目次
1. 消費期限と賞味期限の違いとは?

豆腐の賞味期限を知る前に、まずは食品の期限表示について理解しておこう。食品の期限表示には「消費期限」や「賞味期限」の2種類があり、多くの食品にいずれかの表示がされている(※1、2)。
消費期限の賞味期限の意味
- 消費期限:安全に食べられる期限のこと(年月日で表示)
- 賞味期限:おいしく食べられる期限のこと(年月日または年月で表示)
消費期限と賞味期限の決まり方
消費期限と賞味期限のうち、どちらが使われるかは「食品の傷みやすさ」が関係している。たとえば、お弁当やお惣菜のような劣化が早いものには「消費期限」が使われ、カップ麺や缶詰などの保存がきくものには「賞味期限」が使われる。なお、この期限は「未開封」であることが条件となっている。
2. 豆腐の種類と賞味期限の関係性

市販の豆腐には、木綿豆腐・絹ごし豆腐・充填豆腐・寄せ豆腐などの種類がある(※3、4)。これらは製造方法が異なるのだが、この違いによって賞味期限も変わってくる。なお、豆腐の期限表示には消費期限と賞味期限のどちらも使われるが、ここではおいしく食べられる「賞味期限」について解説する。
豆腐の主な種類とその特徴
- 木綿豆腐:一度固めた豆乳を崩して、布を敷いた型箱に入れてから圧搾・成型したもの
- 絹ごし豆腐:型箱の中で豆乳を固めて、カットしたもの(崩しや圧搾などを行わない)
- 充填豆腐:専用の密閉容器に豆乳を入れてから固めたもの(カットや水さらしを行わない)
- 寄せ豆腐:全体を固めた豆乳から、一定量を袋や容器にすくったもの(水さらしを行わない)
賞味期限が長いのはどの豆腐?
このうち最も賞味期限が長いのは「充填豆腐」である。この理由は「密閉状態で作られること」と「加熱凝固して作られること」の2つが関係しており、豆腐の中に劣化の原因となる微生物が少ないからだ。実際の賞味期限は商品によって異なるが、中には半年以上の保存できるものもある(※5)。
3. 市販の豆腐の消費期限・賞味期限を紹介

豆腐は食品メーカーだけでなく、スーパーやコンビニなどのPB商品としても売られている。そんな一般的なスーパーやコンビニで手に入る豆腐の消費期限・賞味期限を確認しておこう。
木綿豆腐の消費期限・賞味期限
- 相模屋「しっかり木綿 3個パック」:15日間
- タイシ「箱入り娘 生もめん」:10日間(製造日含む)
- イオン「九州産大豆使用 もめんとうふ」:製造日より11日後
絹ごし豆腐の消費期限・賞味期限
- 相模屋「なめらか絹とうふ」:15日間
- タイシ「箱入り娘 生きぬ」:10日間(製造日含む)
- イオン「九州産大豆使用 きぬとうふ」:製造日より11日後
充填豆腐の消費期限・賞味期限
- 相模屋「まろやか絹 3個パック」:15日間
- イオン「トップバリュ コクのある絹とうふ」:製造日より15日後
- セブンイレブン「北海道産大豆濃い絹」:7日間
4. 賞味期限を過ぎた豆腐を破棄するかどうかの目安

前述のとおり賞味期限は「おいしく食べられる期限」のことであり、この期限を過ぎたからといって直ちに豆腐を破棄する必要はない。しかし、賞味期限だと「具体的にいつまで食べることができるのか」がわからず困ることも多い。そこで破棄すべきかどうかの目安・ポイントを紹介しておこう。
傷んだ豆腐のサイン・見極め方
- 見た目:変色している、黒っぽいカビが生えている
- パック:豆腐・水分の体積が増えて膨張している
- 表面:糸を引いたり粘り気があったりする
- におい:鼻をつくような酸っぱいにおいがする
- 味:豆腐とは異なる酸っぱい味、苦い味がする
賞味期限切れの豆腐は食べられる?
消費者庁の「加工食品の表示に関する共通Q&A」には、「賞味期限を過ぎた食べ物はすぐに捨てるのではなく、見た目や臭いなどを参考に五感で食べられるかどうかを判断するように」との記載がある(※7)。明確な基準はないため、上記のような基準を参考に自己責任で対応する必要がある。
5. 豆腐の賞味期限を延ばす2つの方法

充填豆腐はそのままでも長期保存が可能だが、賞味期限が短い木綿豆腐や絹ごし豆腐はどのように保存したらいいのだろうか。そこで豆腐の賞味期限を延ばすための方法を2つ紹介する。
方法1.保存容器に移して冷蔵保存する
豆腐をできる限り長持ちさせたいなら、保存容器に移し替えて冷蔵保存するのがおすすめだ。やり方は、豆腐を保存容器に移し替えてから、きれいな水をひたひたになるまで入れて冷蔵庫で保存するというもの。また、毎日水を入れ替えることで、微生物(細菌)の繁殖を抑えることもできる。毎日水を取り替えるため少し手間ではあるが、パックのまま保存するよりも長期保存が可能になる。
方法2.切ってから冷凍保存する
より長く豆腐を保存したいなら、カットした豆腐を冷凍する方法もおすすめだ。やり方は、豆腐を適当なサイズ(1/6程度)にカットして、きれいなステンレス製のトレイに並べる。それを冷凍庫で急速冷凍させてから、1個ずつ保存袋に入れて保存するだけだ。きちんと冷凍保存すれば1か月程度は保存が可能だ。なお、解凍後は水分が減るため、火を通すなど調理して使うとおいしく食べられる。
6. 豆腐の賞味期限に関連する質問・疑問に回答

ここまで豆腐の賞味期限について詳しく解説してきたが、ほかにも豆腐の賞味期限について知りたいこともあるだろう。そこでここでは豆腐の賞味期限に関連するよくある質問・疑問に回答する。
Q1.賞味期限が長い充填豆腐の特徴とは?
充填豆腐の最大の特徴は「隙間なく豆腐で満たされていること」だ。充填(じゅうてん)とはものを塞ぐという意味で、充填豆腐の場合はパックに隙間なく詰められているものをいう。市販されている充填豆腐のサイズはさまざまで、「150g×3パックのタイプ」や「300gタイプ」などが多い。もし見分けがつかない場合は、パッケージの名称が「充てん豆腐」などと書いてあるものを選ぶとよい。
Q2.賞味期限を1週間過ぎた豆腐は食べられる?
賞味期限は「おいしく食べられる期限」のことであるため、賞味期限を数日(1~2日程度)過ぎたからといって、直ちに豆腐が食べられない状態まで劣化する可能性は低い。しかし、賞味期限を1週間以上過ぎたものは劣化している可能性が高く、食べないほうが望ましいといえる。前述の「傷んだ豆腐のサイン・見極め方」を参考に、その豆腐が食べられるかどうかをよく判断しよう。
結論
市販されている豆腐には木綿豆腐・絹ごし豆腐・充填豆腐・寄せ豆腐などがあり、種類・製法によって賞味期限は大きく異なる。密閉状態で作る充填豆腐は賞味期限が長めだが、ほかの賞味期限は短めなので注意しよう。また、豆腐は冷蔵保存が基本だが、長期保存ができる冷凍保存もあるので覚えておくとよいだろう。
【参考文献】
- ※1:消費者庁「食品の期限表示」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/expiration_date/pdf/syokuhin375.pdf - ※2:農林水産省「消費期限と賞味期限」
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/featured/abc2.html - ※3:日本豆腐協会「種類と製法」
http://www.tofu-as.com/tofu/variety.html - ※4:全国豆腐連合会「豆腐の種類詳細」
http://www.zentoren.jp/knowledge/kind_1.html - ※5:森永乳業「「森永 絹ごしとうふ」 「お料理向き 森永とうふ」 2019年1月22日(火)より全国にて新発売」
https://www.morinagamilk.co.jp/release/newsentry-3065.html - ※6:消費者庁「加工食品の表示に関する共通Q&A」
https://www.maff.go.jp/j/jas/hyoji/pdf/qa_ka_2_h2304.pdf
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