1. アボカドオイルとは
オイルの種類
アボカドオイルを語る前に、まずは料理に使われている油の種類について学んでいこう。オリーブオイルやサラダ油をはじめとするオイルは、植物性のものが多く、常温時は液体。対して、バターやラードをはじめとする動物性の脂肪は、常温時固体の場合が多い。これは構成要素の違いによるものだ。
オイルの主成分は、不飽和脂肪酸。これは魚や植物などに含まれている脂肪酸のことで、サラサラとしたテクスチャーがポイント。オメガ9系脂肪酸(オレイン酸)、オメガ6系脂肪酸(リノール酸)、オメガ3系脂肪酸(α-リノレン酸)の3種類が存在する。対して、動物性脂肪は飽和脂肪酸が主成分。ドロドロとしたテクスチャーがポイントだ。ただし、ココナッツオイルのように植物から抽出されているが、飽和脂肪酸が多いタイプも存在する。
脂肪酸のバランス
3種類の不飽和脂肪酸は、その性質によって2つに分けることができる。まず1つが一価不飽和脂肪酸であるオメガ9系脂肪酸の含有量が多いもの。もう1つが多価不飽和脂肪酸であるオメガ6系脂肪酸、オメガ3系脂肪酸の含有量が多いものだ。とくに多価不飽和脂肪酸は、必須脂肪酸であり、体内生成ができないので、食事から摂り入れる必要がある。
オメガ6系脂肪酸はごま油や大豆油など、日常に使われることが多い油なので、過多にならないように注意することが重要。対してオメガ3系脂肪酸はえごま油やアマニ油など、健康オイルとして近年話題になっているもので、体内に入るとDHAやEPAに変化する。高温調理には向かないので生食する工夫が必要だ。
アボカドオイルとは
アボカドオイルとは、アボカドの果肉から抽出したオイルのことである。アボカドオイルは、オリーブオイルなどと同じくオメガ9系脂肪酸の含有量が多いオイルで、比較的あっさりとして食べやすいところが特徴。アボカドの風味もほのかだが感じることができる。
2. アボカドオイルのメリット
ビタミンEが豊富
アボカドオイルを使用するメリットのひとつが、その栄養素にある。まずトランス脂肪酸やコレステロールはゼロなので、安心して使うことができる。注目すべきは、酸化防止効果の高いビタミンEを豊富に含んでいるところ。その量は、オメガ9系脂肪酸オイルの代表格オリーブオイルの2倍ともいわれている。そのほか、コレステロールの体内吸収を抑制する効果が期待されている植物ステロールも含まれている。
熱に強い
アボカドオイルは、熱に強く、加熱調理できるところが利点。発煙点は250℃程度で焦げにくく、揚げ物を行うこともできる。普段のサラダ油やオリーブオイルの代替品にもぴったりだ。
酸化に強い
前述の通り、ビタミンEが豊富に含まれているので、酸化にも強い。胸焼けなども起こりにくく、保存にも適していると考えることができそうだ。
3. アボカドオイルの選び方
低温圧搾がおすすめ
どのオイルにも共通して述べられることだが、きちんと作られたオイルでなければ、健康効果はおろか美味しさも見いだすことができない。オイルはとくに抽出方法が重要。一般的に販売されているオイルは、高温圧搾が基本。これは加熱しながら圧搾を行うもので、一度でたくさんのオイルを圧搾することができるため、大量生産向きなのである。
対して低温圧搾、いわゆるコールドプレスは摩擦のない低温で圧搾するため、時間がかかり、大量生産向きとは決していうことができない。しかし、その分栄養素や風味を逃すこともない。値段も高くなりがちではあるが、低温圧搾タイプを選ぶことをおすすめする。
パッケージにも注目
オイルは、紫外線の影響を受けやすいものである。アボカドオイルも然り。遮光性のある瓶に入ったものを購入するのがおすすめ。あまりに大きなタイプを買うとどうしても酸化してしまうので、暮らしにあったサイズを購入するのが正解だ。
結論
アボカドオイルは、加熱にも生食にも向いている優秀なオイル。アボカドを思わせるほのかな緑の色合いも見逃せない。使い方はほぼオリーブオイルと同じ。ビタミンEも多く含んでいるので、日々の料理に上手に取り入れるといいだろう。まずはサラダのドレッシングとして活用し、味わいをチェックしてみたい。
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