1. 北海道の昆布の種類と特徴

日本で使われている昆布の約9割は、北海道産のものである。まずは、北海道産の昆布の種類や特徴を見てみよう。
真昆布
北海道産の昆布の中でもメジャーで、肉厚で幅広い立派な見ためが特徴だ。高級な昆布としても知られ、上質な甘みと旨みが楽しめる。
がごめ昆布
表面に特徴的な網目模様があり、粘りやとろみが強い昆布である。生産量が少ないため、あまり市場には出回らない。
羅臼昆布
黄色みを帯びた見ためと、強い香りが特徴の昆布だ。「だしの王様」と呼ばれるほどコクの強い濃厚なだしが取れるが、だしが濁ってしまうのも特徴のひとつである。
利尻昆布
固めの質感だが、透き通った美しいだしが取れる。香り高く高級感があるため、料亭や会席料理などに使われることも多い。
日高昆布(三石昆布)
黒っぽい濃い緑色をした昆布で、加熱するとすぐに柔らかくなるのが特徴だ。一般的には日高昆布と呼ばれているが、三石昆布と呼ばれることもある。
細目昆布(細布昆布)
細目昆布や細布昆布という名前の通り、細長い形状をした昆布である。切り口が白っぽいのも特徴で、肉厚で固い食感。粘りが強いが、口に入れたときに旨みや香りが消えやすい。
長昆布
北海道産の昆布の中でも生産量が多く、細長いのが特徴だ。多く生産されているため、加工品などによく使われている。
2. 用途による昆布の種類の選び方

さまざまな昆布の種類や特徴が分かったところで、次は用途別におすすめの昆布を見ていこう。
だし
だしに向いているのは、真昆布・羅臼昆布・利尻昆布などがいいだろう。湯豆腐など透明感のあるキレイなだしにしたいときは、澄んだ美味しいだしが取れる利尻昆布を使うのがおすすめだ。甘みのある真昆布は、鍋料理などのだしに使うとよい。羅臼昆布は濃厚なだしが取れるが、濁りが出てしまうため作る料理によっては適さない場合もある。しかし、味はコクがあってとても美味しいので、濁りの気にならない鍋物や煮物のだしに使うのがおすすめだ。
煮物
煮物に向いているのは、煮るとすぐに柔らかくなる日高昆布がおすすめだ。おでん用の昆布や、昆布巻きに使われることも多い。佃煮やだし用として使われる場合もあるが、だしに使うときは柔らかくなりすぎないように注意する必要がある。
佃煮
佃煮におすすめなのは、長昆布や細目昆布などである。長昆布は生産量が多く、比較的安価なので加工品にも適している。また粘りの強いがごめ昆布は、松前漬けに加工されることも多い。
3. 昆布の種類と価格

昆布は形のよさや厚み、長さなどで1~6等級に分けられている。1等級が最も良質で、価格も高い昆布になる。1~2等級のものはホテルや料亭などで使われることが多く、一般家庭向きではないだろう。等級が低いからといって質が悪いわけではなく、1~2等級に比べると厚みがなかったり短かったりする。家でだしを取ったり、煮物を作る場合には3~4等級以下の昆布でも十分美味しく仕上がるだろう。また、昆布には天然のものと養殖のものがある。天然もののほうが価格は高い傾向にあるが、養殖のほうが味や価格は安定しやすい。天然ものにこだわりがなければ、養殖の昆布を選ぶのがおすすめだ。天然ものの昆布は採取した年によってできが異なるため、その都度調理法や時間を変えなければならない場合もあるからだ。
結論
昆布にはさまざまな種類があり、料理によって使い分ける必要がある。同じ昆布でも、繊維質の量や厚みなどによって種類や価格が異なるのだ。だしから作った味噌汁や鍋料理は格別な美味しさなので、これまでだしをしっかり取ったことのない人も、ぜひこの機会にチャレンジしてみてはいかがだろうか。
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