1. チョコレートのスイーツに欠かせないガナッシュとは?
ボンボンショコラやトリュフのセンターなどに使われているチョコレートといえば、どんなチョコレートか想像できるだろうか。それはガナッシュである。ガナッシュとは、温めた生クリームにチョコレートを溶かし込んだり、逆にとろとろに溶かしたチョコレートにふんだんに生クリームを加えて作ったりする、口溶けのよいチョコレートのことだ。
ガナッシュとは、英語・フランス語で「ganache」と表記し、「のろま」というフランス語の古語からきている言葉。『昔、見習いのパティシエが溶かしたチョコレートにうっかり生クリームをこぼしてしまったときに「Quel ganache!(うすのろ!)」と親方が怒鳴ったが、そのチョコレートがとても美味しかった』といういい伝えがあるようだ。
日本では、ガナッシュの周りにココアパウダーなどをまぶして加工し、それだけで食べるチョコレートが「生チョコレート」として販売され、口どけのよさが美味しいと、とても人気がある。一言でいうとガナッシュとは、生クリームを配合した美味しいチョコレートのことを指すのだ。
2. ガナッシュとは?プラリネとは違う?
さきほど「ガナッシュ」とは何か説明したが、「プラリネ」という、似ている意味で使われている単語もある。「プラリネ」とはどんなものだろうか。実はプラリネには3つの意味がある。それを説明していこう。
何かが入ったチョコレートのこと
この場合のプラリネとは、中に何かが入った一口サイズのチョコレートのことである。中身にはガナッシュ、果物のジュレ、キャラメル、コーヒークリームなどが使われる。北海道の有名チョコレートブランド「ROYCE(ロイズ)」では、ガナッシュをくるんだ一口サイズのチョコレートが、プラリネとして販売されている。
ナッツを使ったチョコレートフィリングのこと
製菓材料としてのプラリネとは、焙煎したアーモンドや、ヘーゼルナッツなどのナッツ類を、焦がした砂糖と一緒にキャラメリゼし、ペーストにして、フィリングとして使うもの。プラリネマッセ(pralinemasse)というドイツ語を語源とする。ベルギーの人気チョコレートブランド「GODIVA(ゴディバ)」からは、ペースト状のプラリネをくるんだ一口サイズのチョコレートが、販売されている。
ナッツ類にカラメルを絡めたもの
ナッツ類にカラメルを絡めただけのものもプラリネと呼ばれている。
ここでガナッシュに話を戻そう。プラリネとはこの3つの意味をもっているが、ガナッシュとは先述のとおり、生クリームを配合したチョコレートのことである。つまり、ガナッシュとプラリネはまったく別のもの、ということになる。
3. ガナッシュとは?繊細なマカロンとも相性のいいチョコクリーム
マカロンとは砂糖と卵白、アーモンドで作られている。材料費は安いのに意外と高価だと驚いた人もいるのではないか。実はマカロンを作るために、マカロナージュという難しい混ぜ方の技術が必要で、かつ繊細で崩れやすいため輸送に費用がかかる。マカロンの値段は技術料と梱包・輸送に気を付けないといけない理由が隠されているのだ。
マカロンには通常ジャムやバタークリームなどが挟まれているが、とくにガナッシュとはとても相性がよい。マカロンには甘いチョコレート味が合ううえに、割れやすいマカロンに粘着力が高いガナッシュを挟むことでバラバラになりづらく、輸送中の破損も防いでくれるのだ。ガナッシュはマカロンの最高の相棒といえるだろう。
結論
ガナッシュとはどんなものなのかを説明した。チョコレートもさまざまな種類があり、ガナッシュはほんのひとつのバリエーションに過ぎない。ただ、ガナッシュの違いを知ったことで、今後チョコレートを選ぶときや、食べるときに家族と知識を共有し楽しんでもらえるようになるのではないか。美味しいチョコレートを選ぶ参考となれば幸いである。
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