1. グリッシーニとは?

グリッシーニ(Grissini)とは「ブレッドスティック」などとも呼ばれている、イタリア発祥の棒状のパンである。細長い形状とサクサクとした食感が特徴で、イタリアンやフレンチ料理などで見かけることが多い。また、味付けはプレーンの薄味が多いが、中にはフレーバー付きのものもある。ふっくらと焼き上げる必要がないため、パン作りが初めての人にもおすすめとなっている。
グリッシーニの歴史と伝説
グリッシーニの起源はいくつかある。最も有力なのは1675年にイタリアピエモンテ州で誕生したという説。当時、幼少期のヴィットーリオ・アメデーオ2世は消化器の病気を患っており、その病気の対策のためにカリカリのパン(グリッシーニ)を作ったそうだ。また、別の説には1634年にフィレンツェの修道院長がトリノ郊外で「骨のようなパン(グリッシーニ)」を作ったというものもある。
グリッシーニの名前の由来
グリッシーニ(Grissini)は、イタリア語の「グリッシーノ(Grissino)」の複数形である。グリッシーノの名前の由来は14世紀までさかのぼるとされており、当時はインフレとともに小さくなっていくパンのことをバカにして「グリッシーノ」と呼んだという。そのため、もともとグリッシーノとは「ちっぽけなパン」という意味だ。なお、海外ではディッピングスティックと呼ぶこともある。
2. グリッシーニの3つの魅力

フランスの英雄・ナポレオンも好んで食べたというグリッシーニは、「美味しい」だけでなく「作りやすい」「アレンジしやすい」などの魅力もある。そこでそれぞれの魅力について確認しておこう。
魅力1.サクサクの食感が美味しい
グリッシーニはクラッカーやクッキーのようなサクサクとした食感が特徴となっている。フワフワなパンとは異なる食感であるため、おやつやおつまみの感覚で手軽に食べることができる。実際、イタリアンなどでは、ワインのおつまみとしてグリッシーニが出されることもあるようだ。
魅力2.初心者でも作りやすい
グリッシーニは生地を作り、焼くだけなので比較的簡単に作ることができる。普通のパンは二次発酵などが必要になるが、グリッシーニは一次発酵だけでよいのも利点である。焼き加減も焦げない程度にすればいいだけなので、温度調整・温度管理といった難しいことをしなくてよい。
魅力3.アレンジしやすく楽しめる
グリッシーニは薄味のプレーンが多いが、チーズ・黒コショウ・黒ゴマ・カレー・メープル・バジルなどにアレンジしても美味しい。アレンジの仕方も生地に具材を混ぜたり、焼く前にトッピングしたりするだけ。中には醤油味やきなこ味など、和風の味付けのグリッシーニに挑戦している人もいる。
3. 美味しいグリッシーニの作り方

グリッシーニは、家庭でも簡単に作ることができる。グリッシーニがあるだけで、自宅で作るイタリアンやフレンチが一気にグレードアップするため、ぜひ以下の手順を参考に作ってみよう。
- ボウルに塩・薄力粉・ドライイースト・ぬるま湯を入れる
- ある程度弾力が出るまでよく混ぜたり捏ねたりする
- 生地が完成したら約30〜35℃の温度で40分ほど発酵させる
- 発酵させたら、綴じ目を下に向けた状態で生地を伸ばす
※このときに好みでチーズを軽く散らすのもおすすめ - 生地を伸ばしたら細長くカットして一本ずつねじっていく
- 210℃のオーブンで16分ほど焼いたらグリッシーニの完成だ
4. グリッシーニの食べ方のマナーとは?

イタリアンやフレンチなどでグリッシーニを食べる際は、スティック菓子のようにポリポリとつまみながら食べないように気をつけよう。グリッシーニは細長いため、お菓子感覚でつまみたくなる人もいるかもしれない。しかし、パンであるため、一口サイズにちぎってから食べるのがマナーとなる。イタリアンやフレンチのコース料理を食べに行く機会がある人は、覚えておいて損はないだろう。
5. グリッシーニの美味しい食べ方3選

グリッシーニはそのまま食べることもできるが、ほかの食べ物と一緒に食べることを想定して薄味にしたグリッシーニも多い。そのため、何かと一緒に食べたほうがおすすめだ。以下に代表的なグリッシーニの食べ方を紹介するので、プレーンのグリッシーニを食べるときには参考にしよう。
食べ方1.生ハムと一緒に食べる
グリッシーニはさまざまな料理と一緒に食べることができるが、最もポピュラーな食べ方は生ハム(プロシュット)と一緒に食べる方法である。生ハムをグリッシーニに巻きつけて食べることにより、生ハムの塩味とグリッシーニの歯ごたえを楽しむことができる。
食べ方2.ディップソースにつける
グリッシーニをアボカドソース・クリームチーズソース・ミートソースなどにディップしながら食べるのもおすすめだ。また、いくつかソースを用意して楽しむのもよい。作るのが大変なら市販のソースを使うというのもありだ。お酒のおつまみにも最適なので、ぜひディップする方法も覚えておこう。
食べ方3.サラダに混ぜて食べる
グリッシーニを一口サイズに割いてグリーンサラダなどに混ぜれば、クルトン入りのサラダのようにサクサクとした食感を楽しめる。また、グリッシーニが加わることにより、食べごたえのあるサラダにもなる。グリッシーニが余ってしまったら、こうしてサラダのトッピングに使うとよいだろう。
結論
グリッシーニはイタリアやフランスをはじめ、さまざまな国で食べられている。日本では目にする機会が少ないが、素材さえあれば家庭で作ることも可能だ。アレンジしやすかったり、他の料理との相性がよかったりするので、気になる人はぜひグリッシーニを作ってみよう。
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