1. オクラの下処理方法

オクラは下処理の必要がなさそうに見える。とくにオクラをまるごと使う煮浸しの場合は、オクラをそのまま調味料で煮ればできてしまうと思ってしまうかもしれない。しかし、オクラの下処理を行わないと食べたときの口触りに違和感を覚えるだろう。必ず下処理を行うようにしよう。下処理と聞くと面倒な作業を思い浮かべるかもしれないが、オクラの下処理は難しくなく、行う作業も2つだけだ。
1つ目の行う作業は板ずりだ。板ずりとは、まな板の上に塩をふりそのうえで野菜を転がす作業を指す。塩と野菜がこすれることで表面についているものを落とすことができる。キュウリのイボを取るときに行われることが多いのだが、オクラの場合は産毛を取るために行われる。まな板の上に塩をふってオクラを転がすのが本来のやり方だが、オクラ2~3本だけであれば1本ずつに塩をふって指でこすって産毛を除いても構わない。板ずりをするときは力を入れすぎてしまうことがあるため、オクラを潰さないよう力加減に注意しよう。
もう1つのやるべき作業はガクと呼ばれるヘタの周りの硬い部分を包丁で取り除くことだ。野菜の下処理を行う場合はヘタごと取り除くのが一般的だが、オクラをまるごと使う場合はヘタをそのままにしておくのが重要だ。オクラは中が空洞であるためヘタがないとそこから煮汁が入ってしまい、形が崩れる可能性があるからだ。しかしヘタの周りにあるガクと呼ばれる部分は硬いため食べたときに口に残ってしまう。そのため、ヘタを落とさないように注意しつつガクのみを取り除こう。
2. オクラの色をきれいにキープするコツ

オクラは鮮やかな緑色が特徴的だが、茹で方が悪いと緑色が損なわれ汚い色になってしまうことがある。とくに煮浸しは調味料が入った煮汁でオクラを煮るため、上手に煮ないと茶色っぽくなってしまいオクラのよさが損なわれてしまう。オクラの煮浸しでオクラの色をきれいにキープする方法は2通りある。
1つ目の方法は単純に煮る時間を短くするということだ。オクラは柔らかく火が通りやすいので加熱時間は短くてよい。そのため短時間の加熱でも十分に食べられる状態になる。そのためには先に調味料を煮立たせておいて、そこにオクラを入れて煮るようにしよう。煮汁を火にかける前にオクラを入れてしまうと煮汁が沸くまでずっとオクラを入れておくことになってしまうので、加熱時間が長くなってしまう。煮汁が煮立ってからオクラを入れ、再び煮汁が沸けば完成だ。
2つ目に紹介するのは下茹でするという方法だ。一般的な煮浸しは煮汁で食材を煮るが、オクラを下茹でしておいて煮汁に漬けて作る、つまり煮汁でオクラを煮ないのだ。下茹でをすればオクラに調味料が過剰にしみ込むことがないため、茶色っぽくなることがない。また、下茹でしたオクラをそのままにせず水で冷やせば、余熱でオクラの色が変わるのを防ぐことができる。煮汁で煮た場合と比べると味がしみ込むのは遅くなってしまうが、色をきれいに保つことができる。作り置きする際にはこの方法がおすすめだ。
3. オクラの煮浸しの味付け

煮浸しは和食でも定番の料理で口にする機会は多いだろう。しかし食べなじみのある料理だからこそ、しっくりくる味付けにするのが難しい。煮浸しを作る際に必要な調味料は出汁、醤油、みりん、塩といった家に常備されている調味料だけなので、特別な調味料はまったく必要ない。少ししょっぱめにしたい場合は醤油を、甘めにしたい場合はみりんを多く入れて調整しよう。味付けに慣れていないときや急いでいるときは、めんつゆや白出汁を使ってもよい。
めんつゆはその名の通り、うどんなどの麺類のつゆを作るときに使うものなのだが調味料としても優れている。めんつゆには出汁や醤油、みりんといった煮浸しの煮汁に使われる調味料が入っているため、煮浸しにそのまま使っても味付けにはまったく違和感がない。また、調味料の細かい計量が必要ないため時短にもなる。めんつゆは甘めの味付けであることが多いので、気になるようであれば少し醤油を足そう。
また、白出汁はめんつゆよりも色が薄いのだが、同じく出汁や薄口醤油、みりんが使われているため、煮浸しの味付けには最適だ。めんつゆと比べて色が薄いため、オクラの煮浸しを上品に仕上げたい場合は白出汁がおすすめだ。
結論
オクラの煮浸しを美味しくきれいに作るにはオクラの下処理や煮る時間に注意が必要だ。まず下処理だが、板ずりとガクの取り除きは必ずやろう。とくに板ずりはオクラの産毛を取るためには必要な作業で、口触りに大きな影響を与える。次に煮る時間だが、オクラの色をきれいにキープするには煮汁が煮立ってから入れ、短時間で済ませるようにしよう。味付けもめんつゆや白出汁を活用すれば簡単に済ませることができる。
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