1. 玉こんにゃくの特徴、歴史や由来

玉こんにゃくは、3cmほどの球状をしたこんにゃくである。板こんにゃくや糸こんにゃくのように全国に普及している食品ではなく山形県の郷土料理として知られ、観光地などで販売されることも多い。
「山寺」と玉こんにゃくの関係
山形には平安時代に創設された宝珠山立石寺(通称山寺)という寺がある。この寺を開山した慈覚大師がこんにゃくを精進料理として使い始めたことでこんにゃくが広まったといわれている。また、玉こんにゃくの発祥は「千歳山こんにゃく」という専門店だといわれているが、現在も山寺周辺の飲食店などでは玉こんにゃくが販売されている。とくに、寺の本堂までの1,015段の階段を上る前に玉こんにゃくを食べる慣習は観光客からも人気を集めている。
2. 玉こんにゃくの主な使用食材、カロリー

こんにゃくは、こんにゃく芋というサトイモ科の植物の球茎から作られている。こんにゃく芋は成長するのに2~3年要するため、生芋からこんにゃくを作るのはコストの面でも困難なうえ季節も限定されてしまう。そこで、現在はこんにゃく芋を乾燥させ粉末状にしてから加工する製法が主流になった。こんにゃく芋の産地ではない山形でも、粉末状のこんにゃく芋を用いることで玉こんにゃくを一年中販売することができるのである。
玉こんにゃくは低カロリー
こんにゃくはカロリーが低いことで知られているが、100gあたり7kcalという驚きの低さだ。玉こんにゃくのカロリーも一般的なこんにゃくと同等である。また、山寺周辺をはじめ山形県の観光地で販売されている玉こんにゃくの煮付けは、100gあたり17kcalと若干あがるものの、やはり低カロリーである。
3. 玉こんにゃくに含まれる栄養

低カロリーな玉こんにゃくには、100gあたりに含まれる脂質量がわずか0.1gである。そしてたんぱく質も0.1g、炭水化物は3.3g。三大栄養素はほとんど含まれていないことになる。また、ビタミンやミネラル類も含まれるものの微量である。
玉こんにゃくは糖質ゼロ
玉こんにゃく100gに含まれる炭水化物3.3g中、食物繊維も3.3g。炭水化物から食物繊維を差し引いたものが糖質ということになるため、こんにゃくには糖質が含まれていないことになる。煮付けなどで調味すれば糖質がプラスされるものの、食品としては脂質も糖質もオフできる栄養管理食といえるだろう。
4. 味付け玉こんにゃくの作り方

山形の観光地などで販売されているような味付きの玉こんにゃくは、材料さえ入手できれば自宅で作れる。材料は玉こんにゃくとしょうゆが基本。しょうゆの代わりに専用のタレを使ったりスルメイカを加えて風味付けしたりすることもある。
玉こんにゃくを「から炒り」する
玉こんにゃくを煮る前に、水分をしっかりときってから鍋でから炒りしよう。油はひかず、余分な水分が飛ぶまで玉こんにゃくを鍋の中で炒る。から炒りすることで、味がしみやすく薄まりにくくなり食感がよくなるというメリットがある。
水は使わない
しょうゆで味付けする場合もタレを使う場合も、水は一切加えず原液のまま煮るのが玉こんにゃくの味付けのポイントだ。スルメイカを加える場合は割いてからしょうゆとともに投入する。表面は濃く色づくが中は白いままで、余熱で味がしみ丁度よくなる。
5. アレンジされた玉こんにゃく

味付け前の一般的な玉こんにゃくは白っぽい色をしているが、あらかじめアレンジされた玉こんにゃくも販売されている。カラフルな三色玉こんにゃくなるものも有名だ。天然色素で着色されていたり、かぼちゃやほうれん草などの食材を練り込んで作られていたりと製法もさまざま。彩り豊かな玉こんにゃくは、弁当のおかずなどにも重宝しそうだ。
結論
一口サイズの玉こんにゃくはおやつとしても楽しめそうだ。自宅でも市販の玉こんにゃくをから炒りしてしょうゆで煮れば山形の味を再現できる。そのまま器に盛ってもよいが、串刺しにすれば雰囲気が出ておすすめだ。低カロリーで作り方も簡単な玉こんにゃくを自宅でも楽しもう。
(写真出展)
農林水産省 うちの郷土料理 玉こんにゃく
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/tamakonnyaku_yamagata.html
農林水産省 うちの郷土料理 玉こんにゃく
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/tamakonnyaku_yamagata.html
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