1. アボカドの基礎知識
生まれ故郷
アボカドは、クスノキ科の常緑高木とその果実のことを指す。私たちが思い浮かべるのは、主に果実の方だろう。メキシコと中央アメリカが原産で主に熱帯、亜熱帯で生育する樹木だ。アボカドがいつ頃から栽培され始めたのか、食物として食べられてきたかは定かではない。ただ、少なくとも13世紀には栽培が行われていたようだ。ちなみにアボカドは、野菜ではなく、果実に分類される。
注目の集まる栄養
アボカドの果実は、「森のバター」という異名を持つほど、栄養価が高い。果肉の18〜25%が脂肪で、その分カロリーも高い。しかし、この脂肪分のほとんどが、血中コレステロールを増加させる心配がない不飽和脂肪酸。すなわち、ヘルシーな脂肪というわけ。さらにビタミンEが多く含まれることでも知られている。
多彩な品種
日本で見かけるアボカドのほとんどは、熟すと黒くなる「ハス種」と呼ばれるもの。皮が厚く、長距離輸送に便利なことから、この品種が大多数を占めているが、実は世界中には1000以上の品種があると言われている。ちなみに生産量はごく少ないが、和歌山や奄美大島など、日本でも生産されている地域がある。
2. 美味しいアボカドの見分け方
収穫時の状態
アボカドは当たり外れの多い食材。アボカドの美味しさが脂肪分にあるのだが、その脂肪分は木からもいだ時点で増加することはない。すなわち、ある程度、生育した状態=脂肪分が十分にある状態で収穫したものでないとそもそも美味しいはずがないのだ。
皮と色
ある程度成熟した状態のアボカドを見分けるには、まず皮の張りをチェックするのが先決。艶があり、大きいものを選ぶのが正解。色はすぐに食べる場合は、黒みがかったものをセレクト。真っ黒で皮にシワがあるものは、熟しすぎている危険性があるので注意が必要だ。数日置いて食べる場合には、濃いグリーンのものを選ぶといいだろう。
ヘタに注目
次にチェックすべきは、ヘタ部分。ヘタが取れていたり、いまにも取れそうなものは未成熟の証拠。というのもアボカドは水分量の多い食物。収穫されるとだんだん水分が抜け、ヘタから縮む性質がある。ヘタが浮いてしまうということは、そもそも水分が抜けているか成熟していない可能性が高いのだ。
3. 上手な追熟方法
弾力が合図
濃いグリーンのアボカドを買った場合は、黒みがかかるまで追熟させる必要がある。真夏以外は、室温で追熟させるのがオススメ。急いで追熟させたい場合は、りんごやバナナなどと一緒にビニール袋に入れておくといい。押した時にやや弾力を感じるときが美味しい合図。
切ったら硬い
自然に熟したあのまろやかな味わいは手に入らないが、熟す前に切ってしまった場合は、電子レンジで加熱すると少し柔らかくなる。半分に切って、タネを除き、耐熱容器に入れて、500wで1分ほど加熱すればOK。
追熟しすぎてしまったら
うっかり熟しすぎてしまったら、ディップにしてコーンチップにつけて食べたり、サンドウィッチの具にしたり、ポテトサラダに加えたりするといいだろう。半分に切って、タネを除き、黒ずんだ部分を避けて、食べるといい。
結論
栄養満点のアボカド。とっつきにくい印象があるかもしれないが、ぜひ手にとってみてほしい。酸化すると茶色になるので、レモン汁やお酢を少しかけ、酸化を止めるのがオススメ。さらに食べるまでの間、タネを一緒にしておくと酸化防止に役立つ。ぜひ、試してみてほしい。