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【黒豆煮】の歴史は想像以上に古かった!愛される理由は栄養にある?

【黒豆煮】の歴史は想像以上に古かった!愛される理由は栄養にある?

投稿者:ライター 井澤佐知子(いざわさちこ)

監修者:管理栄養士 佐々木倫美(ささきともみ)

2020年5月29日

通称「黒豆」と呼ばれ、正月料理の定番としてなじみの深い黒豆煮。丹波の黒豆のつややかな黒色は、正月にふさわしい豪奢感がある。もはや日本全国で食べられている黒豆煮は、じつは京都の郷土料理に端を発している。その起源や食べ方について探ってみよう。

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1. 古来より伝わる五穀のひとつ黒豆を使用した黒豆煮

正月に何気なく口に入れる黒豆煮ではあるが、いったいいつ頃から日本人が食べていたのかを知っている人は少ないだろう。黒豆は、太古の昔から日本人が食べてきた穀物のひとつである。それでは、正月にそれを口にするようになったのはいつ頃からなのであろうか。

●10世紀の古文書に登場する黒豆

黒豆そのものは、五穀の記述がある古事記の時代から存在していたというのが通説になっている。黒豆が「烏豆」という名称で登場するのは、10世紀の『倭名類聚抄』である。また、16世紀には宮中に「黒豆」が献上されたという文献も確認されている。江戸時代には、丹波ささやまの黒豆が、将軍にも献上する風習があった。当時から、黒豆の生産地は土地が肥沃な丹波である。丹波黒大豆というブランドの歴史は、このように古い。

●近代の黒豆煮

黒豆を正月に食する習慣がいつ頃から始まったのかには諸説がある。一般的には、室町時代とされている。丹波の内陸部で栽培される黒豆は、収穫までに半年を要する。また、その栽培には経験や技術が必須であることから、「苦労豆」と呼ばれることもある。豆類の中では群を抜いて粒が大きく美味である黒豆は、日焼けしてマメに働くようにとの願いを込めて正月に食するのである。

2. 黒豆煮が愛され続ける理由はその栄養!

1,000年以上も日本の食文化の一端を担ってきた黒豆煮。かくも長く黒豆煮が愛されてきたのは、美味であること、美観、そして栄養価の高さが挙げられる。黒豆のカロリーや栄養を改めてみてみよう。

●黒豆煮のカロリー

黒豆煮を作るために必要なのは、黒豆と醤油、砂糖、塩である。健康的なイメージのある豆類であるが、黒豆煮は思いのほかカロリーが高い。100gあたりの黒豆煮のカロリーは、245kcal。正月とはいえ、一度に100gも黒豆煮を食べることはまれであろうが、食べ過ぎるとカロリーは高くつく。

●黒豆煮の栄養

黒豆療法などという言葉が生まれるほど、その効能の高さは定評がある。黒豆の特筆すべき効能は、アントシアニンとサポニンを含むことによる抗酸化作用であろう。そのほかにも、鉄分、ビタミンE、イソフラボン、大豆たんぱく質、食物繊維などの量が顕著である。

3. 黒豆煮と正月について

黒豆煮の材料となる黒豆は、いったいいつ頃収穫されるのであろうか。収穫期と正月の黒豆煮の関連とは?

●黒豆煮が正月に美味しい理由とは

黒豆は、栽培に手間がかかる品種である。8月に花が咲き、10月に実がなる。11月に収穫した黒豆はそのまま乾燥される。この過程で、楕円形が真円に近くなるのである。日光を浴びた黒豆はさらに甘さを増して、正月の黒豆煮として登場する。かつては、正月の黒豆煮は皺が寄っているのが普通であった。調理の技術が向上し、現在は艶々とした皺のない黒豆煮が主流となっている。

4. 黒豆煮を作るコツは?

材料は非常にシンプルながら、おせち料理として見栄えのする艶々の黒豆煮を作るのは簡単ではないといわれている。黒豆煮を美味しくきれいに作るには、どんなコツが必要なのであろうか。

●弱火で気長に煮るのがコツ

黒豆煮は、くぎを入れてより黒々と煮込むことでよく知られている。もちろん、くぎがなくても問題なく美味しい黒豆煮はできあがる。コツとしては、煮る前の黒豆は力を入れずに洗うこと、煮る前に数時間は水に浸けて戻すこと、弱火で気長に煮ることくらいであろう。煮ている間に水分が蒸発して黒豆が空気に触れると、皺が寄ってしまう。そのため、差し水が必須である。

5. 黒豆の食べ方いろいろ

正月には欠かせない黒豆煮であるが、その美味しさはさまざまにアレンジができる。たとえば、蒸しパンに入れればおやつに最適である。黒豆煮の甘さを嘉して、さつまいもや栗と煮込んでも和食の甘みを堪能できるだろう。黒豆煮をつぶして、あんこ感覚で楽しむこともできる。
真っ黒な煮汁も活用可能である。黒豆煮の煮汁は豆乳と相性がよいため、ホットドリンクやプリンを作っても美味である。

結論

もはや日本全国津々浦々、正月に黒豆煮を欠くことはないだろう。元をたどれば、黒豆煮は京都の郷土料理である。苦労豆という別名をもつほど栽培が難しい黒豆は、丹波の代名詞でもある。1,000年の歴史をもつ黒豆は、正月といわず味わいたい豊かな美味をもつのである。
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