1. いかめしの特徴、歴史や由来

いかの胴体に米を詰め込んで炊きあげたいかめしは、北海道の函館地方や渡島地方で親しまれている郷土料理である。甘辛い味付けといかの旨みが米にしみ込み絶品とのことで、全国的にも有名だ。
米不足の中で生まれた料理
いかめしが考案されたのは、第二次世界大戦中といわれている。戦時中の食糧統制により米不足が深刻だった一方で、道南地域ではいかが豊富に獲れていた。そこで、米を節約するためにといかの中に米を詰め込む料理が生み出されたのだ。
駅弁として人気を集める
いかめしは食べやすく腹持ちもよく、持ち運びにも便利なため弁当として重宝された。有名なのが、函館本線森駅の駅弁である。森駅の駅弁がいかめしの発祥という説もあるほど、いかめしといえば駅弁がイメージされるほど定着している。森駅のいかめし弁当はロングセラーを誇り、現在も全国の駅弁の中でもトップクラスの人気ぶりだ。
2. いかめしの主な使用食材、カロリー、栄養

いかめしは、主にいかと米から作られている。いかはするめいかなどが、米はもち米が使われることが多い。
カロリー
いかめしのカロリーは、100gあたり130kcalとなっている。小さめのいかめしなら1個が100gほどのものもあるが、一般的なサイズのものは1個あたり400kcal近くとなる。いずれにしても、特別高カロリーな料理ではないといえるだろう。
栄養
主な食材に米、また味付けには砂糖を使うため、いかめしの栄養素は炭水化物が最も多い。いかめし100gあたりに含まれる栄養素は、たんぱく質9.99g、脂質0.68g、炭水化物19.12gとなっている。また、ビタミン・ミネラル類ではビタミンB12とセレンが多く含まれる。
3. いかめしの食習の機会や時季

いかめしは季節関係なく一年中食べられている。駅弁やレトルトパックとして販売されているが、家でも簡単に作ることができる料理だ。
駅弁フェアや物産展の常連商品
いかめしは北海道の郷土料理として人気を集めており、全国の駅弁フェアや北海道物産展では必ず販売されるほどだ。レトルトパックのいかめしは通販やスーパーなどでも入手できる。
いかめしの役割はさまざま
購入もしくは手作りしたいかめしは、おかずやおやつ、酒の肴、弁当などさまざまな用途で楽しむことができる。食べやすく誰からも好まれやすい味のため、子どもにも大人にも広く親しまれている。
4. いかめしの作りのポイント

いかめしはゲソを外して内臓を取り出し洗ったいかの胴体にもち米を詰め、口を楊枝で留めてからしょうゆ・砂糖・酒などを加えた出汁で炊き込んで作る。
もち米は入れ過ぎない
いかめし作りでよくある失敗が、いかが破裂したりもち米が出てきてしまったりすること。これは、もち米の詰め過ぎが原因のため入れ過ぎないようにしよう。また、あらかじめいかの胴体に数ヶ所穴を開けておけば安心だ。
圧力鍋で作れば時短に
一般的な鍋でいかめしを作ると、1時間ほど煮込む必要がある。美味しいいかめしにするためにはいかが柔らかくなるまで煮込み、味もしみ込ませなければならないからだ。煮込むだけと簡単なのだが煮込み時間がネックのため、持っているなら圧力鍋を使うのがおすすめだ。短時間でも柔らかく仕上げることができる。
5. いかめしの基本とアレンジ

いかめしの食べ方は、サイズによって異なる。大きいものは2cmほどの輪切りに、100g程度の小さなものは切らずにそのまま器に盛るのが基本だ。紅しょうがを添えることも多い。弁当にする場合も同様にして弁当箱に詰めよう。
いかめしのアレンジ
いかめしはそのまま食べるのが最も美味しい。アレンジする場合は、作る段階で工夫してみよう。よく行われるのが、米とともに具材を詰めて炊き込みごはんのいかめしにするというもの。刻んだゲソやたけのこ、しいたけ、彩りがよくなるグリーンピースなど好みの具材を詰め込んでみよう。
結論
駅弁で有名ないかめしは、家庭料理としても楽しむことができる。全国的にも有名な郷土料理のため、北海道に行かなくても食べられる機会に恵まれているのは嬉しい。作り方もシンプルでさまざまなシーンで食べられるため、自宅でも気軽に楽しんでほしい。
(写真出展)
農林水産省 うちの郷土料理 いかめし
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/ikameshi_hokkaido.html
農林水産省 うちの郷土料理 いかめし
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/ikameshi_hokkaido.html
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