1. いわしを塩焼きする前の下準備は?

たかが塩焼き、されど塩焼きである。シンプルだからといって、いわしをぞんざいに扱って焼くだけではせっかくの食材が泣く。高級魚となりつつあるいわしは、塩焼きにする前にちょっとした下準備が必要である。内臓部分の処理についても含めて、詳しく見てみよう。
鱗は優しく取り除く
いわしは塩焼きにする前に、まず鱗を除去する必要がある。いわしの皮は薄いため、鱗落としなどの道具を使用すると、身まで傷付けてしまう可能性がある。そのため、大きめのボウルに水を張り、その中でマッサージをするように鱗を取る方法がベストである。
内臓の処理は?
魚の料理を厭う人の多くは、この内臓の処理を不得手であることが少なくない。じつは、魚好きの通たちは、この苦味のある内臓も喜んで食べる傾向がある。酒の肴には非常に向いているというわけだ。また、内臓を食さない場合も、調理後のほうがにおいも気にならないことから食べる前に除去する人も多い。さらに、内臓は除かずに焼いたほうが、脂分がにじみ出て美味しくなるという意見もある。このあたりは、個々の嗜好である。もちろん、塩焼きにする前に内臓を除去してもまったく問題ない。お腹の部分をきれいに水で洗い流したあとは、キッチンペーパーで水分を最後の一滴にいたるまでふき取るのが美味しく調理するコツにもなる。
2. いわしの塩焼きの方法はさまざま!

いわしの塩焼きは、塩のまぶし方も大事な要素である。また、調理法もひとつではない。いわしを塩焼きにするときのコツや料理方法を探ってみよう。
ふんだんに塩をまぶす
いわしには、焼く前に塩をまぶす必要がある。両面だけではなく、ヒレの部分、尾の部分に丁寧に化粧塩をまぶそう。内臓を除去しないで塩焼きにする場合は、お腹の部分にもよく塩をすり込んでおく。こうすると、皮が裂けにくくなるためである。塩は、少し多いかなと思うくらいまぶして問題ない。また、塩をまぶしたあとは30分ほど冷蔵庫に入れてなじませると焼きあがりが美味しくなる。
グリルを使用して塩焼きにする
魚の塩焼きといえば、魚焼きグリルを使用するのがもっとも簡単な料理法である。中火で両面を焼き、適度に焦げ目ができたら完成である。目の部分が透明になったら取り出すようにしよう。夏場のいわしは脂が乗っているため、グリルの受け皿は脂でべたべたになることが多い。専用のアルミホイルなどを敷いて、あらかじめ対処すれば後片付けが楽である。
フライパンでもできるいわしの塩焼き
グリルがなかったり汚れが気になる場合は、フライパンでも塩焼きはできる。薄くオイルを敷いて、いわしの片面を8分ほどずつ焼けばできあがる。
尾やヒレがパリッとするオーブンで作る塩焼き
真の魚好きが塩焼きを作る場合には、オーブンを活用することも多い。まんべんなく塩をまぶしたいわしを、オーブン用のトレイにのせて200℃で20分ほど加熱。皮やヒレの部分がパリッと仕上がり、ビジュアル的にも美しい塩焼きとなるのである。
3. いわしの塩焼きはどうやって食べる?

塩をよくまぶして調理するいわしの塩焼きは、ほどよい塩味がある。しかしそこは日本人、すだちやかぼすをかけて料理屋風に楽しむ方法がある。最も人気があるのは、大根おろしと醤油とともに食べる方法であろうか。また、ポン酢を活用しても酸味がよい味を出してくれる。あさつきや七味など、香りや辛みを好みで使用すればアクセントがついてさらに美味しくなるだろう。また、内臓の部分を食するときはよく火が通っていることを確認する必要がある。においや食味が気になって内臓が食べられない場合は、つみれにして汁物にすることも可能である。
結論
たかが塩焼きといっても、なかなか奥が深いことがお分かりいただけたと思う。シンプルな分、心配りが必要なのがいわしの塩焼きなのである。内臓の処理など面倒な点もあるものの、シンプルなだけに青魚の美味しさがしみじみと伝わる料理である。数をこなして、ぜひ夏の食卓にいわしの塩焼きを加えてみてほしい。
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