1. ナンとは?

ナンとは、主に西アジアや南アジアなどで食べられている釜焼きパンのことだ。地域によって使う食材は異なるが、主に小麦粉・塩・水・酵母で作られることが多い。「外はパリッ、中はモチッ」とした食感と小麦粉の優しい甘みが特徴的で、日本では特にインドカレーと一緒に食べることが多くなっている。なお、インドではナンは高級料理の一つで、「一般的な家庭料理ではない」とされている。
2. 基本的なナンの作り方

ナンに必要な食材は、強力粉・薄力粉・砂糖・塩・ベーキングパウダー・ドライイースト・無塩バター・水の八種類である。これらの食材は、一般的なスーパーでも手に入れることができる。食材を手に入れたら、以下のような手順で作るようにしよう。
- ボウルに無塩バターと水以外の材料を入れて混ぜる
- よく混ぜ合わせら、水を加えて生地を捏ねる
- ある程度粘り気が出てきたら、バターを加えて捏ねる
※耳たぶくらいの硬さになるまでしっかりと捏ねる - ボウルに丸めた生地を入れて、ラップをして30分~1時間寝かせる
- 打ち粉をしてから麺棒で5mm程度の厚さになるよう平たく伸ばす
- 250℃くらいに予熱しておいたオーブンで5分程度焼く
※フライパンを使う場合は油を引かずに両面こんがりと焼く - 焼きあがったら、お好みで溶かしたバターを塗れば完成
時短してナンを作る方法
ナンはほかのパンとは異なり、生地を寝かせる時間を省くことも可能だ。そのため、できる限り早く作りたいなら、生地を寝かせる時間を省略しよう。なお、寝かせる時間を短くするなら、ベーキングパウダーの量を多めに入れるようにしよう。ベーキングパウダーを増やすと生地がふわふわとした食感になりやすいため、寝かせる時間が短くてもナンを美味しく仕上げることができる。
3. ナンを美味しく作る2つのポイント

基本的なナンの作り方は上記のとおりだが、より美味しく作るなら小麦粉などの食材にこだわるのがおすすめだ。以下に紹介しているナン作りのポイントを意識してみるとよいだろう。
ポイント1.強力粉をメインに使う
もちもちした美味しい食感のナンを作りたいなら、強力粉2に対して薄力粉1の割合にするのがおすすめ。強力粉と薄力粉の主な違いはグルテン量(たんぱく質量)であり、グルテン量が多い強力粉をメインに使うことでふっくらと仕上がりやすい。また、同じ強力粉の中でも商品によってグルテン量は11~13%程度と異なるので、できれば13%程度のものを選ぶようにしよう。
ポイント2.ヨーグルトを入れる
本場インドでは、生地の発酵を促すために生地にヨーグルトを混ぜることが多い。ヨーグルトを混ぜることにより、生地がふわふわとした食感になりやすく、コクや香りも加わるためより美味しく仕上がるという。また、時短してナンを作りたいときにも、ヨーグルトを入れるとよい。ヨーグルトとベーキングパウダーが反応して炭酸ガスが発生するため、生地が膨らみやすくなる。
4. ナンのアレンジ方法3種類

自宅でナンを作る際には、お好みの具材を加えてアレンジできることも魅力だ。ナンのアレンジ方法にはたくさんの種類があるが、ここでは特に人気があるアレンジ方法を3種類紹介する。
その1.ほうれん草のナン
ナンの生地にミキサーで攪拌したほうれん草を加えるのもおすすめだ。ほうれん草を加えることで見た目が色鮮やかな緑色なり、焼いたらほうれん草のいい香りがする。また、ほうれん草はビタミンK・葉酸・鉄分・カルシウムなども豊富なので(※1)、栄養バランスを整えることも可能だ。
その2.チーズのナン
ナンのアレンジ方法でも特に定番なのが、とろけるチーズを加える方法である。チーズを加えることでマイルドな口当たりになり、より美味しく感じられる。チーズを入れるタイミングはレシピによって異なるが、一般的には焼く前に生地の中に包みこんだり、生地にトッピングしたりすることが多い。
その3.ガーリックのナン
香ばしい味わいのナンを楽しみたいなら、刻んだニンニクを加えるのもおすすめだ。ニンニクを加えるタイミングは、一般的には生地を捏ねるときであることが多い。ニンニク特有の香りと味が加わることで、美味しくて食も進みやすくなる。クセになる一品なので、ぜひチャレンジしてみよう。
結論
本場のインドでは「タンドール窯」という独自の窯で生地を焼くのが一般的だ。しかし、タンドール窯を使わなくてもオーブンやフライパンなどで作ることができる。今回紹介したナンの作り方を覚えて、カレーをはじめ、インド料理・エスニック料理などを食べるときにも作ってみよう。
【参考文献】
- ※1:農畜産業振興機構「野菜ブック」
https://www.alic.go.jp/y-suishin/yajukyu01_000313.html
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