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【かぶらずし】は普通の寿司とちょっと違う!北陸の正月の顔を紹介!

【かぶらずし】は普通の寿司とちょっと違う!北陸の正月の顔を紹介!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 佐々木 倫美(ささきともみ)

鉛筆アイコン 2020年7月21日

お歳暮の贈答品としてもよく登場する「かぶらずし」。かぶらずしは、石川県の郷土料理である。全国的に知名度が高い郷土料理のひとつといえるかぶらずし、その名前から寿司を想起する人も多いだろう。実際には、日本古来のなれずしの流れをくむ料理なのである。発酵食品としても名高いかぶらずしについて、今回は紹介する。

  

1. 能登の寒ブリが美味の秘訣「かぶらずし」の歴史

お歳暮のカタログには必ず載っているかぶらずし。石川県の郷土料理であるかぶらずしは、たしかに原料に米は使用されているものの、その姿は握りずしとは様相を異にする。すしと名乗りながら通常の寿司とはどこが異なるのであろうか。かぶらずしと石川県の関連から探ってみよう。

能登の寒ブリ、米、塩を使用した発酵食品

かぶらずしは、なれずしの一種である。そもそも、われわれが現在口にする「にぎり寿司」が生まれたのは江戸時代であり、気の短い江戸っ子の性質に合わせて発酵させることなく作りあげたストリートフードであった。
日本古来のすしとは、発酵させたなれずしが一般的であったのである。かぶらずしは、この中でも最も有名な郷土料理のひとつといえるだろう。
かぶらずしは一見、カブと米麹のミルフィーユのように見える一品である。石川県のかぶらずしには、能登を代表する寒ブリが使用されているのが贅沢品とされる要因でだが、場所によっては、鮭や鯖も使用される。脂の乗った天然能登ブリは、かぶらずしの中でもブランドなのである。

かぶらずしの起源

かぶらずしの起源はよくわかっていない。漁師たちの豊漁祈願に欠かせない料理であったとか、加賀百万石の前田家の領主に献上されたのがきっかけなど、起源には諸説ある。いずれにしても、石川県では江戸時代にはかぶらずしが存在したとされている。

2. かぶらずしの栄養やカロリーは?

かぶらずしのカロリーは100gあたり120kcalとされている。カロリーはそれほど高くないため、おかずや酒の肴に向いている郷土料理といえるだろう。
また、かぶらずしについて特筆すべきは、発酵食品ゆえの乳酸菌の存在である。かぶらずし100gあたりに、乳酸菌が10億個あるといわれているのである。昨今話題の腸内環境を整える食品として、かぶらずしは理想的な食品なのである。発酵食品の中には宇宙が宿るとよくいわれるが、かぶらずしは正月に食べるめでたい郷土料理というだけではなく、日本古来の発酵食品の長所を伝える貴重な食材といえるだろう。
かぶらずしは贅沢な寒ブリを使用した正月の高級品として有名になっただけではない。近年は、とくに注目される発酵食品の雄として名を馳せている。

3. かぶらずしの食習

能登のブリは昔からその美味で有名であり、領主や将軍家にも献上されていた。また、取引先や知人にかぶらずしを贈る風習も古くからあったようである。かぶらずしは、現在は金沢市ではこれなしでは正月は始まらないといわれるほど郷土料理として浸透している。ぶりは寒さとともに脂が乗ることから、正月のごちそうとしては理に適っているのだろう。

4. かぶらずしの作り方

かぶらずしは、家庭や企業によって材料が異なる。一般的には、ブリ、米、糀をつくるための椛(かば)、かぶ、にんじんや柚子皮を用いる。もちろん、塩や熱湯も発酵のための必需品である。
かぶもブリも、塩で埋まるくらいに塩漬けにして1週間ほど置いたものを使用する。米糀は、椛とごはん、熱湯を合わせて一晩置いて作る。
これらの下準備ができたら、水気をきったかぶの間にブリを挟み、糀をふりかける。ニンジンや唐辛子、柚子の皮をちらして、重しをする。発酵期間は、7~10日ほどかかる。
発酵食品としては短期間でできあがるものの、非常に手間がかかる料理であることはまちがいない。そのため、現在は市販品を購入して食べる家庭が多いようである。

5. かぶらずしのアレンジ

下準備や発酵の手間を省いて、かぶらずしの模倣品を簡単に作ることができる。使用するのは、千枚漬けとブリの刺身、塩麴と柚子である。
水気をきった千枚漬けにブリの刺身を包み、塩麴を塗る。柚子の皮を散らせば、前菜としても活躍してくれる品のある料理となるのである。

結論

日本各地の郷土料理の中では、全国的にも知名度が高い一品かぶらずし。脂が乗った能登の寒ブリが主役で、年末年始に食べるのにふさわしい美味である。また、近頃話題の発酵食品のひとつとして、栄養学や美容の面からも熱い視線が注がれている。日本古来のなれずしの文化を守るために、われわれもかぶらずしに親しみたいものである。
(写真出展)
農林水産省 うちの郷土料理 かぶらずし
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/kaburazushi_ishikawa.html
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  • 更新日:

    2020年7月21日

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