目次
- ※1:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/ - ※2:漁業協同組合「サケ食ばなし」
http://www.jf-net.ne.jp/jf-net/syun/sakana/sake/sake_top.html - ※3:e-ヘルスネット「トップページ」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/ - ※4:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf - ※5:国立健康・栄養研究所「アスタキサンチン」
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail615lite.html
1. 鮭(サーモン)の基本をおさらい

鮭とは、サケ目サケ科の海水魚の総称である。鮭と呼ばれる魚には、銀鮭、紅鮭、ますのさけ(キングサーモン)などさまざまな種類があるが、日本で最も馴染みがあるのが「しろさけ(白鮭)」である。しろさけは「秋鮭/秋味」と呼ばれることもある秋を代表する魚。また、特に希少性が高いしろさけに、5~6月頃に獲れる「時知らず」や、成熟前の「鮭児(けいじ)」などがある(※2)。
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2. 鮭(サーモン)の基本的な栄養価

「日本食品標準成分表」には、しろさけ、銀鮭、紅鮭、ますのさけなど、さまざまな種類の鮭の栄養価が収録されている。また、生・焼き・水煮などの状態別の栄養価もある。ここでは、まず基本となる「しろさけ(生)」の100gあたりの栄養価を紹介する。
しろさけ(生)100gあたりの栄養価
・エネルギー:124kcal
・たんぱく質:22.3g
・脂質:4.1g
・炭水化物:0.1g
・脂肪酸
・飽和脂肪酸:0.8g
・一価不飽和脂肪酸:1.69g
・多価不飽和脂肪酸:1.01g
・ビタミン
・ビタミンA(レチノール):11μg
・ビタミンD:32.0μg
・ビタミンE:1.2mg
・ビタミンK:0μg
・ビタミンB1:0.15mg
・ビタミンB2:0.21mg
・ナイアシン:6.7mg
・ビタミンB6:0.64mg
・ビタミンB12:5.9μg
・葉酸:20μg
・パントテン酸:1.27mg
・ビオチン:9.0μg
・ビタミンC:1mg
・ミネラル
・ナトリウム:66mg
・カリウム:350mg
・カルシウム:14mg
・マグネシウム:28mg
・リン:240mg
・鉄:0.5mg
・亜鉛:0.5mg
・銅:0.07mg
・マンガン:0.01mg
・ヨウ素:5μg
・セレン:31μg
・クロム:1μg
・モリブデン:0μg
・食物繊維:0g
・たんぱく質:22.3g
・脂質:4.1g
・炭水化物:0.1g
・脂肪酸
・飽和脂肪酸:0.8g
・一価不飽和脂肪酸:1.69g
・多価不飽和脂肪酸:1.01g
・ビタミン
・ビタミンA(レチノール):11μg
・ビタミンD:32.0μg
・ビタミンE:1.2mg
・ビタミンK:0μg
・ビタミンB1:0.15mg
・ビタミンB2:0.21mg
・ナイアシン:6.7mg
・ビタミンB6:0.64mg
・ビタミンB12:5.9μg
・葉酸:20μg
・パントテン酸:1.27mg
・ビオチン:9.0μg
・ビタミンC:1mg
・ミネラル
・ナトリウム:66mg
・カリウム:350mg
・カルシウム:14mg
・マグネシウム:28mg
・リン:240mg
・鉄:0.5mg
・亜鉛:0.5mg
・銅:0.07mg
・マンガン:0.01mg
・ヨウ素:5μg
・セレン:31μg
・クロム:1μg
・モリブデン:0μg
・食物繊維:0g
3. 鮭に含まれている主な栄養素・成分

前述の一覧からもわかるように、鮭はたんぱく質・脂質・ビタミン類などの栄養素をバランスよく含んでいる。また、アスタキサンチンと呼ばれる抗酸化物質も含んでいる。ここでは、そんな鮭(しろさけ)が多く含んでいる特徴的な栄養素や成分について詳しく解説する。
その1.たんぱく質
鮭(しろさけ)は、たんぱく質を100gあたり22.3g含んでいる。たんぱく質には、筋肉や臓器などを構成したり、ホルモン・酵素・抗体を調整したりする働きがある。成人男性(18~64歳)の1日あたりのたんぱく質の推奨量は65gであり、しろさけ100gで1/3以上を補うことが可能だ(※3、4)。
その2.不飽和脂肪酸(DHA・EPA)
鮭(しろさけ)は、不飽和脂肪酸であるDHAを100gあたり460mg、EPAを100gあたり240mg含んでいる。不飽和脂肪酸は体内では合成できない必須脂肪酸であり、体内ではさまざまな健康作用に関わっているとという(※3)。また、しろさけはオリーブ油に多いオレイン酸も660mg含んでいる。
その3.ビタミン類
しろさけはビタミンKやビタミンCは少なめだが、ビタミンA・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンB群などを多く含んでいる。ビタミン類の働きは種類によって異なるが、いずれも人体の機能を正常に保つために必要となっている(※3)。ここでは特に多いビタミンDとビタミンB12を解説する。
【ビタミンD】
鮭(しろさけ)は、ビタミンDを100gあたり32.0μg含んでいる。ビタミンDは、カルシウムやリンと一緒に骨や歯の形成をサポートしている。成人男性(18~64歳)の1日あたりの目安量は8.5μgであり、しろさけ100gで十分補うことが可能だ。なお、耐容上限量は100μgとなっている(※4)。
【ビタミンB12】
鮭(しろさけ)は、ビタミンB12を100gあたり5.9μg含んでいる。ビタミンB12にはさまざまな働きがあり、主なものはたんぱく質や核酸の合成や、アミノ酸や脂肪酸の代謝などである。成人男性(18~64歳)の1日あたりの推奨量は2.4μgである。なお、摂り過ぎた分は吸収されない(※4)。
その4.アスタキサンチン
アスタキサンチンとは、主にエビやカニといった甲殻類が持つ赤色の天然色素(カロテノイド)のこと。また、鮭やイクラもこのアスタキサンチンを含んでいることで知られている。アスタキサンチンは体内では抗酸化物質として働き、体内の活性酸素の発生や働きを抑えたり、活性酸素を取り除いたりする作用があると考えらえれている(※3、※5)。
4. そのほかの鮭の魚の栄養価を比較

「日本食品標準成分表」には基本となるしろさけのほかにも、からふとます、銀鮭、紅鮭、ますのさけなどの栄養価も収録されている。そこでこれらの100gあたりの主な栄養価もまとめておく。
からふとます(生)100gあたりの栄養価
・カロリー:139kcal
・たんぱく質:21.7g
・脂質:6.6g
・炭水化物:0.1g
(・食物繊維:0g)
・たんぱく質:21.7g
・脂質:6.6g
・炭水化物:0.1g
(・食物繊維:0g)
ぎんざけ(生)100gあたりの栄養価
・カロリー:188kcal
・たんぱく質:19.6g
・脂質:12.8g
・炭水化物:0.3g
(・食物繊維:0g)
・たんぱく質:19.6g
・脂質:12.8g
・炭水化物:0.3g
(・食物繊維:0g)
さくらます(生)100gあたりの栄養価
・カロリー:146kcal
・たんぱく質:20.9g
・脂質:7.7g
・炭水化物:0.1g
(・食物繊維:0g)
・たんぱく質:20.9g
・脂質:7.7g
・炭水化物:0.1g
(・食物繊維:0g)
たいせいようさけ(生)100gあたりの栄養価
・カロリー:218kcal
・たんぱく質:20.1g
・脂質:16.5g
・炭水化物:0.1g
(・食物繊維:0g)
・たんぱく質:20.1g
・脂質:16.5g
・炭水化物:0.1g
(・食物繊維:0g)
にじます(生)100gあたりの栄養価
・カロリー:201kcal
・たんぱく質:21.4g
・脂質:14.2g
・炭水化物:0.1g
(・食物繊維:0g)
・たんぱく質:21.4g
・脂質:14.2g
・炭水化物:0.1g
(・食物繊維:0g)
べにざけ(生)100gあたりの栄養価
・カロリー:127kcal
・たんぱく質:22.5g
・脂質:4.5g
・炭水化物:0.1g
(・食物繊維:0g)
・たんぱく質:22.5g
・脂質:4.5g
・炭水化物:0.1g
(・食物繊維:0g)
5. 鮭の栄養面に関するよくある質問

ここまで、鮭の栄養価や栄養素について詳しく解説してきた。しかし、まだ「鮭の糖質量はどれくらいなのか」「どうしたら効率よく栄養素を摂れるか」などが気になる人もいるだろう。そこで最後に鮭の栄養面に関するよくある質問・疑問に回答する。
Q1.鮭の糖質量はどれくらいなの?
「日本食品標準成分表」には糖質量は掲載されていない。しかし、糖質量は炭水化物量から食物繊維量を引いたものであるため、鮭(しろさけ)の100gあたりの糖質量は0.1gと算出できる。そのため、糖質制限などを行っている場合にもおすすめの食材の一つといえる。なお、塩麹漬けや衣を使う揚げ物などにすると糖質量が増えてしまうので注意しよう。
Q2.鮭の栄養素を効率よく摂る調理方法は?
鮭に含まれるビタミンA・ビタミンE・ビタミンDは脂溶性の性質がある。そのため、ソテーやムニエル、竜田揚げなど、油と一緒に摂ると吸収がよくなる。一方、鮭に多いビタミンB群は水に溶け出しやすい性質があるため、鍋料理や汁物などに使うときはスープごと飲むのがおすすめだ。
結論
日本人にとって馴染み深い食材の一つである鮭は、たんぱく質・脂質・ビタミン類などを多く含んでいる。また、抗酸化物質である「アスタキサンチン」を府含んでいることが特徴だ。そのため、美味しいだけでなく、栄養面でも優れている食品といえるだろう。
(参考文献)
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