1. なぜオクラが黒くなるのか?

スーパーで野菜を買うときには色や形、触ったときの感触をチェックする必要がある。流通過程で傷んだり鮮度が落ちたりしている可能性があるからだ。いろいろあるチェック項目の中でも、色は分かりやすい判断材料だ。一緒に並んでいる野菜と比べて明らかに色が悪ければ購入するのを控えるだろう。では、オクラの場合はどのような色に変色するのだろうか。
オクラといえば鮮やかな緑色が特徴なのだが、一部が黒く変色することがある。野菜が黒いと傷んでいる、または菌が付着しているのではないかと疑ってしまうかもしれないが、オクラの変色の原因は必ずしもそうではない。なぜなら変色はオクラの性質によるものだからだ。オクラはアフリカが原産地だといわれており、温かい地域で生育する野菜だ。日本でも夏の野菜という印象が強い。温かい地域で生育するためオクラは寒さに弱く、低温下で低温障害を起こす。低温障害の現れ方は野菜によって異なり、オクラの場合は黒く変色する。もしスーパーに並んでいるオクラが黒くなっていたら流通過程で低温下にさらされたと考えてよいだろう。また、購入したオクラが黒く変色した場合も低温障害を疑うとよいだろう。ただし、低温下にさらしていないのに変色した場合は、オクラが傷み始めている可能性もあるため、注意が必要だ。
2. オクラは黒くても食べられる?

オクラが黒くなる原因は主に温度。低温下で流通または保存することによるものだが問題は黒くなったオクラが食べられるかどうかだ。結論からいってしまうと、一部の変色であれば食べることができる。黒く変色した部分周辺に傷がなければオクラが傷んでいる可能性は低いため、食べても害はない。とはいってもオクラの色が悪いと完成した料理もあまり美味しそうに仕上がらない。サラダや和え物などオクラの色を活かしたい場合は、黒く変色した部分を取り除くことをおすすめする。
少しの変色くらいであれば食べても問題はないが、オクラの中身も黒くなっていた場合は食べないようにしよう。通常、オクラの中身は空洞で白い種が入っている。表面だけでなく中身まで黒くなっている場合はオクラがかなり傷んでいる状況であるため、絶対に食べてはいけない。中身が黒くなっているかどうかは切らないと分からないので、表面が黒くなっているオクラは一度切ってから使うようにしよう。
3. オクラが黒くならない保存方法

オクラは低温下で保存すると黒く変色してしまう。しかし、だからといって冷蔵庫を使わずに常温保存すれば暑い時期では腐ってしまう可能性がある。ここで黒く変色しない保存方法を確認して、きれいな緑色をキープできるようにしよう。
オクラの保存には、冷蔵保存と冷凍保存の2通りある。まずオクラの冷蔵方法だが、野菜室に入れて保存しよう。野菜室の庫内温度は冷蔵室と比べて高いので、オクラが低温障害を起こす可能性も低く、黒く変色しにくくなる。また、黒く変色することを直接防げるわけではないが、鮮度を保つという点ではポリ袋に入れるとよいだろう。オクラは寒さだけでなく乾燥にも弱いのだが、ポリ袋に入れれば野菜室での乾燥を防ぐことができる。
次にオクラの冷凍方法だが、生のまま冷凍するか茹でてから冷凍するかによって下処理方法が異なる。生のままで冷凍する場合は、まずオクラに少し塩をまぶしてこすり、オクラの表面についている産毛を落とす。次にガクの部分を包丁で除き、密閉できる袋に入れれば下処理は完了だ。下処理が終わればそのまま冷凍庫に入れて構わない。茹でてから冷凍する場合は、生のままで冷凍するときと同様に産毛を落とし、ガクを取り除く。それから熱湯で15秒ほど茹で、粗熱をとってから密閉できる保存袋に入れる。茹で時間の15秒はあくまで目安だが、オクラは茹ですぎると色が悪くなってしまうため、短時間でサッと茹でるようにしよう。冷蔵よりも冷凍のほうが黒く変色する可能性は低いため、長期間保存したい場合は冷凍するのがおすすめだ。
結論
オクラが黒くなっていると傷んでいるのではないかと疑ってしまうが、これは低温下にさらされると黒くなるというオクラの性質によるものなので食べても問題はない。気になる場合は黒く変色した部分だけを取り除いて食べよう。ただし、中身まで黒くなっている場合は傷んでいるため、その場合は食べないようにしよう。
この記事もcheck!