1. ブリのさばき方

ブリを丸々1本手に入れることは、そうそうないことだが、基本のさばき方を覚えておいて損はない。というのも魚のさばき方は、大なり小なり、通ずるものがある。まずは水で表面をざっと洗い、鱗を落とすところからスタート。次に、エラの間に包丁を入れ、付け根を切り離す。次にそのまま腹部分に包丁を入れ、尾びれのところまで切り、内臓とエラを取り出す。流水で洗いながら取り出すといい。
基本の3枚おろし
次に頭を落とす。頭を左に置き、胸びれの右側に包丁を当て、まっすぐ切り下ろす。向きを逆に変え、腹部を尾びれから尾まで切り開く。背中側も中骨に沿って包丁を入れる。次に尾の付け根から、中骨の上を通るように包丁を入れ、上身を切り離す。同様に反対側も行うと3枚おろしになる。
皮引きと骨抜き
刺身にする場合は、皮を取り除く必要がある。切り身は腹骨と中骨、血合いを切り取り、いわゆるサクの状態にする。皮を下にして、尾側から皮と身の間に包丁を入れ、皮を引っ張りながら、包丁を滑らせ、皮を剥ぐ。ポイントは皮を優しく引っ張りながら行うこと。包丁を前に、前に進ませようとすると皮が切れてしまうことが多いので、注意しよう。包丁を当てる角度も水平になりすぎないよう注意。あとは切りそろえれば、刺身として食べることができる。
2. ブリの購入方法

鮮魚コーナーが充実しているスーパーやデパートの鮮魚売り場なら、丸々1本のブリを購入することができることも。可能な場合は、その場で用途に合わせて、下処理をしてもらうほうがいい。売り場の人はプロなので、どのような料理に使うか話せば、ふさわしい切り方にしてくれる。刺身で食べる場合は、言わなくても大抵の場合、皮は剥いでくれるはずだが、心配であれば一言いってみてもいい。
ブリの目利き
切り身のブリを購入する場合、注意したいポイントは身のハリ感と血合いの色。身はつやつやと光っていて、ハリのあるものを選ぶのが正解。また、血合い部分が美しい赤色のものも新鮮だ。時間が経つとこの部分は黒く変化していくので、黒っぽいものは避けたほうがいい。
ブリの保存
魚介類は、どうしても日持ちしない。購入してきたブリは、その日または翌日には食べきるのがベスト。食べきれないようであれば、調理をしてから保存、または下味をつけて冷凍するのがいいだろう。冷凍する場合は下味をつけた状態で、なるべく素早く冷凍するといい。
3. ブリの豆知識

魚に師と書くブリ
ブリの漢字は、魚へんに師と書く。これは、師走に旬を迎えることから、このような漢字になったといわれている。ちなみに寒ブリのように「寒」の字がついて販売される魚類は、一般的に師走から春先にかけて旬を迎えるものが多い。
有名な出世魚
ブリは、タイと並び、祝い事に用いられることが多い魚。その所以は、成長段階ごとに名前が変わる出世魚であるから。関東ではモジャコと呼ばれる稚魚から、体長35cmまでのものをワカシ、35-60cmのものをイナダ、60-80cmのものをワラサ、80cm以上のものをブリと呼ぶ。関西では、モジャコ、ツバス、ハマチ、メジロ、ブリと呼ぶのが基本である。
結論
ブリは、体長の大きな魚。家庭用の包丁では、なかなかさばくのが難しい。鮮魚店などでお願いするのが無難だろう。ただ、さばき方を知っておけばいざというときに役立つかもしれない。