1. 食にも関わるかもしれないAIとは

そもそもAIとは何を指すのか?人工知能というところまでは、多くの人が理解していることであるが、それが一体どんなものかはよく知らないという人も多いだろう。人工知能研究の多くは、人間が知能を駆使して行う行動に対し、機械がソフトウエアを用いて行うようにする技術を研究している。AIは、知能をもった機械とも言い換えられる。ただ、その認識は国内でもさまざまで、研究者によって定義も異なるのが現状だ。
AI=ロボットにはならない
AIと言うと、人間の知能を搭載したロボット、または人間のようなものをイメージするが、それは少々認識が違う。前述の通り、AIは知能をもった機械であり、ロボットではない。人間の知能をそのまま再現することは不可能で、現段階では部分的な研究が勧められており、AI活用の幅も広くなっている。
身近なAIの活躍
AIと聞くと生活からは遠い存在に感じるが、身近なところにもAI技術は多く使われている。カーナビやスマートフォンの音声認識、洗濯機が水分量や洗剤量を自動で調整してくれる機能、電車や飛行機の自動運転、ネットの検索システムなどにもAIが活用されているのだ。同様に、食の世界でもすでにAIの利用が始まっている。
2. AIの能力と食の関係

AIの能力をわかりやすく表現すると、学習や認識、推論、計画、最適化などが挙げられる。AIは膨大なデータを解析することに長けており、その中からルールや傾向を見出すことができる。それをもとに、計画や最適化を行うこともできるというわけだ。
AIの複合的な機能
AIの実用化には、いくつかの機能を組み合わせることが必須である。認識、推論、計画、実行など、各々の機能を結合して、ひとつのAIとして成立される技術が求められている。そうした機能の精度向上も、さらに広がる実用化への重要なキーワードである。また、AIをどのようなシーンで活用するかという、受け手側とのマッチングも発展には欠かせない。食の世界においても、AIをどのように使うかということが模索されている。
3. AIと食の未来

需要予測と製造管理
AIは、食の世界にどのような進化をもたらすのか?すでに活用されているのが、需要予測や製造管理の場面。膨大なデータを解析することにより、リアルタイムでの需給予測が可能になるため、ロスを減らすことが可能になる。また製造管理においても、AIを用いて作業を自動化することで、生産効率が向上する取り組みが行われている。たとえば作物の病気を発見したり、雑草駆除などにもAIが活用されている事例がある。
ロボットレストランの出現
近頃では、すべてオートメーション化されたロボットレストランも出現している。海外ではすでにロボットがシェフを務めるレストランができるなど、その発展はめざましいものがある。ロボットを使うメリットの最たるものは、やはり人件費の削減といえそうだ。人件費が削減されるということは、料理そのものの代金にも大きく影響することが予測される。
データ化される味
今、注目を集めているのが、味のデータ化である。味覚センサーとも呼ばれるAIを利用したもので、味を数値化することができるのだ。データ化することで、味の客観性が得られる。そのデータが集約できれば、年代別にどのようなものが美味しいと感じられているのかがわかることになる。これは、商品開発においても有効性が期待できるだろう。また、自分好みの味わいを知り、選ぶひとつの手段になる可能性もある。
結論
AIの進歩は、食の世界にも大きな影響を与えつつある。料理を忠実に再現できる、3Dプリンターなるものの開発も進んでいるようだ。20年後のレストランは、従業員が完全に無人化され、それぞれの好みに合わせた味付けの料理が出てくる場所になっているかもしれない。
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