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【女山大根】とは?赤くて甘くて大きい幻の大根の特徴を紹介!

【女山大根】とは?赤くて甘くて大きい幻の大根の特徴を紹介!

投稿者:ライター 佐々木このみ(ささきこのみ)

監修者:管理栄養士 藤江美輪子(ふじえみわこ)

鉛筆アイコン 2020年7月24日

女山大根(おんなやまだいこん)は、佐賀県佐久市でのみ作られている伝統野菜である。一般的な大根とは異なるさまざまな特徴をもち、幻の大根とも呼ばれてきた。女山大根とはどのような大根なのか、特徴や食べ方など徹底解説していく。

  

1. 女山大根とは?

女山の麓で作られてきた女山大根は、見ためや味など、ほかの大根とは異なる特徴をもっている。まず特筆すべきはその大きさだ。大きなものでは長さ80cm、胴回り60cm、重さは何と13kgにもなる。

■きれいな赤色が特徴

大きさに加え特徴的なのが色だ。女山大根は茎や表皮が赤い。これはポリフェノールの一種、アントシアニンによるものである。美しい色合いが魅力的だが、加熱すると色は落ちる。

■糖度が高い

女山大根は青首大根よりも糖度が1.5倍ほど高い。そのため大根特有のピリッとした辛みはほとんど感じられず、優しい甘みがある。

■肉質が硬め

繊維質がきめ細かいのも特徴で、肉質が硬い。そのため歯ごたえがよく、煮崩れしにくい大根である。

2. 女山大根の栽培や歴史

女山大根が栽培されている佐賀県多久市は、県のほぼ中央にあり盆地となっている。昼夜の寒暖差が大きいことから、女山大根のほかにもさまざまな野菜が栽培されている。

■女山大根の栽培時間は一般的な大根の2倍

女山大根の作付けは夏のはじめで、収穫は12~2月である。一般的な大根と比べると作付けから収穫まで2倍ほどの時間を要す。夏の暑さ、秋の寒暖差、冬の寒さを乗り越えながら長い時間をかけて育つ。じっくりと時間をかけて育てられることが糖度の高さにもつながっているといわれている。

■幻の大根?

女山大根の歴史は長く、江戸時代から作られてきたと伝えられている。佐賀藩主に献上するため「牛に大根4本を背負わせて殿様に献上した」という逸話も残されている。しかし、一時は生産者がおらず消滅しかけたことから幻の大根と呼ばれた。その後、約15年をかけて育種を繰り返し復興している。手間がかかり揃いも悪く大量生産が難しいため、現在も限られた地域でのみの栽培となっている。

3. 美味しい女山大根の食べ方

生の女山大根なら美しい赤色や甘みを生かした料理、加熱した女山大根ならホクホクとした食感を楽しむことができる。加熱すると赤色は失われてしまうが、しまりがよく煮崩れしにくいので煮物にも向いている。

■生の女山大根の美味しい食べ方

  • サラダ...輪切りや千切りにすれば、単品でもほかの生野菜と組み合わせても美味しく彩りのよいサラダになる。
  • なます...赤紫色が鮮やかななますになる。柚子の果汁を加えると発色がよりよくなる。
  • 大根おろし...女山大根の糖度の高さは、大根おろしにすると際立つ。さまざまな料理の付け合わせにしたい。

■女山大根の加熱調理した美味しい食べ方

  • おでん...一般的な大根よりも肉質が硬いため、ホクホクとしたおでんになる。
  • ポトフ...煮崩れしにくく大きめに切って煮るとより食べごたえが感じられる。
  • ふろふき大根...大根のシンプルで美味しい食べ方。
  • 田楽...煮崩れしにくいため作りやすく、みそとの相性もよい。

■女山大根の変わった食べ方

料理に使うのが一般的だが、甘みと美しい色を生かしてスイーツに加工されることもある。女山大根の葉の煮汁や大根おろしを使った赤紫色のゼリーやシャーベットなどがおすすめだ。多久市ふるさと情報館「幡船の里」でも女山大根アイスクリームが販売されている。

結論

伝統野菜にはその地域ならではの特徴がある。女山大根にも一般的な大根とは異なる特徴がいくつもあり、そのどれもが魅力的だ。生で食べても加熱しても、さらにはスイーツにしても美味しい大根というのはなかなかない。栽培に手間や時間がかかることもあり希少な野菜となっているが、ぜひ一度は味わってみたいものである。
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  • 更新日:

    2020年7月24日

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