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【ニシン漬け】の作り方や食べ方を紹介!北海道の留萌地方の郷土料理

【ニシン漬け】の作り方や食べ方を紹介!北海道の留萌地方の郷土料理

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)

鉛筆アイコン 2020年8月 5日

ニシン漬けは北海道の留萌(るもい)地方に伝わる郷土料理だ。明治時代にニシンが豊漁だったころ、春に干物の身欠きニシンにして保存し、秋に野菜と一緒に漬け込んで冬の食料としていたという。今回はニシン漬けの特徴や歴史・由来、作り方をレクチャーする。

  

1. ニシン漬けの特徴・歴史や由来

最初に北海道の留萌地方の郷土料理である、ニシン漬けの特徴・歴史や由来を紹介しよう。江戸時代の後期から明治時代にかけ、北海道のとくに日本海側で隆盛を極めていたニシン漁業。春にはニシンの大群が産卵のため沿岸に押し寄せ、海が真っ白に染まる群来(くき)が見られるほどだった。明治時代には漁獲量のピークを迎え、一時期は100万t近くの水揚げ量だった。しかし1955年以降群来は急激に減り、ニシンはほとんど獲れなくなった。
現在は厚岸湖(あっけしこ)の湖沼とその周辺で定着しているニシンをとることが多いが、漁獲量は全盛期と比較すると到底およばないという。ニシン漬けはニシン漁が隆盛を極めていたころから各家庭で作られていた郷土料理だ。昔は寒い冬を越すために食料を貯蔵するのが重要で、保存方法のひとつが漬物だった。冬になる前に干物にした身欠きニシンと野菜を漬け込んだものがニシン漬けとして定着したようだ。ニシンの漁獲量は減ったが、いまも北海道の冬の家庭料理として定着している。

2. ニシン漬け作りに必要な主な使用食材・栄養

次にニシン漬け作りに必要な主な使用食材と栄養について紹介しよう。ニシン漬け作りに必要な食材のひとつが、身欠きニシンだ。身欠きニシンに含まれる主な栄養素はタンパク質・脂質・カリウム・リン・ナトリウムなど。ほかにニシン漬け作りに必要な食材は、大根・にんじん・キャベツ・生姜・麹・塩・赤とうがらしだ。
それぞれの食材に含まれる栄養素をピックアップして紹介すると、大根の白い部分にはビタミンCや消化酵素のアミラーゼ、葉にはβ-カロテン・鉄・カルシウムが含まれている。にんじんに含まれている栄養素はβ-カロテン・ビタミンC・カリウムだ。キャベツにはビタミンC・ビタミンU・ビタミンK、生姜にはカリウム・鉄・カルシウムが含まれている。
ちなみにニシン漬けに使用する麹には、アミラーゼ・プロテアーゼ・リパーゼ・ペクチナーゼなど、多くの酵素が含まれている。酵素は食物の栄養を分解し、消化と吸収を助ける働きがあるため、美容健康面でも注目されているようだ。

3. ニシン漬けの食習の機会や時季

次にニシン漬けの食習の機会や時季を紹介しよう。春にとれたニシンは干物の身欠きニシンに加工して保存し、晩秋のころに大根やにんじんといった野菜と一緒に漬け込みニシン漬けにして冬に食べられていた。とくにニシンが豊漁だったころは、各家庭でよく作られていたようだ。
近年はニシン漬けを作る家庭は減っているが、スーパーで手軽に購入できるので、北海道の全域で食べられている。かつてニシン漁で栄えていた留萌地方は身欠き加工の技術に優れ、その技術はいまも受け継がれており、地元の八百屋でも身欠きニシンを使用した漬物が販売されている。
ちなみにニシン漬けを温かい場所に置いておくと味が変わりやすいため、昔は屋外で保存されていた。氷点下になる冬を迎えると野菜の水分が凍るため、シャリシャリとした食感が楽しめる。現在は冷蔵庫で保存する家庭が多いようだ。

4. ニシン漬けの作り方

次にニシン漬けの作り方を紹介しよう。まず大根は干したものを乱切りにし、キャベツはザク切り、にんじんと生姜は千切りにする。赤とうがらしは種を取り小口切りに。身欠きニシンは米のとぎ汁にひと晩浸してアクを抜き、うろこを取り水洗いして4~5cmの大きさに切る。麹はぬるま湯につけておく。容器に材料をすべて入れ、塩をふり混ぜ合わせる。あとは表面を平らにし、重石をして1ヶ月ほどおいて味がなじんだらニシン漬けの完成だ。
中には干さない大根を使用する人もいるが、3~7日ほど干したものを使うほうが、歯ざわりがよくおすすめである。身欠きニシンは少なくともひと晩、可能であれば3~4日かけ、毎日水を取り替えて戻すと、うろこが取りやすくなる。

5. ニシン漬けの食べ方

次にニシン漬けの食べ方を紹介しよう。身欠きニシンをキャベツ・大根・にんじんのような野菜と一緒に米麹と塩で漬け込むニシン漬け。農林水産省の公式サイトによると千切りにしたピーマンを加えてニシン漬けを作る家庭もあるという。
また米麹を使用し長期間漬け込むと発酵が進み、まろやかな味を楽しめるうえニシンの香りと風味が増す。さらにサッパリと味わいたいときは、好みでレモン汁をかけて食べても美味しい。

結論

北海道の留萌地方に伝わる郷土料理のニシン漬けについて紹介した。冬の食事の柱的な存在だったニシン漬け。スーパーで気軽に購入できるため、近年では自宅で作るところは少ないようだ。紹介したレシピや材料は一例なので、好みに合わせてアレンジしてもらいたい。
(写真出展)
農林水産省 うちの郷土料理 ニシン漬け
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/nishinzuke_hokkaido.html
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  • 更新日:

    2020年8月 5日

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