1. 白ナスとは?

白ナスとは、その名前の通り見た目が白いナスのこと。いくつかの品種があるが、日本では「ホワイトベル」という白ナスが多く出回っている。これは全長15cm程度、直径8~9cm程度であり、見た目は米ナスのような丸みを帯びていることが特徴。また、普通の紫ナスに比べて果肉が柔らかく、みずみずしさも感じられる。特に加熱調理すると「とろける」ような、上質な滑らかさを楽しめる。
白ナスの主な産地と旬の時期
白ナスはさまざまな地域で栽培されているが、有名なのは鹿児島(鹿児島白ナス)や新潟県(越後白ナス)などである。また、普通のナスと同じで、旬は夏の時期(7~10月頃)となっている。なお、生産量・流通量は増えているといわれているが、普通のナスに比べると少なく入手するのが難しい。
2. 白ナスの特徴や魅力を紹介

白ナスは流通量・生産量が少ないため、その食感や味わいなどを知らない人も多いだろう。そこで、ここでは白ナスの特徴や魅力などを詳しく紹介する。
その1.果肉はとろけるような食感
白ナスの皮は硬いが、果肉は非常に緻密で滑らかとなっている。特に加熱調理をすると果肉が「トロリ」とするので、まるでフォアグラのような滑らかな食感を楽しめる。そのため、白ナスは焼き物や揚げ物などにすることが多い。また、この特徴から白ナスを「トロナス」と呼ぶこともある。
その2.甘みがあって食べやすい味わい
白ナスの品種にもよるが、中には糖度が7度ほどのものもあり非常に甘みが強い。また、ポリフェノール(アントシアニン)を含まないため、苦味や渋み、えぐみを感じにくくて食べやすいという特徴がある。普通のナスの苦味・渋みが苦手な人にとってもおすすめとなっている。
3. 白ナスの基本的な調理方法

白ナスも普通のナスと同じでクロロゲン酸(アク)を含むため、包丁でカットすると茶色っぽく変色してしまう。また、茹でたり煮たりしても茶色っぽく変色してしまうので注意が必要だ。そのため、白ナスを調理するときは、以下のようにして変色を防ごう。
白ナスの下ごしらえ・手順
- ボウルに塩水を作っておく
- 白ナスをお好みの方法で切る
- 切った白ナスをすぐに塩水に浸ける
- 10分ほど浸けたら水分を拭き取って完了
【白ナスの変色を防ぐポイント】
- 180℃くらいの油で素揚げすると変色を防げる
- 蒸したり電子レンジで加熱したりすると変色しにくい
4. 白ナスの美味しい食べ方

白ナスは加熱調理すると非常に美味しくなるため、焼き物・煮物・揚げ物・炒め物・汁物・煮込み料理などに向いている。特に「白ナスのステーキ」や「白ナスの素揚げ」などは非常に美味しい。そこでこれらの料理を紹介する。なお、白ナスは皮が硬いため、サラダや漬け物にはあまり適さない。
食べ方1.白ナスのステーキ
白ナスの定番の食べ方の一つが、「白ナスのステーキ」である。半分に切って白ナスをフライパンで焼くだけのスピード料理でありながら、白ナスの「トロリ」とした贅沢な食感を存分に楽しめる一品となっている。味付けは岩塩だけでもいいし、ポン酢醤油を使った和風テイストでも美味しい。
食べ方2.白ナスの素揚げ
白ナスのトロトロ感を楽しめる「白ナスの素揚げ」もおすすめ。作り方は、大きめにカットした白ナスを油で4~5分程度揚げるだけとなっている。カラッと揚げた白ナスは、ポン酢醤油などとの相性が抜群にいい。また、揚げた白ナスを出汁汁に浸して、「白ナスの揚げ浸し」にしても美味しい。
5. 白ナスの正しい保存方法

白ナスは常温保存できる野菜ではあるが、すぐに使わない場合は野菜室に入れて冷蔵保存しよう。また、冷蔵保存するときは乾燥対策が必要になるため、食品用ラップと新聞紙でていねいに包んでから保存するのがポイントとなる。なお、長期保存をすると外皮や種が茶色くなってしまうため、できるだけ早く食べ切るようにしよう。
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6. 白ナスに関するよくある質問

ここまで白ナスに関する基本を詳しく解説してきた。しかし、まだ白ナスについて知りたいことや気になることがあるだろう。そこで最後に、白ナスに関するよくある質問・疑問に回答する。
Q1.なぜナスなのに色が白いの?
そもそもナスが紫色の見た目をしているのは、青紫色の天然色素の一種である「アントシアニン」を含んでいるからだ。アントシアニンは人体においては「抗酸化物質」として働くことで有名だが、植物においても紫外線などから果実を守る働きなどがあると知られている。しかし、白ナスはそんなアントシアニンを持っていないため、普通のナスとは異なり真っ白な見た目をしている(※1)。
Q2.皮が緑色の白ナスもあるの?
白ナスと呼ばれるナスにはいくつか種類があり、中には「薩摩白ナス」のように外皮が淡い緑色のナスもある。外皮が緑色の理由も、前述した「アントシアニン」を持っていないことが関係しているという。ただし、外皮は緑色であるが、果肉は白ナスそのものであるためとろけるように美味しい。
Q3.白ナスは家庭菜園で栽培できる?
「とろーり旨なす(揚げてトルコ)」といった白ナスの種が市販されているため、家庭菜園で栽培することも可能だ。一般的には1~3月頃に種まきして、6~10月頃に収穫することになる。ただし、プランター栽培は可能だが、「難易度は高め(中級者向け)」いわれている。白ナス栽培に挑戦するときは、種を販売しているお店やサイトで栽培方法などをよく確認してから購入しよう。
結論
生産量が少ないため、一般的なスーパーや八百屋に並ぶ機会が少ない白ナス。しかし、その食感や味わいは絶品となっている。特に、加熱調理すると「トロリ」とした食感を楽しめるようになる。入手が難しい野菜ではあるが、ECモールやオンラインショップなどでは見かけることもあるので興味があるなら探してみよう。
【参考文献】
■※:鹿児島県「白なす」
http://www.pref.kagoshima.jp/ag06/sangyo-rodo/nogyo/nosanbutu/dentou/sironasu.html
■※1:つくばサイエンスニュース「白ナスのおはなし」
http://www.tsukuba-sci.com/?column02=%E7%99%BD%E3%83%8A%E3%82%B9%E3%81%AE%E3%81%8A%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%97
■※:鹿児島県「白なす」
http://www.pref.kagoshima.jp/ag06/sangyo-rodo/nogyo/nosanbutu/dentou/sironasu.html
■※1:つくばサイエンスニュース「白ナスのおはなし」
http://www.tsukuba-sci.com/?column02=%E7%99%BD%E3%83%8A%E3%82%B9%E3%81%AE%E3%81%8A%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%97
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