溶いた小麦粉に肉やスジを入れて焼いたものだったよう。その後、大阪のラジオ焼き店主が肉の代わりにタコを入れ、たこ焼きと呼ばれるようになったようだ。当時はソースをつける習慣はなかったよう。
もんじゃ焼き
関西地方で発展したお好み焼きとたこ焼きに対して、もんじゃ焼きは東京で発展した粉もんの一つ。現在ももんじゃ焼きの聖地として名高い月島あたりで江戸末期から、明治にかけて、子供のおやつとして親しまれていた。鉄板に文字を書いて覚えながら食べたことから、文字焼きが訛ってもんじゃと呼ばれるようになったようだ。
3. 粉もん簡単レシピ
フライパンdeねぎ焼き
シンプルなねぎ焼きは、ご飯としてはもちろん、酒のつまみにぴったり。小麦粉100mlと水200mlずつボールに入れ、卵1個、塩をひとつまみ加えよく混ぜておく。万能ネギ半束を刻み、先ほどの生地に鰹節ひとつかみと一緒に加え、ざっくり混ぜる。油を熱したフライパンでカリッと焼き上げる。鉄板のソース+マヨネーズはもちろん、ポン酢をつけて食べても美味しい。
おやつに最適な基本のもんじゃ
もんじゃ焼きの生地は、シャバシャバ。水分がかなり多いのが特徴だ。小麦粉10gに対して、水200mlを混ぜ、さらにウスターソースを大さじ半分加える。生地はこれで完成。あとはこれにキャベツの千切りを混ぜて、焼くだけ。切りイカや桜エビを加えるとコクが加わり、さらに美味しい。もちと明太子やチーズとキムチなどお好みの具材で楽しみたい。
結論
小麦粉を使用した粉もんは、お手軽で美味しいところが魅力。さらに庶民の味だけあって、具材はフレキシブルにアレンジが可能。冷蔵庫と相談して、是非作ってみよう。出来たては、さらに美味しく感じるはず。
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