1. サケとは

サケはサケ目サケ科サケ属の魚の総称。特徴として揚げられるのは、川で生まれてから稚魚に成長すると海へ出て行くこと。また産卵の時期には生まれた川に戻ってくるという特異な習性がある。種類でいうとサケ(シロザケ)、ベニザケ、ギンザケ、サクラマス、カラフトマス、マスノスケのこと。すなわちマスも生物学上はサケに分類される。
日本で食べられるサケ
日本の食卓にあがるサケは、ほとんどがサケ(シロザケ)という種類。ギンザケやベニザケは、日本では漁獲できない。またベニザケは養殖ができないのでロシアやアラスカからの天然輸入物。ギンザケは養殖できるが、チリやノルウェーからの輸入物が多い。
秋鮭と時鮭
実は両者は、サケ(シロザケ)の呼び名の一種。秋にとれたものを秋鮭、春から初夏に沿岸でとれたものを、時知らずや時鮭と呼ぶ。また、産卵で戻るサケの群れの中にごく稀に存在する若鮭、鮭児は高級魚として知られる。これもシロザケの1種だ。
2. サーモン&マスとは

マスも、生物学上はサケと同じサケ目サケ科サケ属の魚。ただ、日本ではサケというとおもにサケ(シロザケ)、ベニザケ、ギンザケを指すことが多い。このことから、マスというと3種のサケ以外のサケ科でマスと名のつくものを指す。さらに、キングサーモン、アトランティックサーモン、サーモントラウトなど、日本の川には戻ってこない種類のことを合わせてサーモンと呼ぶ。
マスの種類
マスとはサクラマス、カラフトマス、マスノスケなど、マスという名のつく魚類の俗称だ。サクラマスは海に出て河川に戻ってくるもののことで、同種で海に出ないものをヤマメと分類している。カラフトマスも海に出て河川に戻ってくるタイプで、英語圏ではピンクサーモンと呼ばれている。
サーモンの種類
キングサーモンはサケのなかでもっとも大型。和名はマスノスケ。脂分が多く、ステーキなどに向いている。アトランティックサーモンは、大西洋のサケで、ノルウェー近海が漁場だが、現在流通しているもののほとんどが養殖だ。こちらも脂が乗っている。サーモントラウトはニジマスを海で養殖し、大きく育てたもののこと。刺身として販売されているのは、このサーモントラウトが多い。
3. サケとマスとサーモンの豆知識

海外での分類
日本では、サケとマスとサーモンの分類は上記のように曖昧で、決定打になるような規定はない。対して海外では、明確な規定がある。基本的に河川で生まれ、海へ出て、また戻ってくるものをsalmon(サーモン)、河川で生まれそのまま海には出ず淡水魚として育つものをtrout(トラウト)と呼ぶ。
実は白身魚
サケとマスとサーモンは、どれもきれいなオレンジ色をしている。この色から、赤身魚と思われがちだが、実は白身魚だ。マグロやカツオなどの赤身魚の身が赤いのは、ミオグロビンというタンパク質によるもの。これは、筋肉に酸素をたくさん蓄えてくれるもので、回遊魚に必要なタンパク質だ。対して、サケ類がオレンジ色なのは、餌のプランクトンに含まれるアスタキサンチンという物質によるもの。産卵のため、川に戻ってきた鮭はほとんど餌を食べないといわれている。するとだんだん身が白くなっていくようだ。
結論
日本では明確に定義がなされていないサケとマスとサーモン。日本の川に帰ってきているものは、サケという名をつけて販売されていることは確かなようだ。北半球最大の魚類とも呼ばれるサケ。馴染深い魚類だからこそ、きちんと知って、美味しくいただこう。