1. ヴィーガンがはちみつを食べない理由

肉や魚など、命をいただいていることが明確な食品を、ヴィーガンがポリシーをもって避けるのは理解できる。卵もまだわかりやすい。乳製品あたりから、なぜ?と疑問をもつ人が増えてくるのではないだろうか。ヴィーガンは、動物の命をいただくということだけでなく、労働や搾取などで動物が犠牲となることを避ける。だから、動物性食品はすべてNGなのだ。はちみつを食べない理由も同様の考え方による。もう少し詳しく見ていこう。
■動物である蜂により作られる食べ物だから
はちみつは花の蜜だと思われがちだが、蜂が労働することにより得られる食品である。蜂によって集められた花蜜は、巣の中で蜂の体内に貯められたあと吐き出される。体内に貯まった花蜜の成分が蜂の唾液や酵素によって分解され、はちみつになるのだ。つまり、はちみつは蜂がいないと作れない食品なのである。
■はちみつは本来、蜂の食べ物である
蜂がはちみつを作る目的は、自分たちの保存食や子どもの餌にするため。決して、人間のために働いているのではないのだ。しかし、人間がはちみつを食べることにより、蜂の食料が奪われている。しかも、はちみつ生産の効率化のため蜂の住環境が破壊され、蜂の羽が切り取られることも少なくないようだ。
2. ヴィーガンが食べられるはちみつの代用品

はちみつは蜂を犠牲にしたうえで人間本位に作られたものであることから、ヴィーガンが避けるのは当然だろう。では、はちみつの代わりとなる食品はあるのだろうか。ヴィーガンがよく食べているはちみつの代用品を紹介しよう。
■メープルシロップ
楓の樹液であるメープルシロップは、ヴィーガンだけでなく広く知られ親しまれている甘味料のひとつだ。パンケーキにかけられることが多い。天然の樹液であり余計な添加物が含まれていないことや、自然な甘さと美しい色合い、香ばしい風味が魅力である。
■アガベシロップ
メキシコや南アフリカ原産のアガベという植物の樹液で、メープルシロップと同様にヴィーガンに好まれる甘味料。はちみつや砂糖よりも甘みが強いが、クセがなく使いやすい。
■水あめ
日本人に親しまれている水あめは、でんぷんが原料。海外ではあまり食べられていないが、メープルシロップやアガベシロップに比べると安価で入手しやすい。
3. はちみつ以外にもある!ヴィーガンがNGなもの

はちみつのように、生産工程や原料を知ってようやくヴィーガンが避ける理由がわかるものはほかにもある。ヴィーガンを志し始めたばかりの人や身近にヴィーガンがいる人は、おさえておこう。
■白砂糖
白砂糖は、精製によってさらさらと白く仕上がっている。この精製の工程で使われるのが、動物の骨炭だ。製造工程で動物性のものが使われている食品も、ヴィーガンはNGなのである。
■ゼラチン
ゼリーやババロアに使われるゼラチンの原料は、動物(主に豚)の皮と骨だ。ヴィーガンにとって、ゼラチンの摂取は肉の摂取と同じことになってしまう。
■コスメ
動物実験を経て作られたコスメはNGである。毛皮や革製品をもたないのと同じように、ヴィーガンは食品だけでなくすべての製品に動物が関わっていないことを求めるのだ。
結論
はちみつは蜂のための食糧であると知ると、ヴィーガンでなくてもはちみつの扱い方が変わってきそうだ。これを機会に、普段何気なく食べたり使ったりしているものを、いま一度見つめ直してみてはどうだろうか。ヴィーガンへの理解を深めるとともに、命をいただくということや自分の食生活についても考えてみよう。
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