1. 世界のスープ・カンボジア編

カンボジアは、観光地としても人気の国。アンコールワットをはじめ、アンコールトムなど、世界遺産にもなっている巨大遺跡群だけでなく、ナイトマーケットやパブストリートも人気がある。タイとベトナムに挟まれるような形で東南アジアの中心に位置し、国土はおよそ日本の1/2。飛行機で7〜8時間の距離で、時差も2時間と短めだ。
世界のスープとカンボジア
世界にはさまざまな料理がある。なかでもスープはその国らしさを表すといっても過言ではない。日本の味噌汁、フランスの野菜スープやブイヤベース、中国のフカヒレスープなど、どの国に行っても愛されているスープがある。カンボジアはなかでもスープ愛の強い国。家庭料理にはスープが欠かせない存在で、多様なスープがラインナップ。サムローはスープ全般を指す言葉である。
カンボジア料理の特徴
カンボジア料理と聞いても何も思いつかない...そんな人も多いかもしれない。東南アジア料理は日本でもポピュラーになったが、カンボジア料理はどちらかといえばマイナーな存在。しかしカンボジアの料理はハーブがキツすぎず、辛味も控えめ。日本人に食べやすいともいわれている。
2. カンボジアのサムローマチュークルーン

サムローはスープ、マチューは酸っぱい、クルーンはレモングラスを中心にしたハーブ調味料を指す言葉。その名の通り、酸味のあるレモングラス風味のスープである。
クルーンと酸味
ポイントになるのはクルーン。レモングラスにタイのトムヤムクンでもよく知られるバイマックルー、ニンニク、生姜などを石臼ですりつぶしてペースト状にしたもので、これが味わいの決め手になる。酸味を演出するのは、マメ科の植物タマリンド。タイ料理やインド料理にも使われるもので、日本の梅干しのような味わいの果物のこと。ドライになったものをお湯に溶かして使う。
使われる具材
サムローマチュークルーンに使われるのは、牛肉と野菜。空芯菜はとくによく使われている。味付けの決め手になるのは、カンボジア料理には欠かすことができないプラホック。魚の塩漬けを発酵させた調味料で、独特の風味と奥行きある味わいを演出してくれる。そのほか、カンボジアの魚醤も使われている。
3. サムローマチュークルーンの美味しさ

サムローマチュークルーンは、シンプルな見ためとは裏腹に非常に複雑な味わい。レモングラスをはじめとするハーブのスパイシーな味わいとタマリンドの酸味が調和して、食べるだけで元気になるような気がする。ほんのり苦味を感じるところもカンボジア料理らしいポイント。これに牛肉の旨みが加わることで、より食べごたえのある一品に。骨付きの肉や豚肉を使って作ってもよいだろう。
そのほかのスープ
サムローマチュークルーン以外にも、魚とパイナップルを使ったサムローマチュートライなど、具材にはバリエーションがあるらしい。もし自宅でトライする場合、自分好みの魚や肉にアレンジしてみてもよいだろう。
結論
カンボジアではスープは、食事に欠かせない存在。世界のスープのなかでも非常にバリエーションの富んだ印象がある。今回お届けしたサムローマチュークルーンは、まさに夏に飲みたい味わい。見よう見まねで作るもよし、専門店を訪れるもよし!一度味わってみてほしい。
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