1. イギリスパンとは?

イギリスパンとは、イギリスの伝統的な山型食パンのこと。「ティン(Tin)」と呼ばれる専用の焼き型を使っていて、フタをせずに焼成するためパンの上部が山型に膨らむ。また、砂糖やバターなどをあまり使わないため、小麦本来の風味を楽しめるのが特徴である。厚めにスライスすると「モチモチ」とした食感を、薄めにスライスすると「カリカリ」とした食感を楽しむことができるという。
日本の食パンとの違いは?
イギリスパンと日本の食パンは似ている部分も多いが、材料や製法、見た目など異なる部分もいくつかある。一般的に日本の食パンは、イギリスパンよりも砂糖やバターの使用量が多く、甘みを感じるのが特徴となっている。また、フタをして焼成することが多いため、上部が角張った角型食パンが基本である。加えてフタをしているため水分が多く、より「モッチリ」とした食感を楽しめる。
2. イギリスパンのカロリー・糖質量

イギリスパンのカロリーや糖質量は、使う材料や量などによって異なる。しかし「日本食品標準成分表」によると(※1)、山形食パンの100gあたりのカロリーは246kcal程度、糖質量は46.1g程度であった。また、食パン1斤の重さは350~400g程度であるため、1斤あたりのカロリーは861~984kcal程度、糖質量は161~184g程度となる。カロリーや糖質量が気になるならこれらも参考にしてみよう。
3. イギリスパンの美味しい食べ方4選

イギリスパンは日本の食パンのように、トースターでこんがりと焼いてから食べるのが一般的だ。また、本場イギリスではバターやマーマレードを塗ったり、サンドイッチに使ったりすることも多いという。ここでは、そんなイギリスパンの美味しい食べ方をいくつか紹介する。
その1.バタートースト
イギリスパンの最もポピュラーな食べ方の一つが、バタートーストである。トースターでカリカリに焼いたイギリスパンにバターを塗るのが定番の食べ方。また、厚めに切ったイギリスパンの中央に十字の切り込みを入れて、そこにバターを乗せてから焼くのもおすすめだ。
その2.マーマレードトースト
マーマレードなどのジャムを塗る食べ方も定番である。バタートーストと同じようにカリカリに焼いたイギリスパンにマーマレードを塗るだけで作れる。また、マーマレードだけでなくいちごやブルーベリーなどのジャムを塗ったり、アメリカで定番のピーナッツバターを塗ったりしても美味しい。
その3.ハニージンジャートースト
イギリスパンに生姜とハチミツを塗って食べるのもおすすめだ。まずはトースターでカリカリになるまでイギリスパンをトーストする。それからバターを塗り、おろし生姜とハチミツを合わせたものを塗れば完成だ。ハチミツの濃厚な甘みと、生姜の程よい辛味を楽しむことができる。(※乳幼児にはハチミツを絶対に与えないでください。)
その4.コーンマヨチーズトースト
イギリスパンを食事感覚で楽しみたいなら、コーン・マヨネーズ・チーズなどをトッピングするのもおすすめだ。コーンマヨチーズトーストは、スライスしたイギリスパンにコーン・マヨネーズ・溶けるチーズを乗せて、トースターで焼くだけで作れる。出来上がりにパセリをトッピングしてもよい。
4. イギリスのそのほかのパン

イギリス(スコットランド)を代表するパンには、イギリスパンのほかにもスコーンやバノック、イングリッシュマフィン、バタリーズ、クランペットなどさまざまなものがある。そこでイギリスパンと合わせて、イギリスでよく食べられているパンについてもいくつか紹介しておこう。
その1.スコーン
スコーンは、イギリス北部にあるスコットランドで食べられているパンのこと。ベーキングパウダーで膨らませたビスケット感覚のパンであり、サクサクとした上品な食感を楽しめる。本場ではアフタヌーンティーのときに紅茶と一緒に食べるのが定番で、クロテッドクリームやジャムなどを塗って食べるのが一般的だ。世界中で食べられており、日本でも非常にメジャーなパンの一種となっている。
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その2.イングリッシュマフィン
イングリッシュマフィンは、直径10cm程度の円盤状の形をしたイギリスの伝統的なパンのこと。しっとりとした食感のパンであり、上下にカットしてから間にバターや具材などを挟んで食べるのが一般的である。なお、イングリッシュマフィンはイギリス発祥のパンではあるが、アメリカのほうがポピュラーだそうだ。日本でも喫茶店やレストラなどの朝食・軽食メニューとして提供されている。
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5. イギリスパンに関するよくある質問

ここまで、イギリスパンの基本や作り方などについて解説してきた。しかしまだ「イギリスパンはいつ頃誕生したのか」や「イギリスパンの名前の由来とは何か」などが気になる人もいるだろう。そこで最後に、イギリスパンに関するよくある質問・疑問に回答する。
Q1.イギリスパンの歴史とは?
イギリスパンの発祥には諸説あるが、イギリスパンはもともと小ぶりなパンだったという。それが15世紀~16世紀の頃に、航海のときに持ち運びしやすく、船乗り同士で分け与えやすいように大型に改良されたそうだ。また、新大陸で労働人口が増えたがパン屋が不足していたため、大きなパンを作るようになったともいわれている。ただし、時代の流れとともに、角型食パンが主流になっていく。
Q2.イギリスパンの由来とは?
諸説あるが、一般的に「イギリスパン」は日本人が付けた名称とされている。ヨーロッパやアメリカでは「ホワイトブレッド」や「ローフブレッド」のほうが多い。日本に伝わったのは1800年代中頃~後期とされているが、日本人に広まったのは第二次世界大戦後といわれている。第二次世界大戦後には、小麦の輸入が始まったことや角型食パンが誕生したことが普及の要因と考えられている。
結論
イギリスパンとは、イギリスで誕生した山型食パンのことである。欧米ではホワイトブレッドやローフブレッドなどと呼ばれているが、日本に伝わったときに「イギリスパン」と呼ばれるようになったようだ。そんなイギリスパンではふんわりとした柔らかな食感や小麦の風味を楽しむことができる。もし興味があったらオンラインショップなどでイギリスパンを探してみるとよいだろう。
(参考文献)
- ※:パン食普及協議会「イギリスのパン」
https://www.panstory.jp/world/world-britain.html - ※1:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/
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