1. ヴィーガンが牛乳を飲まない理由

そもそも、牛乳は牛肉のようにダイレクトに命をいただいているわけではない。それなのになぜヴィーガンが、牛肉だけではなく牛乳も飲まないのかを理解できない人もいるかもしれない。ヴィーガンが牛乳や乳製品を口にしない理由を理解していこう。
■牛の乳を人間が飲むという矛盾
我々が当然のように飲んでいる牛乳は本来、牛の赤ちゃんが飲むはずの物である。牛(乳牛)は人間と同様に、出産後に限り乳を出す。そのため人間が消費する分の牛乳を安定して供給ために、乳牛は何度も人工的に妊娠させられるのだ。乳牛は子育てのためではなく人間のために乳を絞られ続け、乳が出なくなれば食肉へと加工、もしくは殺処分される。多くのヴィーガンは動物愛護の精神をもっているため、この現実を容認できないだろう。牛乳を人間が飲むことの矛盾や残酷さに気付いたことをきっかけに、ヴィーガン生活を始める人もいるようだ。
■体質・健康の問題
牛乳を飲むとお腹を下しやすくなるという人がいる。これは乳糖不耐症という体質が原因であり、日本人にも多い。牛乳にはカルシウムが多く含まれる反面、吸収率が悪いなどといったデメリットもあり、それも理由に牛乳の摂取を避けているヴィーガンも多いようだ。ヴィーガン以外にも、牛乳アレルギーも含め健康上の理由で牛乳を飲まない人はいるのではないだろうか。
2. 牛乳の代わりにヴィーガンが飲むミルクとは?

牛乳を飲まないというポリシーをもつ人は、バターやチーズ、アイスクリームなどの乳製品も食べられないし、カフェラテやミルクティーも飲めない。しかしながら、ヴィーガンでも飲める植物性のミルクが存在する。どのようなものがあるのか見ていこう。
■豆乳
日本人にもなじみのある豆乳は、ヴィーガンに欠かせない食品のひとつ。牛乳のようにそのまま飲んだり、コーヒーに加えてソイラテにしたり、料理に使ったりすることができる。タンパク質が豊富に含まれているというメリットがあるものの、牛乳に比べてカルシウムが少ないのが難点。調整豆乳は糖分や添加物が多いため、無調整豆乳がおすすめだ。
■アーモンドミルク
水に浸して柔らかくしたアーモンドを粉砕して水を加えて濾したもの。ナッツ特有の風味があり、ビタミンやミネラルが豊富に含まれる。砂糖や添加物を加えたものが多い。
■ココナッツミルク
ココナッツ種子の内側にある固形胚乳を煮出して絞った液体。濃厚な味わいと独特の香りが特徴で、飲用のものには砂糖が加えられている。そのまま飲むより、ほかの飲みものと混ぜたり、料理やお菓子作りに使ったりすることが多い。
■穀物ミルク
- ライスミルク...甘酒のような味で、低カロリーで飲みやすい。希少品でやや高価。
- ヘンプミルク...ヘンプ(麻)からとれるミルク。スーパーフードのヘンプシードよりはクセが弱めで甘みもない。
3. 牛乳を使わないヴィーガン向け食品

最近では、牛乳ではなく植物性ミルクで作られた食品も販売されている。豆乳プリンや豆乳ヨーグルトは見かけたことのある人も多いのではないだろうか。ヴィーガンでも安心して食べられる食品が増えてきており、多用な人が食べる楽しみを保障される時代になってきた。
■ヴィーガンチーズ
豆乳やアーモンドミルク、ナッツなどで作られるチーズ。餅粉が使われたとろけるチーズもある。
■ヴィーガンアイスクリーム
豆乳やアーモンドミルク、ココナッツミルクなどで作られる。ヴィーガン用の食材を製造してから作り出す本格的なものもある。
結論
牛乳を飲まないというヴィーガンとしてのポリシーをもった生き方もあれば、牛乳アレルギーでやむなく牛乳が飲めない人もいる。牛乳を飲まない・飲めない人でも代わりのミルクを上手に取り入れればより豊かな食生活を送ることができるだろう。また、ヴィーガンの考え方を知ったうえで、牛乳を飲み続けることを選ぶ人がいてもいいのだ。それぞれが自分の信念に沿った幸せな食生活を送ることが大切なのである。
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