1. 枝豆の種類と特徴

枝豆は、大豆が完全に熟す前にさやごと収穫したものである。枝豆の種類は大きく分けると「白毛豆」、「茶豆」、「黒豆」の3種類があり、それぞれ異なる特徴をもつ。ここでは、枝豆の種類別の特徴を紹介しよう。
白毛豆
全国的に広く流通しているのが白毛豆である。多くはさやの部分に白い産毛が生えており、種子が大豆特有の色や薄緑色をした状態のものは別名青豆とも呼ばれている。さやは色鮮やかな緑色で白色の産毛があり、節の間隔が狭く、3粒ほどの豆が入っているのが特徴だ。関東地方が主要な産地であり、毛豆や小糸在来などのブランド品種がある。
茶豆
さやに入った豆が茶色の薄皮で覆われているのが茶豆と呼ばれる種類である。さやの見た目は普通の枝豆と同じだが、さやの中の豆は2粒入りであることが多いのも特徴だ。収穫シーズンは白毛豆と比較するとやや遅く、8月上旬〜9月上旬がピークとなる。味わいも白毛豆とはやや異なり、強い甘みを味わえる種類である。東北地方が主な産地であり、新潟茶豆やだだちゃ豆などのブランド品種が有名だ。
黒豆
黒豆は、さやに入った豆の薄皮が少し黒みを帯びている種類だ。枝豆となるものは黒大豆が熟す前の若い状態で収穫しており、成熟したものはお正月の煮豆料理にも使われている。豆の粒が大きく、味わいにも深いコクと独特の甘みがあるのが特徴だ。9月下旬〜10月中旬にかけて収穫され、生産量が少ないことから市場にはあまり出回らないことでも知られる。関西地方が主要産地であり、ブランド品種には紫ずきんや丹波篠山黒大豆がある。
2. 新潟や山形の枝豆の種類

日本で枝豆の作付面積が多い県をご存知だろうか?農林水産省による「令和元年産野菜生産出荷統計」によると、トップが新潟県、続いて山形県となっている。枝豆栽培が盛んな新潟県・山形県ではどのような種類や品種が作られているのだろうか。代表的な一覧がこちらである。
新潟県で栽培されている枝豆の種類と品種
作付面積だけでなく枝豆の消費量も日本一という新潟県。県内で生産されている枝豆はおよそ40品種あるという。主流となるのが茶豆であるが、代表的な品種がこちらである。
- 新潟茶豆...凝縮された旨みと甘みで、新潟県を代表するブランドのひとつ。
- おつな姫...風味のよさで知られる茶豆風味の早生品種。
- 湯あがり娘...ショ糖をはじめ糖類を多く含む品種。
山形県で栽培されている枝豆の種類と品種
山形県の枝豆といえば、土地のことばでお父さんを意味するだだちゃ豆が有名だ。山形を代表する品種には以下のようなものがある。
- だだちゃ豆...庄内地域特産の茶豆で、外皮がほのかに茶褐色なのが特徴。ホクホクした食感が味わえる。
- 秘伝...近年注目となっている品種のひとつ。濃厚な味わいで、粒も大きく食べごたえがある。
3. おすすめ!おいしい枝豆3選!

枝豆は、主に3種類あるなかでも、収穫時期や粒の大きさなど細かな違いに応じて約400種類以上の品種があるという。農林水産省の「令和元年産野菜生産出荷統計」によると、作付面積が多い県は、1位新潟県、次いで山形県、3位に秋田県となっている。それぞれの県を代表するブランド品種から、おすすめのおいしい枝豆を紹介しよう。
新潟茶豆
おつな姫をはじめ多くの種類や品種があるが、やはり新潟県が誇る代表品種といえば、この新潟茶豆である。昔は新潟でも一部の地域でしか収穫できなかった伝統的な品種だ。小ぶりなサイズで噛むほどに旨みや甘みが増し、茹で上がったときの芳しい香りもバツグンだ。
だだちゃ豆
全国的にも有名な山形を代表する枝豆である。褐色がかった表皮と茶色の産毛に特徴があり、昔は見た目で敬遠されることもあったという。さやの豆の数は主に2つで、ほかの品種と比較すると1本の枝から収穫できる数は少ない。栗のような食感と甘みが感じられるのも人気の秘訣かもしれない。
あきた香り五葉
秋田で昔から栽培されてきた五葉豆を継承する品種があきた香り五葉だ。9月上旬以降に収穫シーズンを迎える中晩生品種で、甘い香りや旨みの豊かさが特徴である。茹でた後冷めてから食べてもおいしいことでも知られている。
結論
つまみに欠かせない枝豆だが、どのような種類や品種があるか普段意識する機会はそう多くはないだろう。品種や産地ごとに特徴がある枝豆は、実に奥深い食材である。ぜひいろいろな品種を試してみて、味わいの違いを体験していただきたい。
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