1. ふろふき大根の特徴、歴史や由来

ふろふき大根は、漢字では「風呂吹き大根」と書く。暑い蒸し風呂で身体に息を吹きかけるさまが、熱い大根をふうふうといいながら食べる様子に似ていることがネーミングの由来といわれている。
■熱々の大根に甘辛い味噌ダレ
ふろふき大根は、厚めの輪切りにした大根を出汁で煮たものに、甘めの味付けをした赤味噌ダレをかけて食べる料理である。一年中食卓に出るが、とくに冬によく食べられている。
■愛知県の名産品を生かした料理
温暖な気候と大きな河川に恵まれた愛知県では、昔から農業が盛んだった。とくに木曽川により生み出された扇状地では大根が多く生産されてきている。そのため、愛知県では大根料理がよく食べられており、その結果ふろふき大根も誕生した。また、ふろふき大根にかけられている味噌ダレの味噌も、愛知県名産品の赤味噌である。このように地元産の食材の美味しさを生かすべく、ふろふき大根は誕生したのだ。
2. ふろふき大根の主な使用食材、カロリー

ふろふき大根のメイン食材は大根のみで、ほかは味噌をはじめとした調味料と出汁だけで作ることができる。使用食材とカロリーを見ていこう。
■大根は一般的なものだが、赤味噌は必須
愛知県では宮重大根、方領大根、守口大根の3種類が伝統野菜として認定されている。このなかでは方領大根が煮物によく使用されているが、全国のスーパーや八百屋に並ぶ一般的な大根でも十分である。一方、本場のふろふき大根を作るなら、味噌は必ず赤味噌を使いたい。赤味噌特有の濃厚な風味が淡白な大根を絶品にする。
■1人前132kcalと低カロリー
ふろふき大根は低カロリーなイメージをもたれやすい。実際に1人前(356g)あたり132kcalとカロリーが低い。副菜として食べる際にはもっと少量なことが多いため、100kcalをきる程度に留まるだろう。ただし、低カロリーではあるものの糖質量は1人前あたり約21gとなっているため、糖質制限中の人は食べ過ぎに気を付けよう。
3. ふろふき大根に含まれる栄養

糖質が比較的多めなふろふき大根は、三大栄養素のなかで炭水化物が最も多く1人前あたり24.71gとなっている。たんぱく質は3.24g、脂質は1.17gと微量しか含まれておらず、重量の大部分が水分でできている料理なのだ。ビタミンやミネラルも微量だが、比較的多いのはビタミンK、ナトリウム、モリブデンである。
■栄養はほかの料理で補おう
大根には酵素が豊富に含まれているが、効能が期待できるのは生で食べた場合。ふろふき大根のように加熱調理すると消失してしまう。献立のなかではあくまでも副菜としての位置付けであり、栄養を摂るための料理ではない。ほかの料理を組み合わせて栄養バランスを整える必要がある。
4. ふろふき大根を作るコツ

ふろふき大根は簡単ではあるが、調理に時間がかかるため一度にまとめて作ることをおすすめする。大根を煮て甘味噌ダレをつけるだけで完成だが、ちょっとした作り方のコツをおさえておきたい。
■美味しく作るコツは面取りと下茹でにあり
3cmほどの輪切りにした大根は、円周に沿って面取りすることで煮崩れしにくくなり、味もしみ込みやすい。その後、米のとぎ汁とともに鍋に入れ下茹でしてから出汁昆布を入れた水でじっくりと煮込む。下茹でをすることで、大根の苦みやえぐみがなくなり味もしみ込みやすくなる。
5. ふろふき大根はアレンジできる?

赤味噌・砂糖・しょうが汁を練り合わせたタレをつけるのが本場のふろふき大根だが、家庭料理としてアレンジされたものも多い。とくに、ひき肉を使った肉味噌をかけたふろふき大根は定番ともいえるほど人気である。ほかにも、オイスターソースを使った中華の味付けや、出汁ではなくコンソメスープで煮るふろふき大根などアレンジは無限だ。
結論
大根の面取りや下茹でなどの下ごしらえをして、長時間かけてじっくり煮るふろふき大根は、簡単なようで愛情のこもった料理なのではないだろうか。カロリーや作り方のコツをおさえたら、ぜひ自宅でも挑戦してみてほしい。
(写真出展)
農林水産省 うちの郷土料理 ふろふき大根 愛知県
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/furofukidaikon_aichi.html
農林水産省 うちの郷土料理 ふろふき大根 愛知県
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