1. ケルシーってどんな果物?

ケルシーとは、「甲州大巴旦杏」という日本スモモの品種の一種である。「こうしゅうだいはたんきょう」と読む。名前の意味は、明治の初めにジョン・ケルシーという人物によってアメリカに持ち帰られ、広まったことに由来する。アメリカに渡った後には、ケルシー農場にて品種改良もなされた。大正時代にはケルシー自体の栽培農家が減っていたが、品種改良をされ再び「ケルシー・ジャパン」という名前でアメリカから逆輸入されたことにより、再び日本でも栽培されるようになったとされている。
スモモの部類の中でも、150~200gと大ぶりの果実を特徴とするケルシー。形は先端がとがったハートのような形で、外側が緑色、中の身は黄色だ。果肉はやや硬めとされており、酸味が少なめで甘みがあるのも特徴のひとつである。外側の緑色の皮は薄いため、皮はむかずにそのままでも食べられる。ケルシーの産地は山梨県で、日本で唯一といわれている。全体の生産量もかなり少ないため、スーパーなどではあまりお目にかかれない品種の果実だ。収穫時期は8~9月。生産量も少なく時期も短いとされている。
栄養面では、葉酸が比較的多く含まれているため、妊娠前の女性におすすめの食べ物だ。また、カリウムも多く含んでいるため、塩分の摂り過ぎが気になる人にもいい果物として知られている(※1,2)。
2. ケルシーの美味しい食べ方

ケルシーは、そのまま食べても美味しい果実のひとつだ。桃を食べるときと同じように、半分にカットし、種を取り除く。ケルシーには種の下に空洞があるため、比較的簡単に種を取り除ける。緑色の果実のため、酸味が強いと思われがちなケルシーだが、酸味は少なくスッキリとした甘さだ。ケルシーは、砂糖と煮てコンポートやジャムにしたり、ドライフルーツにしたりして保存食にしてもよい。コンポートやジャムにすれば、スイーツとしてはもちろん、ステーキのフルーツソースにも使える。さらに、しゃきしゃきとした食感を活かし、サラダに応用するのもいいだろう。きゅうりと一緒に細切りにして、ドレッシングと和えれば、ほんのりとした甘みを活かしたサラダが食べられる。
3. ケルシーのケーキの作り方

ケルシーの食べ方の中でも、人気を集めているのが、ケルシーの果実を使ったケルシーケーキだ。ケルシーをケーキに入れる場合には、シンプルなバターケーキの生地に、果実をいくつか焼き込むのがおすすめである。また、焼きあがった後に、ケルシーのコンポートやジャムのシロップを塗るのもいいだろう。ケルシーはそのまま食べても美味しいが、このようにケーキに入れたり、スイーツとしてアレンジしたりする場合には、ジャムやコンポートにして保存しておくと勝手がよい。甘みの強いケルシーのケーキに仕上げたい場合は、桃の一種であるネクタリンと合わせて焼き上げるのもおすすめだ。
4. ケルシーを通販でお取り寄せ

逆輸入により普及したとされているケルシーだが、日本ではまだまだ希少な品種のすももである。そのため、「幻のすもも」や「すももの最高級品種」と呼ばれることもあるケルシー。どうしても手に入れたいというときには、通販を利用するといいだろう。ネットでは10玉前後で販売されている。
ただ、旬の時期が短く季節はずれには在庫切れになっていることも多いため、注意が必要だ。到着したケルシーが完熟していない場合には、常温で涼しい場所に、完熟したら冷蔵庫に移して保管するとよい。また、ケルシーの苗木は通販で購入も可能である。ケルシーは実をつけるために別品種との受粉が必要となる。近くにソルダムといったほかの品種をもう1本植えよう。
結論
大きな緑色の果実が特徴のケルシーは、希少な品種のすももとしても知られている。見た目は緑色だが酸味は少ないうえ、ほんのりとした甘みをもっており、癖になる味の果物だ。まずは、幻ともいわれているケルシーを手に取って味わってみてはいかがだろうか。
(参考文献)
※1 葉酸の働きと1日の摂取量 |健康長寿ネット
公益財団法人長寿科学振興財団
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-yousan-biotin.html
※2 カリウム | e-ヘルスネット
厚生労働省
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html
※1 葉酸の働きと1日の摂取量 |健康長寿ネット
公益財団法人長寿科学振興財団
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-yousan-biotin.html
※2 カリウム | e-ヘルスネット
厚生労働省
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html