1. サーモンはタンパク質豊富な食材!

日本で食べられている主なサーモンにはトラウトサーモン(にじます)とアトランティックサーモン(たいせいようさけ)がある。サーモンはタンパク質の多い食材といわれるが、実際はどのくらい含まれているのだろうか。可食部100g当たりの数値を見ていこう。
サーモンは約20%がタンパク質でできている
食品標準成分表(※1、2)によると、トラウトサーモン(にじます)は、タンパク質21.4g、脂質14.2g、炭水化物0.1g。アトランティックサーモン(たいせいようさけ)は、タンパク質20.1g、脂質16.5g、炭水化物0.1gとなっている。つまり、サーモンは重量の約20%がタンパク質でできているということになる。
サーモンは高タンパク低糖質な食材
サーモン100g当たりのタンパク質が20.1~21.4gであるのに対し、炭水化物はわずか0.1gとかなり少ない。炭水化物から食物繊維を差し引いたものが糖質量となるが、サーモンには食物繊維が含まれていないため、糖質量はそのまま0.1gとなる。サーモンの重量に対しわずか0.1%しか糖質が含まれていないということになるため、かなり低糖質な食材といえるだろう。
2. サーモンに含まれるタンパク質は筋トレに最適!

サーモンにはタンパク質が多く含まれているため、ボディービルダーなど日ごろから筋肉を鍛えている人々によく食べられている。良質なタンパク質を摂取することが筋力の維持に役立つといわれるからだ。
タンパク質は身体を作る主要な成分
タンパク質の働きの中でも、ほかの栄養素にはない重要な役割として挙げられるのが「体構成成分」と呼ばれるもの。タンパク質が筋肉や臓器、皮膚、毛髪などを作る成分であることを意味する。そのためタンパク質が不足すると体力や免疫力の低下、成長障害などを引き起こすとされる(※3)。
サーモンのようなタンパク質を多く含む食材を日ごろから十分に摂取することが、筋力を維持し体力を衰えさせないためには重要なのである。ボディービルダーに限らず、誰もがタンパク質不足にならないよう心掛けたいものである。ただし、タンパク質を摂取すればするほどよいというわけではない。日本ではタンパク質の摂取上限量は定められていないが、アメリカスポーツ医学会は、タンパク質摂取量の上限を体重1kgあたり2gとするガイドラインを出している(※4)。どんなものでもバランスよく摂取することが大切だ。
秋鮭がとくにおすすめ
サーモンにはタンパク質が多く含まれているが、脂質も多い。そこで減量中の人などは、脂質の少ない秋鮭を選ぶのがおすすめだ。秋鮭は日本の川で獲れる鮭で、産卵を終え脂肪分が少なくなったころ旬を迎える。
秋鮭(しろさけ)の可食部100g当たりに含まれるタンパク質は22.3gと多く、脂質が4.1g、炭水化物が0.1gとなっている。ほかのサーモンの脂質(14.2~16.5g)と比較しても、脂質が圧倒的に少ないことがわかる。秋鮭はサーモンとは別物だが、秋になるとスーパーにも切り身にされたものが並ぶため、チェックしてみよう。
3. サーモンのタンパク質や栄養素を効率よく摂取するなら刺身がおすすめ

タンパク質などの栄養素の摂取を目的としてサーモンを食べる場合、重要なのが食べ方である。せっかく栄養素が豊富に含まれていても調理法によっては減少させてしまうこともあるからだ。タンパク質だけでなくさまざまな栄養素を効率よく摂取するなら、刺身で食べるのがおすすめである。
DHAやEPAは加熱で減少
青魚に多く含まれることで知られる不飽和脂肪酸のDHAやEPAは、動脈硬化や血栓を予防し血圧を下げる働きや、LDLコレステロールを減らす働きをもつ(※5)。サーモンの脂にも含まれており積極的に摂取することが推奨されている成分だが、加熱することにより酸化減少してしまう(※5、6)。そのため、加熱せず生で食べるのが効率的なのだ。
生食はアニサキス症に注意
サーモンを刺身で食べることでタンパク質以外の栄養も効率的に摂取できるが、注意点がある。それは、サーモンには寄生虫の一種であるアニサキスが寄生するということ(※7)。アニサキスが付着したサーモンを食べると、腹痛や嘔吐、下痢などの激しい胃腸炎を引き起こす危険性があるのだ。生食する場合は、必ず「刺身用」「生食用」と明記されたものを選ぶことはもちろんだが、保存方法にも注意し、新鮮な状態のサーモンを食べよう。
結論
サーモンにはタンパク質が多く含まれる。しかし脂質も多いため、減量中の人は秋鮭を選ぶ、食べすぎないようにするなど気を付けながら食べよう。生食用のサーモンを選び刺身で食べるなど、栄養を効率的に摂る食べ方なども工夫するとよいだろう。
(参考文献)
※1出典:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」食品群名/食品名: 魚介類/(さけ・ます類)/にじますhttps://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10146_7
※2出典:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」食品群名/食品名: 魚介類/(さけ・ます類)/
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10144_7
※3出典:文部科学省「e-ヘルスネット[情報提供] 」たんぱく質
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-044.html
※4出典:公益社団法人日本フィットネス協会「フィットネスコラム たんぱく質を摂りすぎていませんか?」
https://www.jafanet.jp/hnblog/column/2015/08/post-28.html#:~:text=%E3%81%BE%E3%81%9F%E3%80%81ACSM%EF%BC%88%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84%E5%8C%BB%E5%AD%A6,%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
※5出典:文部科学省「e-ヘルスネット[情報提供] 」不飽和脂肪酸
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-031.html
※6出典:日本調理科学会誌 30巻 3号 301-305ページ 1997年「加熱調理による青魚の脂質の変化」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience1995/30/3/30_301/_pdf
※7出典:東京都福祉保健局「食品衛生の窓」~アニサキスによる食中毒~
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/anzen_info/anisakis/
※1出典:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」食品群名/食品名: 魚介類/(さけ・ます類)/にじますhttps://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10146_7
※2出典:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」食品群名/食品名: 魚介類/(さけ・ます類)/
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10144_7
※3出典:文部科学省「e-ヘルスネット[情報提供] 」たんぱく質
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-044.html
※4出典:公益社団法人日本フィットネス協会「フィットネスコラム たんぱく質を摂りすぎていませんか?」
https://www.jafanet.jp/hnblog/column/2015/08/post-28.html#:~:text=%E3%81%BE%E3%81%9F%E3%80%81ACSM%EF%BC%88%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84%E5%8C%BB%E5%AD%A6,%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
※5出典:文部科学省「e-ヘルスネット[情報提供] 」不飽和脂肪酸
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-031.html
※6出典:日本調理科学会誌 30巻 3号 301-305ページ 1997年「加熱調理による青魚の脂質の変化」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience1995/30/3/30_301/_pdf
※7出典:東京都福祉保健局「食品衛生の窓」~アニサキスによる食中毒~
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/anzen_info/anisakis/
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