1. 美唄やきとりの特徴・歴史や由来
最初に紹介するのは、美唄市の郷土料理である美唄やきとりの特徴・歴史や由来についてだ。美唄市のある北海道の西部地域は石狩平野に属する低地帯で、道内でも有数の穀倉地帯として知られている。東部地域は夕張山地に続く山岳兵陵地帯で、かつては全国で有数の炭鉱の町として栄え多くの炭鉱労働者で賑わっていた。その当時に炭鉱労働者が好んで食べていたのが美唄やきとりといわれており、いまでも地元のソウルフードとして子どもから大人まで幅広い世代に好まれている。
美唄やきとりの発祥は1955年頃で、美唄市でやきとり屋台を営んでいた三船福太郎氏が考案したといわれている。当時やきとり店では精肉以外の内臓や皮は廃棄されていたが、三船福太郎氏はもったいないと思い内臓を使用したモツ串を売り出した。モツ串は炭鉱労働者をはじめ地元の人に人気を博し、それが美唄やきとりとして広まったという。
現在、美唄やきとりは鶏の頭・皮・内卵・内臓のようにさまざまな部位と玉ねぎを1本の串に刺したモツ串のことを指す。また、長ねぎではなく玉ねぎを使用するのも特徴のひとつ。玉ねぎを使う理由は、農業が盛んな美唄市周辺は玉ねぎの産地として知られており、長ねぎより比較的安価で質のよいものが手に入るからだ。
2. 美唄やきとりの主な使用食材・栄養
次に紹介するのは、美唄やきとりの主な使用食材・栄養だ。美唄やきとりに使用する食材は鶏肉と玉ねぎだ。鶏肉は良質なタンパク質を含んでいる。タンパク質が不足すると肌トラブルが増えたり筋肉の量が低下したり、骨折やケガをしやすくなるといわれている。ほかにも人の体内で作れない必須アミノ酸やビタミンA、コラーゲンも豊富に含まれている。
美唄やきとりに使用する鶏肉の部位の特徴を紹介すると、ももはジューシーで味にコクがある。栄養の宝庫といわれるレバーは、50g摂取すると成人が1日に必要なビタミンA・B2をまかなえるという。サックリとした食感の砂肝は、やや淡白で独特の香ばしさがある。
美唄やきとりに使用する食材の玉ねぎには硫化アリルの一種であるプロピルメチルジスルフィドが含まれており、コレステロールの代謝を正常化し、血栓予防という働きがあるため動脈硬化の予防になるといわれている。
3. 美唄やきとりの食習の機会や時季
次に美唄やきとりの食習の機会や時季について紹介しよう。明治の開拓時代には、それぞれの家庭で大切に育てた鶏を特別なハレの日に余すことなく食べるのが定番だった。美唄やきとりはいまでは専門店や居酒屋で提供されているが、冠婚葬祭やパーティーでも食べられており、店舗で大量に注文しテイクアウトする人も多くいる。ちなみに美唄市のみならず札幌市をはじめ、北海道内のほかの地域に専門店が出店するほど美唄やきとりは人気だ。
4. 美唄やきとりの作り方
次に美唄やきとりの作り方を紹介しよう。美唄やきとり作りに必要な食材は鶏皮・鶏もも肉・鶏レバー・砂肝・玉ねぎ・料理酒・サラダ油・塩・こしょうでOK。鶏皮は小さめのひと口大にカットする。串には鶏皮・玉ねぎ・鶏レバー・砂肝・玉ねぎ・鶏もも肉の順番で刺す。フライパンにサラダ油を熱して串を入れ、中火で裏表を返して火が通るまで焼く。
あとは料理酒を加え汁気がなくなったら塩こしょうをふれば美唄やきとりの完成だ。ちなみに美唄市では、やきとりを食べるときに10本単位と大量に注文するのが普通で、1人で10本や20本は当たり前だという。味付けがシンプルだからこそ数多く食べられるのかもしれない。
5. 美唄やきとりの食べ方
次に紹介するのは、美唄やきとりの食べ方だ。モツを使用して作る美唄やきとりの味付けは塩こしょうで、長ねぎではなく玉ねぎを使うのが特徴のひとつ。串本に皮を使用し最後に鶏もも肉を刺すのが一般的だ。
玉ねぎは焼くと甘みが増し、鶏モツとの相性がよく旨みを引き出してくれる。地元では食事の〆にかけそばを注文し、その中に美唄やきとりを入れて味わうのが美唄流らしい。
結論
美唄市の郷土料理である美唄やきとりについて紹介した。1串に鶏もも肉やレバー、砂肝など鶏肉の部位をムダなく刺し、すべて美味しく味わえるのが最大の特徴だ。さまざまな食感が楽しめるうえ、いろいろな旨みが広がる美唄やきとりを味わってみてはいかがだろうか。
(写真出展)
農林水産省 うちの郷土料理 美唄やきとり
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/bibaiyakitori_hokkaido.html
農林水産省 うちの郷土料理 美唄やきとり
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/bibaiyakitori_hokkaido.html
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